四 王妃への報告
ここは、王城の中にあるとある部屋、と言うか空間?
高位な魔法により外界とは隔離されている、王城の中とは言っても、その出入口が王城の中にあるだけなのだ、、
王城側から扉を開けてその空間に足を踏み入れると一瞬目の前が何色とも表現し難い光に包まれる、これはこの空間を造りあげ離宮として使っている王妃の許可を得たもの以外を外に転移させる仕掛なのだとか、、
今、その仕掛を通り2人の中年が立ち入る
そう国王エリック×2である、
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エリック×2は晴れ晴れとした空を見上げる、
エリック×2「もうなれたものだが、これも充分不思議な現象なんだよな、」
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エリック×2「今からこれ以上に不思議現象を報告しないといけないわけだが、」
最初は誰か代わりに行かせようとしたのだが、
王妃に入室?入空間?を認めてもらえている者なのに先程の仕掛により元の扉の前に転移してしまい、エリック本人が出向く事になったのだった、
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果てしなく広い空間を青空の下てくてく歩く二人の中年、正面に巨大な木をくりぬいて作ったような離宮が見えてくる、が、その手前にある庭園の下から生えてきたかのような木で出来たテーブルにふわふわ浮いた玉を見ながらクスクスと笑う王妃が見えてくる、
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王妃「あら、魔王が使うと言う奥の手とやらを使えるようになったのかしら?クスクス、」
エリック×2「、、、」
王妃「黙っていてはわからないわよ、」
エリック×2「サーニャ、その様子だとすべて見ていたのだろう?」
王妃サーニャ「途中まではね、途中からは娘の方が面白、じゃなかった、心配で娘の方を見ていたのよ」
エリック×2「、、、」
王妃サーニャ「言っておきますけどね、あまり覗き見はしないというエリックとの約束は守っているわよ、
今回は、かなり高い魔力反応が王城(王城側の入口)に近付いて来たため警告アラートが鳴って仕方なく様子を見る事にしたのよ、」
エリック×2「、、、」
王妃サーニャ「ところが途中で私達の娘が増えたじゃない?それで娘をおう視点と魔王をおう視点の分断画面に切り替えたのよ、
そして娘の今後が気になるので娘視点の方だけ早送りでみていたのよ、」
エリック×2「色々とよくわからんのだが、まず娘がふえたとわ?」
王妃サーニャ「あら?、そうだったわね、、
この際仕方がないから言うわ、
娘のニナは貴方に秘密にして宮廷魔術師長に弟子入りしていたのよ
そしてまぁ当たり前なのだけどすぐに宮廷魔術師長よりも高位の魔法が使えるようになったわ、」
エリック×2「つまり、宮廷魔術師長の一番弟子がニナだったと?」
王妃サーニャ「そうね、貴方が最初ニナが宮廷魔術師長に弟子入りするのを嫌がったから、私が魔法を教えようとしたのだけれど、
ほら、私って最初からほぼ全ての魔法が使える状態で誕生したじゃない?
だから教えようにもなかなか上手くいかなくて、、」
エリック×2「なるほど、と、言うことはあのじじい私達の娘と知っていながら増殖させたのか、」
王妃サーニャ「まぁ、あの人は一応貴方に許可をとってましたけどね、
しかし貴方が知らなかった原因に私が黙っていたというのもあるのよね、ごめんなさい、
エリック×2「サーニャが謝る事ではない、書類仕事に追われているのを言い訳にニナやサーニャとの時間をあまり作れなかった私が悪い、」
王妃サーニャ「そう言ってくれるのはありがたいのだけど、別の事情もあって、貴方の願いを1つかなえなければならなくなったのよ、」
エリック×2「それも又よく解らないのだが、その前にさっきの娘視点の早送りとわ?」
サーニャ「ああ、あれは、そのままの意味よ、映像の時間を早めるの、」
エリック×2「、、、
つまり、未来が見えると?」
サーニャ「ええ、そうなるわね、」
エリック×2「と、言う事は魔王襲撃もあらかじめ見て知っていたのか?」
サーニャ「いいえ、基本的に未来を見るのはひかえているのよ、
あまり見すぎると何が何だかわけが解らなくなりそうで、
全智全能のように見えるかもだけれど私も元人間からの転生者でしょ?
