第16話 生理的に受け付けない
私は今現在森の中を歩いています。
で、思ったんだけど、街とか入る時に手数料とか掛かるんじゃない?
それじゃ、ここの世界の通過ってなんなの?
てことでそこらへんを聞いてみたんだけど。
「そんなこと、我が知る訳ないだろ」
とのことだった。
まあ、成るように成るだろう。
そういえば、リントヴルムは邪竜とか言ってたけど、それじゃそのまま名前でリントヴルムって言ってもいいのかな。
「ねぇ、リントヴルムは一応邪竜扱い何でしょう? じゃあそのまま私が名前で呼ぶの不味くない?」
「一応ってお前な、まぁそうかもしれんが我が邪竜などとは思うまい、そもそも我が封印されたのは1000年も前のこと。もう忘れ去られているもではないか」
1000年も封印されてたんだ、凄いね。
ま、まあ、それはいいとして、確かにそれほど前となると、古書とかじゃないと載ってないかも。
だったら大丈夫か。
そんなことを考えていたら。
「キャャャャーーーー!!!!」
という叫び声が聞こえた。
「如何したんだろう、行ってみよう」
「うむ」
私達は走って声が聞こえた方に向かった。
森を出て街道に出たところにそれは居た。
そこに居たのは、護衛(予想冒険者)3人を連れた一般人4人、25歳くらいの夫婦に子共2人、お兄ちゃんと妹かな。
お兄ちゃんが7.8歳で妹ぐらいのこが5.6歳かな。
それが、豚に襲われていた。
二足方向の豚だ。
「あれは?」
「あれは、オークだな。それも上位種のオークジェネラルだな」
やっぱりオークなんだね。
予想はしてたけど、これはちょっと醜いというか、ハッキリ言ってキモイね。
ちょっとやばそうだね。
ここはリントヴルムに任せよう、だって怖いし。
「ふむ、形勢は不利のようだな」
「じゃあ、リントヴルム殺っちゃて」
「ん? フラーゼは行かないのか?」
無理無理無理。
流石にアレと戦えとか生理的に受け付けないよ。
「怖いから無理」
「お前のスキルならばダメージを負うことは無いかろうに」
「そういう問題じゃないの」
「分からんが、仕方ない。少し遊んでくるか」
そういってリントヴルムはオークに向かって速度を上げた。
結論から言うと一瞬だったよ。
いやーリントヴルムがオークも前に立ったと思ったら、オークの心臓を拳で一突き、本とに一瞬だった。
「やはり、遊びにも成らんな」
何ていってるし。
私が現場に到着した時にすでに終わってるって、もう何も言えないよ。
それを真近でみた人達はと言うと、もう驚きのあまり口をポカーンって開けながら固まってるよ。
そろそろ正気にもどそう。
「あの~大丈夫ですか?」
そしたら、皆ハッとした表情になった。
「は、はい。大丈夫です、助けていただいてありがとうございます」
「いや、私は何もしていませんよ。お礼ならあちらの人に」
そしたら皆リントヴルムにお礼を言った。
「ありがとうございます」
「助けてくれて礼を言う」
「助かったありかとう」
「感謝します」
「お兄ちゃんありがう」
「カッコいいお兄ちゃんありがとう」
などなど、リントヴルムにお礼三昧だ。
特に子共陣は可愛いね。
リントヴルムも満更ではなさろうなのがあれだ。
「フフフ、我は凄いであろう」
こんなこと言わなければカッコいいのにね。