第二話 VS.ラウール盗賊団 団員
第二話です。ありがとうございます。
「おらっ!」
取り巻きの男二人が向かってくると同時に俺は地面に手を付け、砂を握りそれを二人の目めがけて勢いよくぶっかけた!
まあ、1対2だから少し卑怯でもいいよな。
どうやら砂はうまいこと二人の目にダメージを与えたようだ。
「なんの魔法を使いやがった‥?クソっ!」
「いや、普通に砂をお前らにぶっかけただけだ。あいにく、俺はスキルが無いんでね。」
「‥は?スキルが無い?‥‥フハハハハッ!おい聞いたか?こいつスキルが無いんだってよ!1週間は笑えるぜ!」
取り巻きの男たちが目を抑えながら大笑いしている。クソ、なんとでも言え。
「あー、笑った笑った。じゃあなおさらボコボコにしたくなってきたぁー。死ねや雑魚が!」
そして俺に木刀での鋭い一撃が飛んできた。
「うぉっ!」
俺は一瞬変な声を出してしまったが、ギリギリ避けたようだ。危ない危ない。
「大人しく当たれやガキ!」
やばい!次は大振りで来るっ!避けれないっ!
俺は咄嗟に置いてあった木製の桶を掴んで盾のように攻撃を塞いだ!
ガンッ!と鈍い音が響き渡る。なんとかまた防げたようだ。だが、その音と同時に
バシャッ
え?バシャッ?
どうやら桶には水が入っていたようで、かかった取り巻きの一人がよろける。
チャンスは今しかない!俺は咄嗟に走って、よろけた男の頭目掛けて桶を振り下ろした!
ガツンッ!
凄く鈍い音が響いた。
男は頭から血を垂らして倒れた。
やべっ、本当にやっちまった。死んでないと良いんだけど。
一人の男を倒した?のも束の間、もう一人いたことを完全に忘れていた俺は横からの木刀の攻撃を避けれず、反射的に出した腕に勢いよく当たった。
「あがっ!」
俺は情け無い声を上げて痛みに悶絶した。
すると男が
「ヘッ、やっと当たってくれたか‥そうだそのまま動かずに大人しくしてれば良い。全身の骨を砕き終わるまでな‥。」
一瞬にして俺は自信を失った。
今からでも謝れば許してくれないかな‥
いや、だめだ。勇気を落とすな俺。
「スキルが無いのにやるじゃねえか。ちょっとお前を舐めていたようだ。仕方ない。スキルを使わせて頂こう!」
‥‥‥!スキル!?まずいっ!強いスキルだと関係ない村人の人たちを巻き込んでしまうかもしれない!
「おい!スキルを使っても構わないが俺以外の人に危害を加えないことを約束しろ!」
すると男は
「あーはいはい、その分お前をめちゃくちゃ痛い目見させるから。」
ホッ。良かった。自分だけに矛先が向いたけど、まだ安心は出来ない。
すると男が、さっき俺が倒した男の分の木刀を手に取り、両手に木刀を持った状態でこう叫んだ。
「スキル・ハードウェポン《武器強化》発動!」
すると男が両手に持っている木刀に赤いオーラがまとわり付いた。
男は見せ付けるように地面に木刀を振り、地面に当たった瞬間
ガッッ!
地面が少し凹んだ。
対抗手段が何もない。体に当たった瞬間に骨が砕け散りそうだ。いや‥最悪肉が砕け散るかも知れない。
何か武器を‥
その時、
「おい若造!これを使え!」
戦いを心配そうに見ていた村長のローガン爺さんがいきなり杖をこちらに向かって投げてきた。
「その杖は特殊な材質で作られているからちょっとやそっとのことでは折れん!スキルが無くても勇敢な力はあるはずだ!負けるな若造!」
「サンキュー、ローガン爺さん!」
俺は杖を受け取り、剣のように構えた。
しかし、相手は強化された木刀二本、こっちは心許ない杖一本。
どう勝つか‥考えろ、考えるんだ俺‥。
‥‥!木が多く生えている所に行こう、当たらないためにも。
その瞬間俺は勢いよく少しの距離にある森へと走った。
「どこへ行くクソ雑魚!」
俺は木々が生い茂る森に来た。よし、アイツも来た。
男は木刀を振った。俺はなんとか避けたが、木刀が木に当たった。その瞬間木が野菜を切るかのようにスパッと切れて
倒れてきた。
ズドン!と轟音を轟かせ、木が倒れた。
俺の計画が上手く行くか、この時少し心配になった。
男の強化木刀の威力を確かめた瞬間、俺は少し先の一際目を引く大木へと急いだ。
俺は樹齢何百年と言われている大木の前へと着いた。
ここで決着をつける。
俺が散るか、木刀を両手に持った男が散るか、
勝敗の結果は神とこの大木だけが知っているだろう。
「チョロチョロしやがって‥首を切り落とす!」
そう言って男が俺の首目掛けて両手の木刀を振った瞬間、
俺は即座に体をかがめて、大木の後ろ側に回り込んだ!
