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役所に相談してください ― ある日の物件で起きたこと

作者: カトーSOS
掲載日:2025/12/01

今回は、私が実際に経験した出来事をもとにした短編エッセイです。

普段は「雑談三昧」で軽めの話をしていますが、今回だけは少し真面目な内容になります。


といっても、悲壮感を煽るつもりはありません。

ただ、「こういう悲劇は、構造さえ変われば避けられる」という思いを、

短くまとめておきたいと感じました。


読む人にとって重すぎないように、できるだけ淡々と書いています。

何か一つでも届くものがあれば幸いです。

今日は、忘れられない一日になった。


管理する物件で、ひとりの方が亡くなられた。

72歳。真面目そうな人だった。

病気で一ヶ月ほど入院していたという。無職。

事情は何も知らない。けれど、生活に困っていたのではないかと思う。


警察と一緒に、防犯カメラの映像を確認した。

淡々と、いつも通りの作業のはずなのに、その瞬間だけ胸が重くなった。


5階の手すりを乗り越えたあと、

その人は必死に手すりにしがみついていた。


「生きよう」とする本能が、最後の最後に身体を動かしていた。

その矛盾が、なんとも言えない“悲劇の形”に見えた。


——本当は、その執着をもっと早く使えればよかったのに。


役所にさえ行けば助かる命だったかもしれない。

日本には「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されている。

治療もできるし、生活もできる。

生活保護は恥ではなく、“権利”だ。


でも、真面目な人ほど、全部を自分で背負ってしまう。

苦しさも、病気も、お金の不安も、人に頼ることなく処理しようとしてしまう。

そして、限界が来たとき、もう誰にも声をかけられなくなる。


これは個人の問題ではなく、社会の構造がつくった悲劇だと思う。


「助けを求めるのが恥」

「我慢しなきゃいけない」

「国の世話になるなんて申し訳ない」


この“恥の文化”のせいで、救えるはずの命がこぼれ落ちていく。


本当に、なんとかしないといけない。


最後に、今日改めて強く思ったことを書く。


苦しかったら我慢しないでください。

一人で抱えないでください。

役所に相談してください。


生活保護はあなたの権利です。


これが、今日の出来事から私が受け取ったメッセージだ。

人の人生には誰にも見えない背景があります。

そして、支援を受ける権利があるのに、そこへ辿り着けない人もいます。

今回の出来事に直面して、改めてそのことを強く感じました。


もちろん、私に何か大きなことができるわけではありません。

ただ「苦しいときに頼ってもいい」というメッセージだけは、誰でも発信できる。

それなら、せめてその一歩だけは書いておきたかったのです。


読んでくださって、ありがとうございます。

また別の軽い話題でお会いしましょう。

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