第35話 定番だよねー
「すいませーん。遅れましたか?」
「いや、丁度いい時間だよ」
良かった、遅れた訳では無かったみたいだ。
でも、ギリギリだったみたい、これからは時間には注意した方がいいかも。
「では、行きましょう」
門を出た、街道の脇に馬車が止めてあった。
私達は馬車に乗りこんでいく、御者はギルドマスターがしてくれるらしい。
普通、私がやりましょうか、みたいなこと言わなきゃいけないのだろうけど、馬の扱い方とかしらないし無理なんだよね。
結局ギルドマスターが御者をするしかない。
因みにリントヴルムだが、聞かなくても分かる、リバウンドができる訳が無い。
さて、聞きたいことが合ったんだよね。
「ギルドマスター、普通ギルドの一番偉い人が討伐に行く事ってあるんでか?」
「そうですね、ハッキリ言えば無い、ですね」
「では、今回はなぜなんですか?」
「まぁ危険な状況になれば別ですが、普通冒険者育成のため危険な依頼もギルドマスターが出しゃばる事はあるません。今回はそこまで被害が出ている訳ではありません。これは私の個人的な理由です、近日中に私の息子がこの街に帰って来る事になりました、その道がここ、という訳です」
え? でもそれっておかしくない?
「でもそれってこの道を迂回すればいいだけじゃないんですか?」
「確かにそうなんですが私の息子の性格が、何と言いますか、そのわが道を邪魔する奴は俺が叩き潰す。的な感じの息子で、そのまま突き進むんですよ。ランクはBでまぁまぁの実力なのですが、流石にランクBでそれも伯爵三位の悪魔を相手にするのは無謀というものです。ですから私が向かっている訳です、つまりは私の都合ですね」
なるほどね。
それにしても。
「私達が相手をするのは伯爵三位だったんですね」
「言ってませんでしたか、それはすいません。それにしても伯爵位の悪魔を相手をするのにあまり動じていないのは流石ですね、普通なら逃げ出しているところですよ」
言ってなかったのは私達が逃げるとでもおもってたんだろうな。
でもね、私は悪魔の強さとかしらないし、そもそもリントヴルムが居るからそこまで構える必要はないと思う、だって公爵一位と喧嘩してたみたいだし。
聞いた限りだとどちらも本気じゃなかったようだけど、そんな事を聞くと伯爵って大した事無いように思えるんだよね。
まぁいいや。
「もうそろそろです。気を引き締めてください」
出発からもうそろそろ3時間経つ、今まで他愛ない話をしていたが、ギルドマスターの顔が目的地に近づくごとに険しく成っていく。
そこまで警戒しないといけない事だろうか? 私はその危険性が分からない。
もしかしたら悪魔とは暴走した愉悦者や殺人鬼みたいなものだろうか、それだったら分かるかもしれない。
そんな事を考えていたら前方に道を塞ぐ様に立っている者が居る。
随分とガラが悪そうな連中である。
手にはそれぞれに得物が握られている。
「へへへ、まだここを通る獲物がいるとわな~そろそろ塒を変えようと思っていたところだが、いい上玉来たもんだ。魂を抜く前に可愛がってやんよ~」
「頭~俺に犯らしてくれよ~最近溜まってんだよ~」
「知るか!! 最初は俺なんだよ!!」
もしかしてこいつらホモなのか?
いや、もしかして、私に欲情してるよか? 正直大丈夫か? て言いたくなる。
まぁいいや。
敵と十分に距離で馬車を止めて私達は降りた。
「いいですか。もし悪魔が出た場合、基本的に接近戦は私が担当します。あなた達は支援を行って下さい」
「分かりました」
正直リントヴルムに任せた方が確実なんだろうけど、ギルドマスターとしての面目もあるだろうし今回は任せておこう。
私達と盗賊は徐々にっていうか盗賊の方はずかずかと距離を詰めてくる。
「一応聞くが投降する気はないか? どうせ死刑か犯罪奴隷だろうが、待遇は少しは良くなるかもしれんぞ?」
「するわけねーだろ!! ボケ!!」
「だろうな、仕方が無い」
今私達の周り、前方に5人と後方の草むらに4人、後ろに2人がいる。
なぜそんな事が分かるかというと[周囲感知]のおかげだ、これは魔力を使うことで認識範囲を拡大出来るみたいだ、それを使って盗賊達を確認した。
「くくく、あはははははは!!!」
行き成り先頭の盗賊の頭らしき人が笑い出した。
「貴様!! 何がおかしい!!」
それに怪訝そうな表情のギルドマスター、だがその原因は直ぐに判明する。
「出て来て下せぇ!! 奴らに絶望を!! 〈悪魔召喚・サモン〉」
盗賊の頭がそう言うと、盗賊の頭前に黒い魔方陣? みたいなものが浮かび上がる。
たぶん契約した悪魔の召喚魔法の類だろう。
魔方陣に黒い霧が集まっていき徐々に姿を現す。
「クフフフ、やっと出番ですか」
その姿は燕尾服を来た美男子、年齢は二十歳くらいかな。
悪魔の特徴の角を翼が有る。
あれ? でも人間とにた姿が可能なのは侯爵位からじゃ無かったけ? 確かギルドマスターの情報だと伯爵位だったはず。
ギルドマスターを見てみると。
「なっなんだと!? そんな何故!? 情報では伯爵三位だったはず!! こいつは侯爵位ではないか!!」
ガクブルであった。
いや、マジで大丈夫かっていいたくなるほど震えてるし、顔とかもうこの世の絶望を味わっているかのようだ。
「クフ、クフフフフフフ。また誤った情報に踊らされて来たようですね。イイですねぇ~堪りませんねぇ~この何もかもが絶望した顔は~。態々偽情報を流したかいがあると言うもの。さぁ!! 私を楽しませて下さい!! クフフフ」
説明どうもありがとうございます。
こういう時って何故か敵が教えてくれるって定番だよねー。




