なんでこっちの学校に通うことにしたんだ?
休日の日課であるランニングを終え、家に戻ってきた。
今日は9時に間に合ったぜ
「ただいま」
「・・・」
しーん・・・
この時間なら妹は起きてるはずなんだけどな・・・
反応が無いって事は、寝てるのかな?
台所には朝ご飯を食べた痕跡があった。
だけど僕の分はない
どうやら昨日の事をまだ怒っているようだ・・・
これは・・・朝ご飯は抜きと考えた方がいいかな・・・
外食してもいいんだけど、そうしたら長引くから、今日は朝抜こう
昨日のは不可効力だと思うけどなあ
僕は自分の部屋に戻る。
僕の部屋はそんなに荷物はない
あるのはベッドと、参考書などが入った本棚だけだ・・・
ベッドに寝ころぶ
ランニングの後に朝ご飯がない・・・というのはなかなかにつらい
寝ようとしても目が冴えて眠れないし、お腹が空いてしかたない
こうゆう時になにか気をまぎわらせられる物があったらいいんだけど、あいにく
そんな物は僕の部屋にはない
だからこれは罰になる
お腹が空いてるのをごまかすために寝返りをうつ
視界に日記が映った
・・・
・・・・・・
暇つぶしあったー!!!!!
よし、さっそく読もう、面白いといいな!
古ぼけた日記のページを開く
非常に達筆で、とても読みにくい
さて、この日記の持ち主だった人はいったいどんな人だったんだろうか
1982年4月1日
各品高等学校に入学するために、この里見が丘にやってきた
しかし、里見が丘が地名なのに高等学校が各品って名前なのはどうかと思う
ここはなかなかいい所だ
なぜなら美人が多い
そのためにここに来たと言っても過言ではない
とりあえず今日は荷解きであまり時間がとれなかったが、明日は高等学校に下見に行こうと思う
以前に来たときは宝探し兼家出だったからよく見れてなかった、宝は見つからなかったからもう一度見に行こうと思う
1982年4月2日
失敗した
すまん鈴木、前田、お前らの犠牲は無駄にしない
しかし夜に忍びこんだってのになんですぐに発見されたんだろうか?
やっぱり佐々木が言ってとうりに宝があるのか?
厳重注意だけですんだのは僥倖だろう
一回失敗したからしばらくは学校に忍び込むのはやめた方が無難かもしれない
1982年4月3日
佐々木から聞いたもう一つの宝があるかもしれない神社に行ってきた
人が結構多くて十分な下見はできなかったが
見目麗しい少女と遭遇した
その少女は魔性とでもいうのだろうか?
其の眼に見詰められると全てを覗かれるような気がしたものだ
その少女は私を誰かと間違えたのか
私の事を「淡雪」と呼んでいた
1982年4月4日
今日は皆で鍋を囲んだ
最後に来た鈴木がなにやら化生にでも会ったような青い顔をして妙な話を始めた
その話は本当に珍妙な話だった
鈴木がここに来る間に路地裏から、言い争うような声が聞こえたという
そこで喧嘩を見物でもしようかと見に行ったところ
人が二人ほど向かいあって、片手をつきだしていた
なんだ、喧嘩ではないのか
と思い、ここに来るために戻ろうとしたところ
片方の手からは蛇が、もう一方の人の手から炎が飛び出たと言うのだ
皆で鈴木に始まる前から酔いすぎだと言って笑って終わった
・・・・・・この日記を書いた人は夢見がちな人なのか?
宝探しに学校に忍び込むなんて明らかにおかしい。
しかも、他の人の名前も出てるってことは一人でやってたって訳じゃなさそうだ
しかも手から炎とか・・・ありえないだろ
高校生にもなって・・・
まあ、この日記が嘘を書いてるってだけかもしれないけど・・・
それにしても、荒唐無稽すぎるだろ
「しかし、嘘日記か」
書いた人の名前も嘘だったりして
というか書いた人ってだれだ?
っと名前はと・・・木暮貴志?どうせ嘘の日記なら名前も有名人のとかつかえばいいのに
他にはどんなとんでもない事が書かれてるのか・・・
ペラペラとページをめくる。
段々と、日付の間隔が長くなっていっている
日記の中ほどまで来た所で、様子が違うページを見つけた。
そこまでは薄茶けた白だったのにそこだけ色が違う
なんか黒と赤を混ぜたような色が、日記の大半を占めている。
そこに書かれているものはその色で霞んでいて、非常に読みにくい
10分ほどながめて、1つだけ読めた
『この町には、秘密がある。』
「なんだ、また妄想か」
次のページからはなにも書かれていなかった。
日記を読むのも飽きたし、お腹が空いた。
妹に謝って許してもらうしかないだろう
・・・じゃないと飢えで死ぬ
部屋を出る時
なぜか
最後に視た一文が
頭の中に響いた
妹の部屋の前に立つ
息を整えてノックをする
・・・返事がない
そうとう怒ってるのかもしれない
「入っていい?」
とりあえず聞いてみる
・・・返事がない
くっ・・・だけどこのままじゃ昼も抜きになるかもしれない!
