港町マリンセイル!-4 ミライの思うところ
「でも、ミライはすごいよ。だって、あのリザさんはのぞいてだけど女子部で軍出身者じゃない人で唯一...機動警備隊の配属になってるんだから」
そうお酒は飲んでないが周りの雰囲気に飲まれてテンションが上がり始めたルーシーをみながらどこから羨ましそうにミライに言った。
その横にいたクロエがこう言った。
「私のこと忘れないでよ。第一号は私なんだからね」
ルーシーはそれを聞いてハッとした顔をしてこう言った。
「す、すいません先輩....そうでしたね」
それを聞いたクロエがポンとルーシーの頭を撫でながらこう言ったーー
「ま、でも私も別の消防にいたし、女性にして最年少第一号なのはミライだけどね。
ルーシーもすごいじゃん、最年少で初の調査隊入りでしょ?」
「え、まぁ....」
「ルーシーもすごいのよ〜頑張れよ。よしよしよしよし」
「え、あ...先輩!?」
クロエはそう言いながら、ルーシーの頭を愛犬でも愛でるように割と激し目に撫でているのをミライは見ながら笑みを浮かべた。
横ではマイペースに腕立て伏せをしているリザがそれを見てミライと同じく笑みを浮かべた。そして、ミライにこう言った。
「ミライの少しは自信を持っていいと思うぞ」
「私はまだまだですよぉーリザさん」
ミライはそれを聞いて、目の前でストイックすぎる憧れの人物を見てそう言った。
ミライもルーシーも訓練センターの成績は優秀だった。
ミライは、ドンに見込まれて彼の部隊にそのまま行くことになって、ルーシーは自ら望んで調査隊に入った。
同期からは根性のミライ、頭脳のルーシーと言われてたほどだったのを思い出す.....
しかし、それでも....
マリンセイルの女性隊員のトップを突っ走る目の前にいるリザ・アカハノにはまだまだというのは感じていた。
「謙遜は結構だが、卑下だけはするなよ。ミライ....よし、これで今日のノルマは終わりだーーー」
リザはそう言って腕立て伏せの状態から逆立ちの体勢になってから足を地面につけてから、タイミングよくクロエが持って来たビール瓶を受け取ってこう言った。
「今日は私の奢りの会だから。皆んな存分に楽しんでくれ」
リザはそう言って、ビール瓶を掲げたのでクロエとルーシーは手に持っていた飲み物のを掲げてこう言った。
「「ははーーぁぁ」」
それを横目にミライも近くにあった瓶を手に取って掲げたーー
ワクワクすることは、こっちの世界に来てから。
マリンセイルで消防士になってから多いように感じていたーー
今のミライの夢は、
リザさん見たいなかっこよくて頼もしい消防士になることになっていた。
ふと昔憧れた、父や兄の姿と重なるのをふと思い浮かべる。
今なら身体も健康そのものだからきっといつかは、なれると思うと毎日ワクワクしていたーー
そんなことを思いながらも、
リザさんやドン隊長との差を感じる事が実際に現場に出てから多く感じてどこか自信をなくしているようにミライは心のどこかで感じていたーーー
『卑下しない、きっと大丈夫だよね?』
そう、リザから言われた言葉をミライは思いながらも手に取った飲み物を口にした。
でも、こうやって前向きな話や好きな話をできるのはすごく楽し時間だとミライは感じていた。
リザがニコニコしながら、クロエをヘッドロックするように肩を組んでこう言った。
「ところで、クロエ・ブレイズハート水兵?この前の彼はどうなってるんだ?」
「え!そ、それは...明日、約束を取り付けておりますっ!」
それを聞いたミライとルーシーは声を揃えて迫るようにクロエに近づいてこう言った。
「「詳しく聞きましょう先輩」」
「秘密だよ」
クロエはそう言ってどこか恥ずかしそうな顔をしながら、ミライとルーシーの額にデコピンをした。
それを見ていた、
リザがクロエの額にデコピンをした。
「こら、後輩をいじめるな」
「いやいや....リザ先輩もんじゃないですか」
「うーんそうなのか?まーいい」
どこか、このちょっぴり悪ノリのなリザが見えるにも親しい仲だからだろうとミライは毎回感じていたが....
