第十話 解放
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すると、ボス部屋にひっそりと佇んでいた重そうな鉄の壁が開き、ぱらぱらと砂埃が落ちながら開いたその先には金の宝箱が堂々と真ん中に1つだけ置いてある部屋が開いた。
さっさとスキルとご対面したかった所だが、ここはぐっと堪えて宝箱の方へ向かった。
「きたぁーっ!夢にまで見たような金の宝箱!いや〜冒険の醍醐味と言えばやっぱこれだよな!」
「宝石?お金?いやいや、最強の武器かな?」
二人はルンルンで宝箱を開けた。
しかし俺たちは絶句した。
なぜなら‥中に入っていたのはなんかの紙切れ1枚だけだったからだ‥
「‥‥エッ?ナニコレ?」
俺とルナさんは言葉に詰まりすぎて硬直してしまった。
そっと紙を宝箱から取り出すとそこには【討伐証明書】と書いており、トラウマになりかけたドラゴンの写真がどかっと載っている紙だった。
「いやいや、ダイスケさんよく見てください」
ルナさんが指差した点に注目すると、小さい字で
【この紙をダンジョン管理局へお持ち下さると金1万マネを贈呈致します。さらに、4級勇者認定証を授与します。
※グループ全員】
‥4級勇者認定証?なんか良く分かんないけど、ダンジョン管理局ってとか行けば良い感じなんかな?
すると隣ではルナさんが目を輝かせていた。
「資格とか取れたこと無いんで凄く嬉しいです!しかも1万マネってバイト数日分は超えてますよっ!いやー頑張った甲斐があったなぁ〜」
最高に良い気分だ。モンスターにやられっぱなしの自分がドラゴンを倒せるまで強くなれた事に。この経験はこれからの人生の糧となるだろう。
「さて、ダンジョンから出ますか!」
「ええ!」
階段を上がるとそこにはオレンジ色の空が一面に輝いていた。
「うわっ、眩しい」
2人とも目を細めて、目が明るい所に慣れるまで手を目の前に覆い被せた。
「やっぱ光は気持ちいいな。こんな当たり前にも感謝しなきゃな。」
昨日までの当たり前がどんなに素晴らしいことか痛い程思い知らされた今日。
スライムを倒し、ゴブリンを倒し、ドラゴンを倒しちゃってね。驚きの連続だった。
ざっと数ヶ月はダンジョンに居たんじゃ無いかって思う位、長く感じた。
ダンジョン内で得たナタでドラゴンの首を切り落とせた位、力がついたなら今度の決闘も勝てるかな‥
‥あーダメだ。ダメだ。それを思い出すと憂鬱になってしまう。今だけはそれも忘れて喜んでもいいよね。
それじゃついに‥
「‥さてさて、お待ちかねスキル解放ターーイム!!」
「わっ!ビックリした。」
ルナさんとダンジョン出口にたむろしている他の勇者たちが盛大に驚いた。
だが、そんなことも気にせず俺はスキルを使える喜びでいっぱいになってしまい、人の目なんてどうでも良かった。
ダンジョンの入り口へと爆速で走って行くと、急にボワッと視界の目の前に画面が現れ、機械音で
「ダンジョンボス討伐確認。オート周回機能解放。」
と告げられた。
来たぁぁ!
俺は腕をぶんぶん振り回し、画面を見つめる。
画面に「オート周回を実行しますか?」と表示されたので
もちろんOKを選択。
すると画面にオート周回中と表示された。
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オート周回中‥
獲得マネ:0マネ
獲得経験値:0経験値
※獲得効率はレベルによって変わります
・受け取る(最低100マネ・100経験値)
最低受取り額に達して無いのでまだ受け取れません
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すげぇぇっ!でも、時間が経たないとまだ受け取れないのか。
待つのは嫌いだけど仕方ないか。
「ちょっと〜ダイスケさ〜ん!急に叫んで走ってどっか行っちゃうんで驚きましたよ〜。も〜う」
「ごめん。ごめん。でもこれでスキル解放出来たし、自信もついた。ありがとう。ルナさん。」
「ちょっと‥急にかしこまってどうしちゃったんですか?でもこちらこそ助けてもらって感謝しか無いですよ。ダイスケさん。ありがとう」
ルナさんは少し頬を赤らめた。
俺もちょっと体温が上がった気がした。
オレンジ色輝く空の下で2人はお互いを見合ってしばらく笑った。
見て頂き、ありがとうございました。




