第五話 初心者ダンジョン①
いつもありがとうございます。
ブックマーク1件ついてハッピー×3です。
これからもよろしくお願い致します。
薄暗い。寒い。静かだ。
時々天井から落ちてくる水滴の音が響く。
俺は只今、ダンジョン初挑戦中である。
結構多くの人が来ていたのに、誰とも遭遇しない。
ダンジョン内はとんでもなく広いんだろうか。
‥‥ササッ‥
!? ‥なんだ、スライムか。
今の俺なら全然倒せるな。
俺は少し助走を付けて木の棒でスライムに一振り。
スライムを倒した。
よし。ごめんよ恨みは特に無いけど。
‥‥ちょっと前までスライムに負けていたのがばかみたいだ。
いやいや、実は不意打ちを喰らっただけだ。
靴紐を結んでた時、休んでた時‥
‥まあ勝ったからリベンジ達成という事で。
そう内心ガッツポーズをした俺の前に報酬が。
チャリン‥
8マネが落ちてきた。それと同時に、
ボワンッ!と俺の前に画面が現れた。
「うわっ!何だコレ!?」
俺はいきなり現れた画面に驚くと共に、これが何なのかすぐ理解できた。
多分、バトルの結果だろう。
ーーーーーーーー
バトル結果
勝敗:勝利
取得金額:8マネ
レベルアップ!
Lv2→Lv3
体力上限:7→9 防御力:3→5 攻撃力:4→6
ーーーーーーーー
おっ、レベルアップしてんじゃん!なんか少し成長を感じるなぁ。テンション上がるねぇ!
あ、ちなみに元のレベルが2な理由は、ちょっと前に草原で怖くなって走って帰ってる途中に勢いよく寝ているスライムを踏んづけた事で多分上がったんだろう。
取り敢えず金も貰えたしレベルアップできたし、さっさとボスの所へ向かおう。
進んでいくうちに、金色の扉を見つけた。
これってYO!宝箱とかありそうな部屋じゃんかHAHAHA!
何が扉に80って数字が書いてある。何だ?
80メートル先にボスがいるのか?とりあえず入ってみようか。
ギイイイッ‥
入った瞬間俺の前には目玉が無数についたどでかいスライムがいた。
「ほひゃぁぁぁぁぁぁあっ!」
俺は腰を抜かしてしまった。
やばいやばい!こっち来る!
どでかいスライムの化け物は俺を見るなり、でかい口を開けてあーんと俺を飲み込もうとしている!
あ、終わった。初心者ダンジョンなのに犠牲者が多い理由が分かった。俺のような軽い気持ちできた奴がこうやって散っていくんだ。
ザクシュ!!
その瞬間どでかいスライムは真っ二つになり、断末魔を上げ、動かなくなった。そして、じゃらじゃらとマネを落とした。
「大丈夫か?そこの冒険者さん。危なかったな。」
なかなかクールな声で俺に語りかけて来た。
俺は何とか助かったようだ。そして反射的に礼を言った。
「ありがとう。おかげさんで助かった。」
俺はスライムを倒してくれた人へ目線をやると、スライムが落としたマネをじゃらじゃらとかき集めていた。まあ倒した人が報酬をもらうのは当然の権利だろう。
そして、こっちに来ると、彼は俺に向けて手をかざして、画面を出した。
「オイオイ、レベル3の癖に推奨レベル80の裏ダンジョンへ来るもんじゃ無いよ。」
「‥?何で俺のレベルが分かるんだ?」
男はため息をついて
「‥はぁ〜っ、この機能も知らないカンジ?まあ、初心者だから仕方ないか。えーと、【レベルオープン】って機能。これは誰でも使えるからアンタも試してみんな。他人に手をかざせば分かるから試しに僕にかざしてよ。」
俺は助けてくれた彼に手をかざしてみた。
‥ボワーン‥
ーーーーーーー
サイラス
Lv148
ーーーーーーー
‥ってレベル148!?凄い。
あ、サイラスって名前なんだ、恩人だから覚えておこう。
「ありがとう。サイラス。」
「いいよいいよ。これに懲りたらレベルが書いてある扉には注意しろよ。‥‥あ、ちなみに今何マネ持ってる?」
「8マネしか持ってない!金は無くてもやる気は最高潮な男、ダイスケ!」
「‥‥‥そうか。運がいいなお前。気をつけろよ。」
サイラスはそそくさと立ち去った。
‥??
これからは気をつけよう。俺は80と書いてある金色の扉の部屋から立ち去った。
ダンジョンって想像の10倍怖かった。
もう無闇に変な扉を開けるのはやめよう‥。