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あまりにハンサムな僕の顔に驚きすぎて声もでないってか?


まさか3日で次話を投稿できるなんて

4月1日

自然に目が覚める。

時計をみたらまだ6時だった。

中学の頃から使っているウィンドブレーカーを着て、ストレッチをする。

いつからだろうか、休日は毎朝走る事が習慣になっていた。

雨の日以外は絶対に休むことなく続けていた。雨は降っていないから今日も走るつもりだ。

妹が起きるまで2時間くらいはあるだろうか?

いつものコースじゃないから今日は早めに切り上げないと、


家から出て鍵をかける。

まだ薄暗い世界へ踏み出す。


4月になり暖かくなってきたとはいえまだまだ朝は寒い。

吐く息は白くウィンドブレーカーから出ている手は少しずつ冷えて感覚を失っていく。




ひとまず昨日みたポンタの家を目指して走りだす。

商店街と言ってもさすがにこの時間では始まってないだろう。

もしかしたら昨日の子に会えるかもしれない。

そして商店街の鳥居をくぐる。

そう、そこに美少女がいるかもしれないなら

走って行くのが男というものなのだ。







シャッターがまだ閉まっている街並み。


走り続ける僕


シャッターが閉まっている街並み


必死で走り続ける僕


シャッターが閉まっている街並み


なぜか追いかけてくる大型犬


本気で逃げる僕


元来人間は道具を使って他の動物たちに有利な状況を保ってきた脆弱な種族である。

ならば、道具がなくても動物とわたりあえるだろうか?いや、ない!(反語)

ならば逃げ続けるしかない!




・・・どうしてこうなった?



そう、始まりは些細なことだったんだ、ほんのちょっぴりの邪心が招いたというか、



時は5分前に遡る。




石井加奈の一日は飼っている犬のハスちゃんの散歩から始まる。

ハスちゃんはシベリアンハスキーといった犬種で、大型犬だ。だけど、そのふわふわな毛が、加奈はとても好きだ。

いつもは家の後ろの小屋にいるのだが、朝と夕方の散歩は、加奈もハスちゃんもお互いに好きだし、加奈にとってハスちゃんは、悩み事を話せるよき犬なのだ。

だから犬の世話はほとんど加奈がしている。


「おはよう」

と加奈が言うだけでハスちゃんは尻尾をパタパタと振る。

そんなハスちゃんに加奈は頬が緩むのを止められない。

・・・今ここに裕太がいたら悶絶してのたうちまわっていただろう笑みだ。



ハスちゃんにリードをつけて、糞用の袋とシャベルを持って家を出る。家を出たとたんにハスちゃんはぐいぐいと加奈を引っ張っていく。


加奈も引っ張られながらも走っていく。いつもの散歩コースで伏犠神社まで行って、手を合わせて帰ってくる。それが加奈の日課で、今日もいつもどうりだと思っていた。



ポン太の家の前を通り、落ち着いてきたハスちゃんと共に神社に向かっていた時、

曲がり角で、その悲劇は起こった。




突然の横からの衝撃、そして押し倒される自分、あまりに突然の事で加奈も反応ができず、軽いパニックに陥っていた。

(何?なんなんだ!?一体?)


目の前には息の荒い男

(!!!!?!?!!??!!)

・・・変態

硬直する体


「っ!――ぁ」


声を出そうにも地面に打ち付けた衝撃で小さな音がもれるだけ。

(まずいまずいまずい)

しかも身体も動かないしこの状況で抵抗したところで押さえつけられるだけ


絶対絶命の加奈

貞操の危機である。

自分でも意識してなかったが、加奈の瞳から透明なしずくが零れ落ちる。


その時、彼女の救世(ペッ)()がHENTAIに体当たりをし、弾き飛ばした。



そして逃げ出す変態と追う救世(ペッ)()


なにか男が叫んでいた気がするが加奈にはわからなかった。








裕太は曲がり角を曲がってくる美少女に気づいていた。

だが、これって朝早くに曲がり角で食パン咥えた女の子とお知り合いフラグじゃね?との事で気づいてないということにした。

それにクールに「ごめんね、大丈夫?」と声をかければ「こっちこそ・・・ごめんなさい」「怪我してない?」「えと・・・足くじいちゃったみたい」

「送ってくよ」「そんな、悪いよ・・・」

「僕のせいでもあるしさ」「優しいんだね・・・(ポッ)」

「そうでもないよ///」

「今日・・・お母さんたちいないんだ///」

「女の子が一人なんてあぶないなぁ」

「うん///あの・・・一人はこわくて・・・泊まってくれない///」


といった感じでお知り合いになれるかもしれない!!そしてしっぽりムフフと・・・

というわけで、さけるよりむしろぶつかりにいった。

女の子とぶつかる、しかも美少女

ぶつからない理由があるだろうか?いやない(反語)



そして、

衝撃・・・

思ったより強くぶつかってしまったようだ。


うん、ぶつかって「ごめんね、大丈夫?」と声をかけようとしたが勢い余って押し倒してしまったようだ。


目の前には

人形のように整っている顔と夜空のような漆黒の髪

・・・すごい()視感(ジャヴ)


昨日道を教えてくれた美少女だった。


目の前で睫毛が震えている


目があく


「っ!――ぁ」


目が驚きで見開かれる。

おいおい、あまりにハンサムな僕の顔に驚きすぎて声もでないってか?

