第1話 プロローグ
はー疲れた。
生きるのに疲れた。
私、祐樹葵は人生に疲れてしまった。
それと言うのも親は10歳の時に他界してしまい、親戚もおらず私は孤児院に行き今まで暮らしてきた。
孤児院の院長先生には感謝している。
頼る身内も居無いでただ彷徨っていた私を育ててくれた。
だから私は孤児院の院長先生だけは感謝している。
そうだけは、だ。
孤児院には勿論他の子たちも居る私は自分では分かって無かったが周りから、かなり暗いヤツと言う認識だった。
それはイジメまとである。
国からのお金は少なくは無いが、それはただ暮らす分には問題ない、ということだ。
孤児院の子達は娯楽の飢えていた、ゲーム、漫画、小説、とでもそれらを買う金は無い。
そこで遊びなのだろう、私はイジメの的になった。
私には他の子達の気持ちが分からなかった。
だって生きていける、生活ができる、それだけでありがたい事ではないのか。
まぁ、それでも私は我慢できた。
私は院長先生に迷惑は掛けたく無くて院長先生には言わなかった。
それがいけなかったのだろうか、イジメはどんどんエスカレートして行った。
そして勿論中学校でもイジメはあった。
だって孤児院の他の子も同じ中学校だからだ、イジメ無い訳が無い。
他の生徒は見てみぬふり、それどころか私をイジメてた孤児院の子達に加わって他の生徒も加わってくる始末。
先生には言った。
別に先生なら言いや、と思ったのがいけなかったのか、先生はただ口で注意するだけで何もしない。
それでいいのか、と思うが、やはり人間という者は面倒事を避ける生き物なのだとう。
関わりたく無い、そんなところか。
もう我慢の限界が近かった。
そしてとうとう我慢の限界が来てしまった。
別に我慢の限界が来たからと言ってイジメて居る人たちに殴り掛かったりとかは出い無い、だって怖いし。
そして生きるのにも疲れてしまった、私が生きていたって何の意味も無い。
今の私は15歳、もう直ぐ中学校卒業だ。
そして私は考えた卒業式で自殺してやろうと。
もしかしたら自殺しても、あはは~あいつ死にやがっった。
とか笑い者にされるかもしれない。
だが、迷惑はかかるだろう。
私を助けてくれ無かった教師、見て見ぬふりをしていた生徒、そして事の現況であるイジメて居る人たち、それらは警察の取り調べで必ず迷惑が掛かる。
だけど私の唯一の心残りは院長先生に迷惑が掛かることだ。
私のことを本当の子共の様に優しく育ててくれた院長先生。
私が泣いていたら抱きしめてよしよししてくれた院長先生、温かかった、院長先生と居ると私は温かい気持ちで満たされた。
院長先生は紛れも無く、私の親だった。
そんな院長先生に迷惑が掛かる、そんな事を考えると胸が張り裂けそうである。
でも、私は私をイジメてた人たちが許せない。
目に者見せて遣りたい。
そんな黒い気持ちが私の心を染めるのだ。
ごめんなさい院長先生。
私は親不幸者です。
そして現在――卒業式。
今日は卒業式だ、今私は学校の屋上に居る。
ここから跳び降りるのだ。
今日、学校に遅刻ギリギリに来た。
院長先生は毎朝8時に孤児院のポストを確認する、学校の距離は歩いて30分。
ギリギリだけど小走りで十分間に合う。
昨日の夜、私は院長先生の今までの感謝の気持ちを伝えたくて私は手紙を書いた。
書きたいことが、感謝したいことが山ほどあって、朝方まで書いてしまった。
それを孤児院のポストに入れたのだ。
もし、イジメ居る子達に見つかったら何をされるか分からない。
だから、皆が学校に投稿して院長先生がポストを確認してから手紙を入れたのだ。
そしてもう一つ、そう、私はもう一つ手紙ではなくノートをポストに入れている。
ノートの表紙に、院長先生は見ないでください、警察に渡してください。
と、書いてある。
このノートは今まで私がされた、イジメられた事が全部ではないが殆ど書いてある。
私がイジメで自殺しますとも。
今から自殺します。
怖い気持ちは無いではない、というか実際に屋上から飛び降り様とすると、足がガクガクして動かない。
此処まで来て、死ぬ決心もしても、やっぱり怖いらしい。
でも、私は死ぬ。
そう決めたから。
私は目を瞑る。
そして――
「院長先生いままでありがとう」
――私は飛び降りた。
これで、私、祐樹葵の人生は終わりを告げた。