小さな勇気と憧れ-3 要救助者がまだいる!
ミライは第二機動警備小隊のオフィスの中で、書類に目を通していた。
その内容は今度行う、首都空港消防との合同訓練で行う航空機災害での救助に関する教養資料だった。
その内容というよりは書類の見にくさで第二小隊の面々はどこか面倒臭そうな雰囲気を醸し出していた。
レオンも同じ書類を見ていてどこか面倒くさそうにこう言った。
「でも、俺たちは...航空機火災用の装備はないからあんまり出番は無さそうですよね。小隊長」
突然話を振られたドンは、資料を置いてレオンに向かってこう言った。
「あーそうだな....しかも、レオンの古巣の話だしなーーーよかったら、どんなことするかを当日横で解説してくれたりしてくれないか?」
「大丈夫っすよ!」
「返事が早いなおい。リザはどうだ?これ分かるか?」
それを聞いたリザは黙々と資料を読みながらこう言った。
「小隊長。すいません...私もこれだと少し....」
リザがそう言った瞬間だったーーー
オフィス内に放送音が流れて第二小隊の面々は会話を止めて耳を澄ませた。
食堂から戻ってきた皿に人数分盛ったクロワッサンを持っていたクロエもオフィスの扉を開けた後ピタッと止まったーーー
緊張感が走るのが目に見えるぐらいの時が流れたのをミライは感じた。
『4管区 建物火災 入電中 以上』
それを聞いた、第二小隊の面々は書類を置いてクロエが持っていたクロワッサンを受け取ってオフィスを後にしたーー
「うち来るな。行こうかーー」
ドンがそう言ってクロワッサンを咥えて、滑り棒を滑り降りていった。
他のメンバーもそれに続き滑り棒を降りていった。
ゆっくりとしながらも確実に準備を進めていると。
次の放送が入り込んできた。
『4管区 建物火災 17番街 オットーホール。
災害番号02 第一出場 P12 P20 L19 R8 A1 A3 機動2 指揮4 出場 以上ーー』
防火衣を着替え終えた、ドンは司令書を手に取って早速車に乗り込んだ。
レオンがそれに続いて運転席に座り、
ミライ、リザ、クロエも車に乗り込んだ。
「オットホールか....レオン。旧道はこの時間、混んでるから17号を通って向かった方がいい。
俺たちの任務は多分、最先着で要救助者の確認が最優先になる」
ドンはそういうと無線をとってこう言った。
「機動2から、大隊本部。機動2これより災害02へ出場。なお、水利番号1919に部署し、情報収集の実施を行う」
『大隊本部。了解』
そう無線が飛んできた後でレオンがサイレンとホーンを鳴らして、機動警備第二小隊のポンプ車が署を出ていった。
『指揮1から、機動2ーー。ドン少尉。俺たちの車だと渋滞で遅れる可能性がある、最先着での情報収集よろしく』
それを聞いたドンは指揮車に乗っている署長に対して無線でこう返信を返した。
「了解です。署長ーー」
そしてどこか、気難しそうな顔をしながらミライ、クロエ、リザの方を向いてこう指示を出した。
「煙が出てたら、ミライとリザはハシゴと斧を持って部署後に現場に行ってくれ、クロエと俺でホースカーを曳航して水の準備はする」
「「「よし」」」
ミライはオットーホールと言うのを聞いてどこか、聞き覚えのあるような記憶があった。
ドンはどこか心配そうな顔をしながら、リザの肩をポンと叩いた。
リザはうんと無言で頷いたのをミライは見ていたーーー
現場到着して、ミライは斧を手に取ってリザと一緒に積載されているハシゴを運んで現場に向かうことにした。
野次馬が煌々と燃える建物を見ているのを声を出してどかしながら現場へと向かっていった。
オットーホールはこのマリンセイル市の有名な演劇会場でエントランスからは人が雪崩出てきており、2階の窓の一つからは炎が飛び出していた。
「ミライ。ハシゴはこの位置で!建物の一部が燃えてそうね。中に入って状況を調べるわ」
「了解!」
ミライはそう返事を返すとリザと息を合わせてハシゴを地面に置いた。
二人はエントランスから中に入って吹き抜けになっている2階から黒い煙が黙々と上がり、一部物が燃えているのが目に入った。
