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第六話 初心者ダンジョン②

いつも読んで頂き、ありがとうございます。

 俺は少し反省しながら、ダンジョンのさらに奥深くへと進んだ。


ザッ‥

 

また来た。備えよう。


‥‥ゴブリンだ。武器を持ってる。棍棒か?


よし、かかって来い!


ゴブリンが走ってこっちに向かって来た!


 俺は力を込めて木の棒でゴブリンが持っている棍棒を弾き飛ばし、ゴブリンへ一振り。勝利した。


ーーーーーーー

取得金額:27マネ


レベルアップ!

Lv3→Lv5

ーーーーーーー


 俺はまた奥へと進もうとした。その時、足に何かがぶつかり、カランと音を立てた。


「おっ、ゴブリンが持っていた棍棒だ。どうせなら使わせて頂こう。」


俺は木の棒を捨て、棍棒に武器チェンジした。


すると遠くから

「きゃぁぁぁっ!」

と悲鳴が!

 

やばいすぐに向かおう!


 ハァハァと息を切らしながら悲鳴のした方へと無我夢中で走った!


そこには赤髪の小柄な女性が強そうなゴブリンに連れて行かれそうになっていた!


「そこの勇者さん!助けて!」

 

非行は人間だろうとモンスターであろうと許せねぇなぁ。

俺はゴブリンに

「そこのゴブリン!女性を離せっ!」

と叫んだ。


ゴブリンは俺を挑発するように、笑い、女性を抱えたまま、逃げた。

「ちょ、待てよ!」

俺は必死に追った。


ハァハァ。どれだけ走っただろう。

 もう走れないと思った瞬間、ゴブリンも流石に人一人抱えて走るのは体力が持たなかったのか、女性をポイっと落として俺の方向を向いた。


戦う気だろう。


「危ないから俺の後ろにいて!ここは何とかする!」

と女性に言った。

女性はそそくさと俺の後ろへ来て座った。


ゴブリンも戦闘態勢に入った。武器はナタのようだ。


恐れるな俺!


ゴブリンが勢いよくナタを振り下ろした!


ガッ!


俺は棍棒を両手で横に持ち攻撃を塞いだ。これが木の棒だったら木の棒もろとも俺もスパンっ!て切れてたな。


しかし、凄い力だ。このままだと切られてしまう。どうすれば‥‥

その瞬間


 俺は足に力を込めて思いっきりゴブリンの股間にキックをかました!


ゴンッ


もろにヒットしたようだ。

ゴブリンは倒れ、ウォォォォッ!と悲鳴を上げた。

ナタも奥に飛んでいってしまったようだ。


「男として生まれたんなら、股間への攻撃には用心しろよ」とかっこいいのか分からないセリフを吐いた。


今ならゴブリンは何も持っていない。このまま脳天を棍棒でかち割ろう!


俺は助走を付け、ゴブリンの頭目掛けて棍棒を振り下ろしたっ!!


だが‥あろう事か棍棒を手で掴まれてしまった‥!


ゴブリンは鬼のような表情をし、俺は汗が止まらなかった。

そしてゴブリンの鋭い蹴りが飛んでくる。


ドガッ!

‥!俺は咄嗟に回避したが、腹の横に喰らってしまった。

「がはっ!」


 俺は痛みで吐きそうになるが、根気で吐くのを我慢した。

あの蹴りはヤバい。もろに喰らったら内臓がイカれてしまうレベルだ。


そして動けなくなった俺を待っていましたと言わんばかりにゴブリンが顔目掛けて殴って来た。


俺は後ろに吹っ飛んだ。


ああ、鼻血が止まらない。もう逃げ出してしまいたい。

視界もぼやけてきた。もう終わりなのか‥?


「‥‥ですか!?‥‥大丈夫ですか!?」


 あっ‥俺の後ろにいた女性だ。俺がここでやられちまえばこの人は誰が守るんだ?せめてこの女性だけは助かってほしい。

「‥逃げて‥すぐに!」


「一人だけ逃げるなんてできません!杖を無くしてしまったんですが一応魔法使いなんです!あぁ、こんな時魔法が使えれば‥」

 

その時ゴブリンが俺に蹴られた時に飛んでいったナタを取りに後ろを向いた。


!!まずい‥もうナタを防げるだけの力はあまり残っていない‥これがラストチャンスだろう!

「少しお願いを聞いて頂けますか‥?」


「ええ、何でも言ってください!」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

俺は計画を話した。


「分かりました。一か八かでやってみます!」


「ありがとう。必ず勝とう。」


俺は全力を出し、立ち上がった。

鼻血をぬぐい、深呼吸をした。

そして‥


ダッダッダッダッ!!


 俺は後ろを向いているゴブリンに向かって走り、再び頭目掛けて棍棒を振り下ろした。

今回はモロに当たってくれたようだ。


‥しかしゴブリンは少しよろけたが、大きいダメージは与えれなかったようだ。


ゴブリンはさらに怒り、胸ぐらをガチっと掴まれてしまい、身動きが取れなくなってしまったが、俺は

「今だ!」と女性へ叫んだ。


 女性は俺たちの横をすばやく通り、落ちているナタへと走った。しかしゴブリンが女性の方向を向いた瞬間、


「こっちだバカ野郎!!」

と棍棒でゴブリンの顔に一発入れてやった。


ゴブリンは短時間で2発頭に喰らったせいか、流石に少しよろけて来た。


そのおかげで俺はゴブリンの胸ぐら掴みから脱出できた。


「今だ!ナタをこっちに!」


 俺は女性が投げてくれたナタを受け取り、よろけているゴブリンへと走りナタを振り下ろした。

さらば!


ジャキッ!


ゴブリンは断末魔を上げ、倒れて消えた。


ハァハァ。本当に今回はマジで死ぬかと思った。


ーーーーーーーー

バトル結果

取得金額:1083マネ


レベルアップ!

Lv5→Lv12

ーーーーーーーー

すげえレベルアップした‥。

流石に強かった。


女性が駆け寄ってくる。

「大丈夫?まだ痛む?」


俺は痛みは多少マシになった事を伝えた。


「良かった‥助けてくれてありがとうございます。本当にかっこよかったです!」


カッコいいか‥


俺はその時、無意識に父の事を思い出した。

 俺が幼い頃、屈強な父はまるで英雄だった。俺も少しは近づけたかな‥。


女性は少し照れながら名前を聞いて来た。


「俺はダイスケ。ちょっと前までスライムに泣かされた男だ。よろしく!」


「私はルナ。助けてくれてありがとう。本当は魔法使いだけど、杖を無くして今は何も発揮できない一般人です」


二人は少し自虐ネタを交えた自己紹介をした。


「俺はボスを倒しに来た。どうする?一緒に行く?」


「ダイスケさんと一緒に入れば怖くないわ。足手まといにならないよう、頑張ります。」


「分かった。この先もまだまだ危険だから武器があったほうがいい。そこのナタを取っておきなよ。」


「いただきます。」

とルナはナタを持った。


俺はルナを仲間に招き、二人でダンジョンの更に奥深くへと進んだ。


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