だから頭は人並みなのよね、
だから、ね?あまり怒らないで、
ここで怒られるとさっきの話しもちょっとしにくくなるし、」
エリック×2「さっきの話も気になるが、ニナの未来は大丈夫だったのか?」
サーニャ「ええ、あの子身分を隠して学園に通わせているでしょ?
そこで悪役令嬢のような子に目をつけられて軽くいじめられていたのよ、
ちなみに悪役令嬢の家名は教えないわよ、貴方お家取り壊しとかしそうだし、
でもね、心配しないで、ほら増殖して4人になったでしょ?そこからは面白おかしくも、ざまぁ展開になったわ、」
エリック×2「それは良かった、、のか?」
サーニャ「貴方今いじめられる前に何とかならないかとか思ったでしょ?
でももういじめられているのと増殖した所までは時間がすすんでいるのよ、
少し考えるだけでわけが解らなくなるでしょ?
だからしらぬまに悪影響をあたえるような事を自分がしてしまわないように未来を見るのは出来るだけひかえているのよ、」
エリック×2「う、うん、わかった」
サーニャ「それじゃあさっきの話をするわね、
いい?絶対途中で怒ったりせず話を最後まで聞いてね?」
エリック×2「わ、わかった」
サーニャ「貴方と私が結婚した時の約束(契約)を覚えている?」
エリック×2「お互い今生では貞操(純潔)を守り抜く事、」
サーニャ「そうね、それを守りつつも子供が欲しくて高位魔法によりお互いの子種を取り出し融合し、育てたのよね、」
エリック×2「ま、まさか」
サーニャ「いくらなんでもそれはないわよ、怒るわよ、そもそも私が純潔でなくなれば世界の管理者ではいられなくなるのだから」
エリック×2「でわ次の約束、浮気はおろか心の浮気、つまり他に思い人を作る事も禁止、、まさか、」
サーニャ「お願い、どうかちゃんと話を聞いて、
この約束は人としてはかなりハードルが高い分高位の契約魔法として成り立っていて、その高位の契約魔法をもって例外的に貴方と私の結婚を認めさせているの、そして私は約束を破ってはいないのよ、
しかしなぜか契約が破れる前の警告のような物が来たのよ、
原因は、貴方の増殖、二人を愛するのは契約に引っ掛かるけど二人とも貴方、何とも言えない事象なだけに、警告で済んでいると思う、でも放っておくわけにもいかない、
だから、私のペナルティとして貴方の願いを1つかなえると恐らく解決すると思うわ、」
エリック×2「最初は私が二人になったのだからサーニャも二人になればと思ったのだが、唯一無二の愛する存在が分裂してしまうのは、何かこう、上手く言い表せないのだが違うと思うんだよなー、」
サーニャ「その答えに自分でたどり着いたのは嬉しいわ、愛しているわエリック、
でも私が増殖する案は私も考えて、問題ないかの問い合わせを上司である神に連絡を入れたのだけれど、なぜか返信がなくて、」
エリック×2「なぜ?」
サーニャ「そのなぜ?は、唯一無二の愛する~にかんするなぜ?、だとしたら少し考えてみて、
世界の管理者は1人なの、だから片方の私はただの人になるの、
そこで最初の約束、今生はお互い貞操(純潔)を守り抜く事、
もう一組の私達を来生と位置づけるなら、私達の半分は一般的な家庭を作れるのではないかしら?」
エリック×2「う、う~ん、ぐぬぬぬ、う~ん」
サーニャ「まぁ簡単には答えられないわよね、それに神からの返事も無いし」
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サーニャ「ん?」