闇の魔剣士
よろしくお願いします!
戦場を駆ける悪魔の子。かつて戦場でそう呼ばれた少年がいた。少年は一人で幾千もの敵を倒し、仲間の死体を踏み越え、更に戦い戦い戦い戦い戦い戦かった。
少年はいつしか伝説となり語られることとなった。
その少年の名は....
ーーーーーーーーーメギア暦4058年ーーーーーーーーー
300年にも渡る長い戦争は、魔剣技 の出現により終焉を迎えた。
ーーーーーーーーーーメギア暦4061年ーーーーーーーーーー
「えー、これよりアルタマナ帝国立第四魔剣学園高等部第四回入学式を開会します。」
ここはアルタマナ帝国立第四魔剣学園高等部、通称第四魔剣学園。五年前、魔剣という技術の発見により300年続いた、隣国ミスラエル王国との戦争は僅か二年の間に終結した。
魔剣技とは、従来の魔法技術を剣に装備させたものであり、魔法と比べ圧倒的な力を誇った。遠距離戦が基本だった当時の戦線に置いて、近接攻撃を得意とする魔剣部隊は革新を巻き起こし、戦いを勝利へと導いた。
「隣、いいかな?」
「あぁ、いいぜ」
「ありがとう!俺はクレイ。1-Fだ。よろしく!」
「俺はシュヴァルツ。俺も1-F。一年間よろしくな!」
よかった、正直知らない人ばかりの学園で不安だったけど、クレイはいいやつそうだ。
「なぁクレイ、いきなりだけどお前の属性は?」
「僕は、氷属性。シュヴァルツは?」
おいおい、氷属性ってまじかよ・・・いきなり特殊属性持ちと出会うとはな。
「あぁ、俺は闇属性。」
「闇属性!?なにそれ、火の系統でも、水の系統でも、風の系統でも、土の系統でも、雷の系統でも、ないじゃないか!」
「まぁ少し特殊なんだ。それより、なんでクレイは氷属性持ちなのに、Fクラスなんだ?」
そう、AからKまで魔力のランクでクラスが決まるこの学園においてでも、特殊属性持ちというのは珍しく強力なはずなのに。
「僕は..魔力のコントロールが上手くなくて、高出力の魔力を出せないんだ。...そのせいで一族からも...」
「ん?最後なんか言ったか?」
「いや!なんでもないよ!」
「そうか。でも、魔力コントロールは正しい教育を受ければきっと上手くなっていくから、これから上達するさ!」
「そうだといいけど。それよりシュヴァルツの闇属性ってどんな魔剣なの?」
「ないんだ。」
「え?どういうこと?」
「闇属性に決まった属性の力はない。俺の力はただの。。」
「ただの?」
「借り物、なんだ。」
そう。俺の力は借り物に過ぎない。どんな強力な力を手に入れることができたとしても、俺のような人殺しには、その力を使う権利はない。
「えーーただいまをもちまして帝国立第四魔剣学園高等部第四回入学式を閉会致します。」
ふー。やっと終わったか。
「シュヴァルツ!クラス行こう!」
「そうだな!」
...あれは、Aクラスの奴らか。見るからに強そうだ。
Aクラスともなると、そこらへんの軍隊の隊長レベルのやつらばっかだからな。
ーーーーーガラガラーーーーーー
「おっ!最後の二人が来たみたいだねー!よろしくね!私は、アスカ。そんで、この隣の子が...」
「ほわぁぁああ!?アスカちゃん止めてくださいよぉ。」
「へへっ!ユリアの胸が大きいのが悪いのよ!」
「は、はじめまして。ユリアです。えっと...」
「あぁ、俺はシュヴァルツ。んでこいつが...」
「クレイだよ。よろしくね!」
ーーーーーガラガラーーーーーー
「おーい、そこ四人、席につけー。」
「は、はい!すみません!」
あの人が俺たちの担任か、、、艶のある長い黒髪、透き通った白い肌、朱い唇、、、あれはなんというか、、、美女だ!!!
「あー、私がこのクラスの担任のマルダ・ジェニファーだ。よろしく。早速だが、時間割表を配るぞー。」
ざわざわざわざわ...
「せ、先生!なんでこんなに魔術の授業が多いんですか!?」
「はぁ、アスカ・ウェンド。そう焦るな。いいかお前ら、今の戦場の基本的な戦い方は魔術と魔剣技の複合戦だ。そのためにはまず、魔術の基本的な力を向上させることが最重要なんだ。わかったか?」
「は、はい!すみませんでした。」
おいおい、今の戦闘体型なんか、常識中の常識だろ...
「もう一つお知らせがある。いきなりだが、明後日新入生歓迎実力実技テストを行う。まぁなんだ、詳しいことは言えないがとりあえずお前ら四人一組でチーム作っとけ。以上。なんか、質問あるやついるか?」
「は、はい。実技テストとはなんですか?」
「シュヴァルツ・クールスファイ。詳しいことは言えないと言っただろう?まぁ楽しみにしておけ。もう質問ないかー?じゃあ解散だ。」
いきなり実技テストだと!!?聞いてないぞ聞いてない。
「ねぇシュヴァルツ、組もうよ!」
「あ、あぁクレイか。OK、頑張ろうぜ!」
「ねぇー!私たちも入れてー!」
「OK、アスカ、ユリア。頑張ろうな!」
「ならさ!これから、アンコ屋で作戦会議しない?」
「いいね。アスカ。そうしよう!」
「そうだな!」
「そ、そうですね!」
ーーーーーーーーカランカランーーーーーーーーー
「いらっしゃいませ!」
雰囲気のいい店だなぁ。こんな店があるなんて知らなかった。
「アスカ、ここよく来るのか?」
「今日が初めてだよ!学校に来るときに見つけていきたいなーって思ってたんだ!ところで二人の属性は?」
「僕は氷属性で、シュヴァルツが闇属性...だよね?」
「闇属性!?それって...ねぇユリア?」
「え、や、闇属性なんですか?シュヴァルツくん。」
「あぁユリア。珍しいだろ?」
「実は私光属性なんです。」
「それって...じゃあユリアって」
「はい。魔女の一族の末裔です。」
「アスカは何属性なの?」
「あぁ、あんたと同じ氷属性よ」
おいおい、この四人全員特殊属性ってことかよ...
「じゃあ作戦なんだが、まず氷属性の二人の攻撃力は俺らの攻撃力に繋がるから二人は前衛だ。そんで光属性は回復系の魔術に特化してるから、後衛を頼む。俺は司令塔として中堅位置につくよ。」
「OKシュヴァルツ!僕とアスカで相手を倒せばいいんだね!」
「私は、みなさんの回復を頑張ります!」
「じゃあ、明後日頑張ろうぜ!」
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「ただいまー。」
「お帰りなさいませ。シュヴァルツ様。学校のほうはいかがでしたか?」
「まぁまぁだじぃや。それより、今日は疲れたからもう寝るよ。」
「おやすみなさいませ。」
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「では、これから新入生歓迎実力実技テストを始めます。」
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