以前は腕立て伏せ回数勝負とかをさせられて、負けたくないという思いが空回りして後でひどい筋肉痛に襲われたのがあったのを思い出して....
ほどほどにして欲しいと思ってはいた。
それを聞いたクロエはため息をついて、どこか観念した様子でこういった。
「わーかりあしたよ。私が喋るから、リザさんのお願いしますよ」
そうどこか、投げやりな感じでクロエが言うとリザは頬を膨らませてからこういったーーー
「そういう話は私のところはないのーーぷーだ」
頬を膨らませてべそをかく、リザを見てミライとルーシーは声を揃えで驚いてこういった。
「「かわいい」」
それを聞いた、リザはすごく恥ずかしそうな顔をしながらどこか乙女な雰囲気を出してもじもじしていた。
そうこうして色々と4人で盛り上がって、他の女子寮の人も混じってワイワイやっているうちに夜は更けていき女子会は解散になった。
ミライは楽しい時間を過ごしている今が幸せに感じていたーー
目標があって毎日が忙しくて。
でも、一つ引っかかることがあった。
本当に一つだけ引っかかることだった。
「私は...お父さんやお兄ちゃん、リザさんみたいになれるのかな?」
父親の仕事を初めて意識したのは、ミライが物覚えがあるかないかの時だった....
大洪水の被災地で屋根に登って取り残された航空隊の隊員として父がヘリコプターからホルストロープで降下をして震える要救助者を救助する場面をテレビで見た時だったーーー
力強く、優しく、窮地から救い出す。
ヒーローがそこにいたように見えたーーー
きっとその時の姿が脳裏に焼き付いていた。
兄はその背中を追って同じ道に進んだ。
中学生の頃に兄が消防学校出たばかりに頃のキラキラ輝いているのも見ていた。
そして、今は...
自分はどうなんだろう?って思う日々だったーーー
何回か現場に出てたけど、まだまだだと思うことが多かった。
それが引っかかっていた。
自由に動く体....
健康な身体だから色々とできる。
「よし!寝よ!」
ミライはそういって頬を両手でパンと叩いた。
明日の予定は特に決めてはいなかったが....
ロープの復習やトレーニングに時間を使おうとふと思ったーー
目を閉じて、呼吸を整えてミライはリラックスをするように心を沈めたーーー
どのくらいの時間が経ったかわからなかったが、目を開けるとすっかり朝になっていた。
日が登って一応軍隊らしく、ラッパの音で目を覚ます。
訓練センター時代と違って点呼やらはないので気楽に起きて、
ミライは大きく伸びをして窓の外から見えるマリンセイルの街と港を眺めたーーー
それはミライの好きな景色だ。
綺麗でおしゃれな街で、そして今自分が暮らして守っている街。
マリンセイルという異世界の街でミライは夢を叶えた。
次の夢ができた彼女はまた一歩を踏み出して、一つ一つ自分の理想へと近づいて行くーーー
港町マリンセイルで起こる色々なアクシデントに彼女は赴きなにを感じて行くのか。
ミライの消防士としての日々が始まっていきますーーー
「とりあえず、朝ごはん♪」
ミライはそう言いながら部屋を飛び出して行ったーーー
ミライ「プロローグ終わりですっ!」
レオン「なんか俺とクロエの掘り下げが浅い気が...(特に俺...)」
ドン「まー気にするな。今後の物語を期待だろなークロエ?ってあいつ....二日酔いか」
ミライ「え!でも、クロエ先輩今日彼氏と..じゃーー」
クロエ「あぁ...うん。昼以降だからまだどうにか」
ミライ「習いですけど...」
ドン「リザは早速、出かけた感じか?」
ミライ「みたいですね...でも、みなさん。今後ともよろしくお願いします。では!」