第四話 エロは正義 受付完了
建物の中に入ると、受付のようなところに出た。
あそこで聞いてみるか。
「あのー、すみません」
「はい、どのようなご用件でしょうか?」
「本日行われる試験を受けたいんですけど」
「えー、お客様は登録のほうはされていますか?」
あー、やっぱり登録みたいなのが必要なのか。
まあそりゃそうだよな。
「いや、していません」
「では今から試験の登録をしますので、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか?」
「は、はい」
おお、すごいな。当日登録でも試験を受けれるのか。
「ではお客様。こちらの台座に手のひらを乗せていただいてもよろしいでしょうか」
「わかりました」
手のひらを乗せるのか。静脈登録的なやつかな。あんまり詳しくないけど。
「…………? すみません、もう一度手を置きなおしていただいてもよろしいですか?」
「はい」
……あー、もしかしたらまずい感じかな。
異世界の人じゃないと感知しないのかも。
「ん、何か問題でもあったのか?」
お、こいつはなかなかにセクシーでダイナマイトなボディをしたお姉さんが来たぞ。
ふむふむ。髪はロングの紫、瞳も紫。この世界は髪の色と瞳の色が同じという法則があるのか。
なにはともあれ服装もなかなかはだけてだらしない感じでエロいや素晴らしい。
「それが、キャイドが反応しなくて」
「ほう……おい少年、手を貸せ」
「うぇ!?」
乱暴に手を掴まれた。うれしい。すべすべだ。
「……ふーん。わかった。私のほうで手入力で登録しておいてやるよ」
「え、あ、ありがとうございます!」
やった。なんか知らんけどいけたぞ。
やはりエロは正義ということか。けしからん。
「じゃあな。会場は右奥を行って曲がった先だ。精々頑張りな、西田俊一君」
「あ、はい。わざわざありがとうございました」
……なんで名前知ってるんだ?
まあ、別にいいけど。エロいし。
「すみませんでした。手間を取らせてしまって」
「いえいえ、こちらのほうこそ上手く登録ができず、申し訳ございませんでした」
さて、受付の人にも謝ったところで行きますか。
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試験会場っぽい入ったら、試験官らしき人に席を案内され座ることになった。
どうやら俺の話はもう通ってるみたいだ。
さっき受付したばかりなのに早いな。
「では、これからまずは君たちの知能を図るために筆記試験を行う」
祭壇上に偉そうな人がこれから説明をするらしい。
しかし、まさか異世界にきて試験やることになるとは。
世の中なにがあるかわからないものだ。
まあ、元の世界ではそこそこ出来たというのもあって、
意外いけるんじゃないかと自分では思ってるけど。
「わかっているとは思うが、開始時間になったら机に問題文が出てくる」
なんと。ごめんなさい。わかってなかったです。
というか超ハイテクで驚きを隠せない。
「問題に応じて回答方法は変わるが、基本的には4択から1つを選んでタッチするだけでいい」
すごい。近未来みたい。あれだな。ネ〇リーグみたいな感じだな多分。
あれ、そう考えたら言うほど近未来でもない気がする。
というかそれ筆記じゃなくね。
「途中で体調不良等の理由で退出した場合、再度入場は認められない」
ふむ、わりとハイテクのところ以外は元の世界の試験と変わらないな。
「不正行為等をした場合は、即刻切り捨てられると思え」
厳しいな。おい。
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なかなかに聞き覚えのある感じ、元の世界と大体同じような注意事項の説明が終わった。
そろそろ時間のようで、周りがそわそわしている。
「…………ではそろそろ時間だな」
予想通りだ。よし。
久しぶりに、本気出しますかね。
「……はじめっ!」
こうして、異世界にて最初で最後かもしれない初めての試験が始まった。