バリリリリッ!ガッ!
大木から凄い音がした。
思い通り。
木刀が大木に当たったのはいいが、中途半端な位置までで、両手に持っていた木刀が刺さっていた。
「クソッ!木刀が抜けねぇっ!」
今だ!!!
俺は男の足目掛けて杖を全力で振り上げたっ!
バキッッ!
多分骨が折れただろう。
「痛ててててててててっ!!!」
男は悶絶していた。
もう片方の足にも杖を振った。
「あががが!!」
よし、悪く思うなよ。
パキパキッパキッ‥
‥!この場を離れよう。
「おい!どこへ行く!置いてくなぁっ!」
男が叫ぶも、俺は一目散に避難した。
何故避難するかって?
あ、もう来る。
耳を塞いでおこう。
ドガガガガガガガガ!!!!
大木が倒れた。
男が無惨にも下敷きになり、潰れていた。
流石にちょっと目を背けたくなった。
俺の勝利だ。勝ったんだ。
その時、拍手が聞こえてきた。
俺が戦った取り巻き二人を連れていたいかにもボスって感じの男だ。
「いやぁ、見てて楽しかったぜ?スキルも無いのに俺の部下によく勝った。確か、勝てば条件を聞くって約束だったなぁ?」
「お前と決闘がしたい。俺が勝てば二度と村に"みかじめ料"を請求しに来るな。俺が負けたら‥この村はお前の物だ。」
‥‥言ってしまった。村を守りたいからってとんでもなく無責任な事を言ってしまったとその時俺は思った。
「おい?面白いなぁおい!?」
男は同意と思われる反応を見せた。
俺は提案した。
「決闘日はそうだな‥2週間後‥丁度次の"みかじめ料"の請求日だ。武器は剣だけだ。どちらかが戦闘不能になったらそこで戦いは終了だ。異議はなしか?」
「へぇ‥剣は俺の一番得意な武器だけど大丈夫か?」
男は余裕そうな返事をする。
「上等だ。まあいい、決定だ。村に戻ろう。」
「あ、大木に潰された取り巻きはどうしようか。」
男は答える。
「この森は熊がよく出るらしいから少し経てば骨だけになるだろ。心配すんな。」
「おい、あんたの部下だろう。仇として俺を殺したいとは思わないのか?」
俺は男に疑問を投げた。
「部下だって?笑わせるな。スキルもない奴に負けるなんて面汚しすぎんだろぉ?」
俺は大木に潰された男の部下の骸と大木に一礼してその場を後にした。
そうして男と一緒に歩いていくうちに村に戻って来た。
‥‥
村人たちが俺の事を心配して駆け寄ってくる。
俺は無事だという事を伝えた後、杖を村長のローガン爺さんに返した。
「ありがとう。村長」
「役に立ったのなら良かった。若造」
そして村長に危なくなって大木を利用し、切ってしまったことと、それで人を潰してしまった事を伝えた。
「‥‥盗賊団の奴らが潰れたのはまあ仕方ないだろう‥アイツらは完全にお前さんを殺しにかかっていたから、仕方のない事だ。大木もお前さんを守れて本望だろう。」
案外優しかった。
ボスの男が言った。
「もう帰る。2週間後に決着をつけんぞ。忘れんなよ。」
すると、最初に俺が桶で頭を殴った部下がいた。
どうやら無事みたいだ。
そこでボスの男に疑問を投げた。
「おい、もう一人の生きてる部下は連れて帰らないのか?」
「忘れてた。始末するわ」
男はポケットからナイフを取り出し、部下を刺した。
「あ‥あ‥あっ‥。」
部下は血を吐いて倒れた。
その場にいた村人と俺は凍りついた。
「帰る。」
男はめんどくさそうに言った。
あ、名前を聞くのを忘れていた。聞こう。
「アンタの名前は?俺の名前はダイスケだ」
「ジャクソンだ。じゃあな。」
男は名前を名乗り、立ち去った。
ジャクソンーーー。簡単に部下をやっちまう畜生という事は分かった。
それなら急いで剣の特訓だ。
確か近くの草原に初心者ダンジョンがあるらしいから行こう。
読んでいただきありがとうございました。ちょっとシリアスになってしまいました。申し訳ないです。