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楽になりたい。

脩悟目線

「人の集中できる時間って短時間なんだって」


そういい出したのは、匠だったか、将生だったのかは忘れた。


でも、その言葉があったから、僕らはいつだって、密度の濃い時間を送った。


どんな先輩よりも、短期間でいい仕事をしようって皆で決めていた。


ついていくのがしんどいときもあったけど。




将生となっちゃんを呼び出して、3人でご飯にいった。


「ごめん、俺、もしパラ辞める」


「なんで?

どうして?」


「続けられないんだ。

あと、ちょっとしか、アイドルでいられないって、お医者さんに言われた。

ああ、違うな、こういえばいいのか。

俺、ガンなんだって」


「なんの冗談?」


「いや、マジ。

俺もさ、まだ若いからさ、進行早いって言われた。

だから、次のライブが、俺の最高の仕事になる。

それも怪しいって言われているけど、ソコまではもたすよ、この身体」


「マジでいってんの?

今日エープリルフールじゃないよね?」


「まだ健にも言ってない。

みっちゃんも、初耳な話。

将生には先にいっておこうって思って」


「マジ?」


「大マジ」


沈黙が落ちた。


沈黙を破ったのは、それまで黙っていたみっちゃんだった。


「脩悟、

病名はなに?」


「進行性胃ガン」


「胃ガンってことはステージあるよね?」


「3っていってたかな?」


「余命とか聞いたの?」


「次のライブがギリギリ」


「仕事減らして、治療に専念……

するわけないか」


みっちゃんは「脩悟」を一番理解している。

その次に理解しているのは、健だけど。


「うん、ごめん」


次のライブをやりきったら、いくらでも入院する。

どんな治療だってする。




でも、次のライブまで、




俺の身体は待ってくれなかったんだ。

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