「ミライだ!!!ミライ!」
そう聞き覚えのある声がきこて振り向くと咳き込む見覚えのある制服を着た女学生達がいた。
彼女達はメリッサのフットボールチームの学友達だった。
「まだこの奥の食堂にメリッサと女の子が取り残されてるの!」
「え!わかった!みんなは逃げて!!」
ミライはそう返事をするとメリッサの友人達をエントランスから外へと出していった。
周りを見渡して、情報収集をしていたリザに声をかけた。
「リザさん!49情報!食堂に2名います!!まだ火の手が来てないので私行きます!!」
ミライはそう言って、空気呼吸器の弁を開いて残圧を確認してマスクを取り付けた。
「待て!ミライ!!」
リザがそう言って、ミライの手を引いた。
すると、ミライの頭上の天井が崩れて天井が落ちてきた。
そして天井にも火が回っているのが見えた。
「熱っ!」
ミライは思わずそう言葉を漏らすと床も底が抜け落ちたのが目に入った。
ミライは連続できた危険に驚き恐怖を感じてを隠せずに固まってしまったのだった。
動けなくなった、ミライの肩をパンとリザが叩いてこう言った。
「ミライ!一時退避だ!49は別ルートで行こう」
「りょ、了解です。で、でもメリッサが!!」
この先にメリッサが助けを求めてなってる。きっとさっきミライ自身が感じた恐怖をずっと感じているに違いないと思うとミライはいてもらっていられなくなった。
身体が自然と立ち上がって崩れた床を飛び越えようと走り出そうとした時にリザが後ろ襟の握って引き倒す形でミライ倒した。
「ミライ!冷静になれ!!一時退避だ」
「は、はい!でも!!」
「ミライ・キサラギ水兵!これは、上官命令だ!
まだ見捨ててない、私たちはプロだ。プロらしく頭を使っていくぞ。無謀なほどバカなことはない、消防士だろう!落ち着け」
ミライはそれを聞いて、息を整えて落ち着くように自分に言い聞かせた。
大切な友人を助けるためって思うと冷静さを失ったのかもしれないーー
でも、メリッサということは....
「了解です軍曹...しかし、ドン小隊長はーー」
ミライがそれを聞くとリザはこう言った。
「ああ、難しい思いを抱えると思うが....きっと諦めない。私たちはプロだ。プロらしくやるぞーー」
「はい!」
ミライがそう答えると、リザとともにエントランスを出てハシゴを手に取って建物の周りを見て回ることにした。
ちょうどその頃に、ドンとクロエがホースカーを曳航しながら到着していた。
「クロエ!火点はあれだな...ここで分岐管の設置!それが終われば、放水を始める!」
「了解です小隊長!」
そうドンの支持を聞いてクロエはホースを手に取って分岐管を設置してノズルを用意し始めた。
それを見たクロエが声を張ってドンにこう言った。
「小隊長!奥の食堂に2名、49情報あり!一回エントランスからのルートは床抜けで不能!別部屋よりハシゴで侵入します!」
それを聞いた、ドンはうんと頷いてこう言った。
「わかった!!ホース延長して侵入可能な場所から先に入ってくれ!頼んだ!」
それを聞いた、ドンの真剣な眼差しを見たミライは息を飲んでこう答えた。
彼はもうすでにどこか覚悟が決まっているように思っていた。
「了解です!小隊長」
ミライは友人を救うために全力を出すと強く決めて自分の頬を両手でパンと叩いてこう言った。
「やります!」
クロエ「え、小隊長の娘さん学校が今日...オットホールに行ってたじゃん...」
レオン「おう、そうなんだよ....小隊長...大丈夫なんだろうか」
クロエ「心中穏やかではなさそう」
レオン「だよな...」
ドン「要救助者誰であろうと変わりはない。俺たちはそれを救うだけだーー」
レオン「は、はい!」
ドン「レオン!俺たちが最先着だ。俺たちがどう動くでこの現場変わる。心してかかれよ」
クロエ「了解です!」
ドン「あの子なら大丈夫なはずだ...ミライとリザが行くかなら待っててくれよ....
次回、メリッサの勇気ーーー頼むっ....無事でいてくれ」