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プロローグ 発端

初めて書きます。

矛盾も多々出てくるかもしれませんが許してください。

家は隣だった。典型的な幼馴染ってやつだ。

いつもお互い何も言わずに家を行き来する。

子供の時からそうだったし、

高校生になってからもずっとそんな感じだった。

もちろん親も公認だ。合鍵をもらっているくらいである。

そして高1の冬の時に向こうから告白された。


「その〜、今更言うのもなんだけど

ちゃんと言うね。

私と付き合って下さい。」


俺も好きだった。もちろん、OKした

それから1年間はとても充実していた。

リア充ってやつだな。

いつも2人で並んで帰る道を手を繋いで

帰ったり、ちょっと寄り道したり。

週末もよくデートをした。

遊園地に行ったりクリスマスも一緒に過ごした。

学校でもよく冷やかされたなと思う。

悪い気はしなかったし、楽しかった。


それは2年の夏に起きた。

いつものように、何も言わずに隣の家に入る


「今日は驚かせてやるか、ふっふっふっ。

静かに入ってリビングにでも隠れてよーっと」


その日は休日で彼女も居なかった。

帰って来たところを驚かそうと思ったんだ。

ほんの出来心だったんだ。


「今日はなかなか帰って来ないなぁ。

もう少し粘るか」


もしここで帰っていれば、今の俺はないだろう。


____________________________________


ガチャと玄関の扉の開く音がする。


「誰もいないよね」


そんな彼女の声が聞こえてくる。


「(よしきたぞー、驚かしてやろう。楽しみだなぁ)」


「よし、大丈夫。入っていいよー」


「(む?誰かいるのか。それは少しマズイな)」


「お邪魔しまーす。いやー女の子の家なんて初めてだよー」


そんな少し軽さを含んだ声が聞こえてくる。


「(男?しかも同じクラスの藤村じゃねぇか。なんでお前がここに?

今まで一度もきた事無かったと思うが…)」


俺は少し訝しんだが、すぐに頭の隅に追いやった。藤村は1年の時から同じクラスの仲の良い奴だ。とにかく気が合う。

だから一緒に驚かしてやろうと思った。


「(いやー名案だ。さらに面白いね)」


そんな事を考えていると向こうにも動きがあった。


「私の部屋で待ってて!すぐに飲み物持ってくるから!」


「オーケー、わかったよ。いやー暑くて死にそうだ」


そんな会話が聞こえて俺もつい気になってしまった。

仲の良い藤村と俺の彼女がどんな会話をするのか聞きたくなってしまった。


「(もし俺の愚痴が出てきたらどうしよう。ちゃんと直さなきゃいけないな)」


彼女が飲み物を持って部屋に戻る。

俺もバレないように扉の近くまで寄った。

少し声が漏れて聞こえてくる。


「ふぅーー、生き返ったわー

サンキューなー」


「どういたしまして。そんな事でお礼なんて言わなくていいのにー。藤村くん、私たち付き合ってるんだよ?

秘密だけどね」


?。脳が止まった。

しかしその間にも会話は続く。


「まぁ、美香がそう言うならそうするよ。」


笑いながら答える。


「ありがとう、藤村くん」


嬉しそうな声色だった。

それから会話は続いていく。

俺は出ようにも出られなかった。

帰ろうかと思っても気になって体が動かない。

そして俺の事を話し始めたようだった。


「それにしても美香は彼氏居るのにいいのかよ?」


「全然大丈夫だよ、バレないって。バレても私の人望があれば少しは捻じ曲げられるよ」


「いやー怖い事言いますねー美香は。

まぁでも可愛いから許す」


思考停止状態の俺には理解できなかった。


「(なんだ?何が起きている?会話してる。

内容は?恋人みたいな内容。

いや、でも恋人じゃなくて。アレ?

俺付き合ってなかったっけ?今どんな状態だ?)」


自問自答しようとするが混乱し過ぎて

何を考えてるかわからない。


「そんなところも好きだよ」


藤村のその声から会話は減っていく。


「ちよっとー、キス、がっつきすぎだよー。まぁいいけど」


「最初みたいでいいだろ?」


「あれはもうレイプに近いよ?全くもう。」


「でもこうして付き合ってるじゃん?」


「まぁそうなんだけどね」


彼女のそんな声に急に頭がクリアになっていく。その後に続く彼女の甘ったるい声がさらに俺の頭を冷やした。その時に悟った。

『終わったな』と。

いやらしい音や嬌声も聞こえてくるようなった。


「(あぁ、早く帰ろう。もういいや)」


余りにも集中してたみたいだった。

立ち上がる時に足を縺れさせてしまった。

盛大に音を立てる。

時間が止まったかと思うくらいに静まり返った廊下と部屋。

誰かこちらに来る気配がした。

俺は慌てて逃げて、自分の部屋に引きこもった。

8月28日の事である。



寝れなかった。

一睡もしていない。感情がなくなったみたいだった。

自分の事を客観的に見ている自分がいてなんだか変な気分だ。

テレビの内容が入ってこない。好きなゲームをしても何も感じない。

趣味のバスケもしようと思えない。

何かしようと思っても何をすれば良いのかわからない。

何も考えられなかった。

8月29日のこと。


なんとか考えられるようになった。

しかし、感情がどこかへ飛んでしまった。

取り敢えず紙に書いて状況を整理しようと思った。


俺氏、付き合う

楽しい日々を過ごす

彼女が寝取られてる

なんとか復活する←new!!


「(バッカみたい。)」


書いてて俺は思った。

でも少し回復したとも思えた。

少し寝れるようになった。

8月30日のこと。


携帯が震える。彼女からのLIMEだ。


美香[ちょっとー返事返してよー

不安になるじゃん(´・_・`)]


[うるせぇ帰れヤリマン]と返信しようと

したところで、

それまでに最低週に1度はLIMEしていた事を思い出した。

28日に彼女から来ていたが忘れていた。


「(冷静に考えたら関わる必要無いな。

これはブロックしておこう)」


しっかりとツウィンターもブロックしといた。そうして携帯をいじっていると、日にちが8月31日ということに気づいた。

焦りからかは分からないけど

自分が戻ってきた気がした。


それからはまず、彼女とどう接するか、藤村とどう接するかを考えた。

自分も彼女もクラスではそれなりの立場である。お互い学級委員だ。

これはもう世間で言ったら週刊誌ものかもな。たぶんだけど。

俺は反れた思考を元に戻す。


まず、彼女は可愛くて控えめで頭の良い女の子で通っている。

俺が急に真実を暴露しても白い眼で

見られるだけだろう。証拠もあるわけじゃない。

しかし彼女とは関わりたくない。復讐とかも今は考えられない。

どうすればいい?なにも思いつかない。

ならいっそ思い出さないようにしよう。

もう、彼女の事を忘れてしまおう。意図的に。

そう思った。


藤村に関してどうしようかと考えた時、

あえて、普通に接しようと思った。

正直言うと面倒になっただけだ。

彼女の対応で頭を使いすぎた。

でもそんなことを考えていると、

彼女とくっつかせて、もうあげてしまおうなんて考えが思いついた。


自分はこんなにも冷たい男だったのかと、

こんなにも感情が欠けていたのかと自覚した。

8月31日のことである。

ついに明日は始業式だ。

7/29

楽しい1年間→楽しい日々

に修正しました。


7/30

脱字があったので修正しました。


8/3

指摘がありましたので修正しました。

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