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09 開き直った皇子様はたちが悪い

「殿下があまりにも生意気だから、無意識のうちに元の姿に戻したくないって思っているんじゃないですか?」

「なっ! なんて無礼なことを! 今からでも遅くないから謝りなさい!!」


 リーアさんは逆上したものの、わたしの言葉を否定しない。殿下もそれに気づいているみたいで、鋭くした紺色の瞳で彼女を見据える。


「……まあ。よい」

 え、いいんだ?

 意外に思いつつ、殿下の表情を伺う。殿下は仁王立ちのポーズで腕を組むと、リーアさんを見上げて薄っすらと笑う。

 あ、目が笑っていない。しかも愛らしい顔立ちの幼児がこの表情って、ある意味ホラーだ。怖い。


「リーア、お前にとって私は扱いにくい教え子だったという自覚くらいはある。幼子の姿に変えて、凝らしめてやろうと思う気持ちも仕方がなかろう。このまま元に戻したとしても、これまでの行いを改めるとは到底思えないからな」

 うわ、開き直っている。自覚があるならやめればいいのにと思うんだけどな。

 なんて思っていたら、今度はこっちにお鉢が回って来た。

「クスモト。お前に役割を与えよう」

「え、や、役割ですか?」

「そうだ。お前は私の呪いを解くために招かれたのだから、その役割を果たしてもらおう」

「お任せください!」

 よくわからないが、ハッタリをかますしかない。

 役立たずだと思われないようにしなければ、って思っていた。でも具体的な案が思いつかなかったから、こうして提案してもらえるのは非常に助かる。

 よーし、なんでもこい!

 殿下の言葉を待ち構える。


「お前の役割は、私の教育係だ」

「教育係?」

 予想外の台詞に、一瞬戸惑う。

「リーアが呪いを安心して解けるよう、私を再教育してみせろ」

「はいいっ?!」

 再教育? わたしが? この手強そうな、ちびっこを?

 絶対、無理!!

「よし、いい返事だ」

 今のは、返事じゃないってば!!


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