「入るよ。」
今度は宣言して扉を開ける。いつもは返事がないと入っちゃダメだけど、無視され続けるのはまずい、さて、どれくらい怒っているのか
少し怖いがやるしかないだろう
とりあえず土下座からかな
妹の部屋はファンシーだ、ピンク色のカーペットでぬいぐるみが多い、誕生日の度になにかしら買っているし、友達からもらったりしてたそうだ。
中には40㎝くらいの大きいぬいぐるみもある
妹はそのぬいぐるみに抱き着くようにして寝ていた。
まわりには、その眷属が、大量に転がっている
その真ん中で眠っている妹は無防備で、やっぱり小動物が丸くなってるみたいで、だけど
どこかのお姫さまみたいに、神聖な気がした。
「くふふ」
楽しい夢でも見ているのだろうか・・・その笑顔は
とてもかわいい!!!
やばい
持ち帰りたい
むしろこのまま永久保存したい!
よし、とりあえずデジカメを用意しなくては!!!
たしかデジカメはリビングにあったはずだ、だけど取りに行っている間に起きてしまったら眺める時間が減ってしまう!
くっ・・・僕はいったいどうすればっ
「んぅ」
「!!!」
妹が少し艶めいた声をあげた。
ごくりと喉がなる
思考がとまる
今は家に僕以外は存在しない
なにも遮るものなんてない
ゆっくりと妹に近づく
(今なら誰も邪魔をしない)
でも、妹だぞ
(そんな事関係ない)
妹だ、妹は守らないといけないのに
(優香はそんな事をのぞんでいない)
それでもダメダ、ダメダ
ダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダ
(うるさいうるさいうるさい例えダメだとしても俺は優香が欲しい)
それはしない
してはいけない
だって、あの時
「おにいちゃん?」
妹がとろんとした目で僕を見ている
寝ぼけているのだろう
「えへへ」
(!!!)
笑顔頂きました!
やばい
可愛いすぎる
この娘はいったい僕になにをさせるつもりなんだ!
「んー?」
目の前の可愛い生物が首をこてん、と傾げて瞬きをしている
徐々に目に理性が戻ってくる。
そして僕と目があう
あたりをきょろきょろと見回す
そしてまた僕をみる
ジト目だ
「なんで、ゆーたが私の部屋にいるの?」
「いや、昨日の事を謝ろうと思って・・・」
僕の声はだんだんと小さくなってるのが自分でもわかる
「私、勝手に部屋に入らないでっていつも言ってるよね」
「返事がなかったから」
「返事がなくても返事するまで入らないでって言ったよね」
「う・・・」
「言ったよね」
「・・・言われました」
「なら?」
「ごめんなさい」
頭を下げる
「正座」
許してくれなかった
「はい」
すなおに正座する
妹はそれを見ると、なにも言わずに机に向かって行き、教科書とノートを開く
そのままシャーペンからカチカチと音をさせて、勉強を始めた。
「あの・・・なにをしてるのかな?」
「見てわからない?」
「勉強をしてるように見えます」
「勉強をしてるのよ、今年が高校受験だし」
「僕達が行く学校って中高一貫校じゃなかったっけ?」
それに妹は頭がよかったはずだ
「いくら高校付属中学でもエスカレーターで弾かれる人もいるの」
「そうなのか、じゃあ勉強の邪魔をしないように部屋に戻るな」
「ゆーたは正座」
「はい・・・」
逃げられなかった・・・
妹はそのまま勉強を続ける。
僕は正座したままその後ろ姿を見る
二人ともなにも喋らずにいた
穏やかな光が窓から射し込んでいて、二人をてらしていた。
片方は机に向かい、もう片方は正座
二人ともまったく別の事をし、妹が兄を怒っているはずなのに
そこは安らぎに満ちていた。
だからだろうか
僕は引っ越しが決まってからずっと疑問に思っていた事を聞いた
「なあ、なんでこっちの学校に通うことにしたんだ?」
そう、それがわからなかった
妹は中学3年生だ
あと一年すぎれば受験で、その時にこっちに来てもいいし
別に通えない距離という訳でもない
それなのに妹はわざわざ編入試験まで受けてこっちの中学に通う事にした
「別に通えない距離じゃないけどわざわざこっから通うのも面倒だったのよ」
妹が目を伏せて答える
「それでも友達とかいっぱい居たんじゃないか?それなのにいいのか?」
「いいのよ、ちゃんとお別れはしたし、生きていればまたいつか会えるでしょう?それにこれは私のためにした選択だから」
「そっか、それでいいなら僕は何も言わないよ」
そして二人ともまた黙り
居心地のよい沈黙だけが残った
なんか・・・読んでくれてありがとうございます(涙)
ちまちまと未熟ですが更新していきます
ではでは
のるまユニーク80




