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第二話 見知らぬ街

しかし……ここはどこなんだ。

歩き始めてから結構たつけど、周りのどこを見ても知っている風景が見当たらない。

そればかりか初めて見るものばかりだ。

少なくとも日本には見えない。

街を歩いている人みんなカラフルな髪色だし。服装なんかファンタジックだし。

うーん。


よし、聞いてみるか。


「あの、急いでる所申し訳ないんですけど……」

「は、はい」

「ここってどこですかね」

「……え?」


ふむ、わりととても驚いている様子だ。


「えーと、その、これから入門試験を受けにいくんですよね?」


非常にまずい。さっきの取り合えず頷く作戦が早速裏目に出ている。

ここは正直に言っておくべきだろうか。


いやしかし、それは嘘をついたことになり、この女の子の好感度を確実に下げる事となるだろう。

なんとか誤魔化してしかないな。


「いや、ちょっと、町の名前をど忘れしちゃって。たまにありますよね!」

「そ、そうですね?」

「いやー、最近忘れっぽくて! ハハハ」


よしこれで大丈夫。流石俺。優秀すぎてつらい。


「こ、この町の名前は【ヴィヴヴェイヴヴァンダズ】」です、ね」

「ヴ、ヴィ……ヴぇ……?」


聞き間違いをしたっぽいぞ。くそ。

さっき走った時せいか、耳の調子が悪い。


「す、すみません。もう一度言って頂いてもよろしいですか?」

「ヴィヴヴェイヴヴァンダズ、です」


うわ、また上手く聞き取れなかったぞ。くそ。

本当に申し訳ないが、もう一回聞くしかないな。


「本当にすみません。最近耳の調子が悪くて。もう一度だけ、お願いします」

「ヴィヴヴェイヴヴァンダズ……です」

「……」


(いやいや)


いやいやいや、なんだその名前。

ヴが4つもあって言いにくくないかそれ。

特に最初のヴィヴなんて必要ないだろ。

せめてヴェイヴヴァンダズでいいだろ。

考えたやつセンスなさすぎだろ。








いや違うそこじゃない。

そこも凄いツッコミたいポイントだけど。

そこじゃなく。




ここは、日本じゃない?



「あの、日本ってご存知でしょうか? もしくは、ジャパンでも、Japanでもいいんですけど」

「うーん、こ、後半2つの違いがよくわからないですけど、知らないです、ね」

「アメリカとかAmericaも知らないですか?」

「その二つもの違いも判らないですけど、どっちも知らないです」


ふむ、ふむふむ。

徐々にわかってきたぞ。

見知らぬ街。見知らぬ人。日本を知らないならまだしもアメリカを知らない。

そして、わりとわけのわからん歩く人たちの服装。髪色。あと言ってなかったけど瞳の色も。



つまりこれらのことから推測されることは。



(もしかして、異世界、なのか?)

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