やれやれだぜ


顔がくしゃりと歪む・・・それは・・・・・・苦痛と・・・恐怖?


そこで今の自分を客観的にとらえてみる。

今まで僕はなにをしていた?

――ランニングだ

その結果どうなっている?

――息があがっている

今の体勢は?

――押し倒しています

だれを?

――女の子を

息が上がっている+押し倒している+女の子

=・・・・・・不審者?


「ちがっ――」

弁解は届かない、いや、そもそも何を弁解しようというのか、邪心を持ってぶつかりに行った時点で裕太が悪い。


――ドンッ

突然横から弾き飛ばされる。


目の前には、主のために怒り狂った(きょう)(けん)

目が血走っており、口からは涎がだくだくと滴りおちている。

目が『死ぬ覚悟はあるか?』と聞いている。



「ちがうんだぁぁぁ!!!」

僕は叫びながら逃げ出した。



そして冒頭に巻き戻る。


後ろには『殺す殺す殺殺コロスコロコロコロコロ』とばかりに追ってくる忠犬(バケモノ)

ここで死にたくはない。


本気で走り抜ける。

商店街にあった抜け道を走り巻くためにジグザグに走る。


これでも逃げ足には定評があるのだ。


・・・後ろから迫ってくる強烈な威圧感。


ごめん・・・妹よ

今日でお別れかもしれない・・・




古臭い階段を駆け上がる

と、

威圧感が消えた。



「ハァハアハァ・・・」

後ろを振り返ると、なにもいない


上手く巻けたのかもしれない。



「ハアハァハァ、ケフッ、ゴホッ、」



息が上手く整えられない

石段に座り込む


「はぁはあ」


頭がくらくらする


本気で走りすぎたかもしれない。

身体は限界を訴え、足は笑う。


どくどくと音が響いている


どくどく、どくどく、どくどくどくどくどくどくドクドクドクドクドクドク

ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドク!!!


頭が痛い


ドクドクドクドクドクドクドクドクドク


とてもイタイ


コワレテしまいそうだ。


風景が黒く霞んでいく

ああ、貧血か・・・

頭をしたにしないと・・・



僕は項垂れる

そして

世界が暗転した。



クライ


ポタポタトスルミズノオト


クライ


ズットヒトリダ


クライ


ポタポタポタポタ


イタイ


イタイ


クライ


クライクライセカイデダレカガナイテイル


そんな“夢”を見た気がした



「・・・ぁ・・・・のー・・あのー、あのー、あのー」


誰かの声がきこえる


「あのー」



まだ頭がくらくらする



気分も悪い

いろんな意味で最悪だ


「あのー・・・」


「・・・ん?」


目の前には、だれかがいるみたいだ

声で女の子だとわかるが、それ以外はわからない


「あのー・・・あ!」


なにかにびっくりしている


「あれ?あれえ?」


首を傾げているようだ


「・・・・・・どうかしたのか?」

まだ目の前がちかちかしていて、そのコの顔はみえない、すぐにうなだれ、意識がはっきりするのを待つ。


「いっ!いえ!!なんでもないです!」

なんか慌ててるみたいだ

「えっと、それより大丈夫ですか?なんか家のまえで倒れていたみたいですけど!」



「んと、大丈夫、たぶん」


「そ、そうですか」


まだくらくらしてる


「いい天気ですね~」


わかるか!


「あの、大丈夫ですか?ほんとに?」


なんか答えないと続く気がする


「・・・」


「あのー・・・」


「・・・」


「あのー、あのー、あのー」


「なに」


「いい天気ですねっ!」


「そうですね・・・」

正直話をする気力がない


「・・・・・・」


「・・・」


「うわぁぁぁん!!」


なんか走り去って行った。

悪い事をしてしまっただろうか、次にあったら謝らないと



まだくらくらする


影をみると、けっこう時間がたっているみたいだ


ああ、帰らないと


家に帰ろう


階段に手をついて立ち上がる


視点が定まらない


ここはどこかの神社か


一歩一歩足を前に進める


ふう、

きつい







今日は起きたらお兄ちゃんがいなかった。

いつも朝はランニングをしてるけど

もうそうするように言っていたあの人たちはいないんだから

たまにはさぼってもいいのに


まあ、わたしが言えることじゃないんだけど

9時くらいには帰ってくるかな?

それぐらいに朝ごはんを用意しておこう



今日はなんのおかずにしようか?

いつもお兄ちゃんはおいしいしか言わないからなにが好物かとかわからないけど

いつも笑顔で食べてくれるのは嬉しい



とりあえず、お兄ちゃんの部屋にいく

お兄ちゃんの部屋は鍵がついてない

そのままお兄ちゃんのベッドにもぐりこむ


はふぅ

この時間帯はベッドに熱が残っていて暖かい

うん、なかなかの寝心地だ


匂いをかいだり一緒に寝たりはしない

本当はしたかったりするけど・・・

そこまでしたらブラコンになってしまう


とりあえずベッドから戻る前に帰ってきたら寝ぼけたことにしとこう

8時半には朝ごはんの用意に入ろう


そう思って妹である小川優香は二度寝に入るのだった。






10時半


「お帰り」

とてもイイ笑顔で微笑む妹がいた

「・・・なんで帰ってこないの?」


「うわっ!?ごめん!!」


近所に響く叫びが上がったとか上がらなかったとか





次ののるまはアクセス77です

ぺこり


読んでくれたかた、ありがとうございます

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