港町マリンセイル!-3 ミライの日常
ミライはロッカールームで着替えを済ませて、職場を飛び出した。
ミライの仕事は3交代制の24時間拘束のシフトで回っていて、
機動警備隊は1〜3小隊があって、3日一回のペースでそれぞの部隊が勤務している。
仕事は月に勤務日は10日程度という感じになっている。
今日の仮眠はきっちり5時間とショートスリーパーなら苦もない時間になってて、今日は夜には機動第二小隊の出番はなくぐっすりと休んでいた。
しかし、ドンは40代手前ということで少し辛いというのを毎回言っていた。
交代に来た機動第三小隊のメンバーに挨拶を済ませ、第二小隊のメンバーは消防署の外に出てドンの車に乗り込んだ。
今日はみんなで朝食をドンの店に行く予定になっていて、
そこにレオンとクロエも合流して一緒に朝食を食べる予定になっている。
第二小隊のメンバーは小隊長のドンを中心に割と円滑に仲が良く時折こう言った朝食会を行うのを定番としている。
「あー眠いな...何もなかったし、今日は朝食を奢ってやるよーミライとリザは大丈夫なのか?」
ドンが出勤に使っているバンに乗り込んだリザとミライははいと返事をして答えた。
リザとミライはドンとは対照的に元気が残っているようだったが、ドンは少しばかり眠そうな顔をしていた。
「ところで、お前らは休みの日は何してるんだ?営舎から出れるのは明日ぐらいなんだろ?」
それを聞いた、ミライは思い浮かべたスケジュールのことをドンに伝えた。
今回の休みは割と予定を決めていたからワクワクしていた。
「寮のパーティを今夜します。明日は、ゴロゴロです」
ドンはそれを聞いてため息をついてこう言った。
「せっかくの外出日なんだから、外で遊べばいいのに...って俺は思うけどな」
多分世代差が少しあるようだった。
それを感じたドンは難しそうな顔をしてからまたため息をついた。
「隊長はどうされるんですか?」
少し空気が重くなったのを見計らってミライは話題をドンの方に切り替えるように伝えた。
「子供達の学校で運動会があるからそれの準備と手伝いだな」
「そうなんですね!そういえば、以前お店に行った時に娘さん楽しみって言ってましたもんね」
そうミライがドンの家族のことを出すとドンはどこか嬉しそうな表情に顔色を変えてニコッと笑みを浮かべて
「ああそうだな」
と呟くようにそう言ったーーー
そうこうしているうちにバンはマリンセイルの郊外にあるロック・ダイナー駐車場に到着していた。
ロック・ダイナーは朝からは非番の消防士と警察官の溜まり場とかしているダイナーで
ドンがオーナーとして副業で経営していて、ドンの奥さんであるフィオが取り仕切っている。
バイトを数人雇って入るものの家族経営のこじんまりとした店だ。
ロック家は父ドンと母フィオナに6人姉弟の家族がいて、家族一丸となって店を盛り上げている。
長女のメリッサは14歳でミライとは仲がいい友人でもあった。
店の入り口付近にいたメリッサがミライを見つけるなり目をキラキラさせて手を振ってきた。
「あ、ミライだ!いらっしゃい!」
「やっほー」
ミライはそう言って手を振って彼女の元に歩み寄った。
嬉しそうにしているメリッサはかなりハイテイションになっていた、ミライの両手を掴んで大きく振りながらこう言った。
「ミライ!見たよ!すごくかっこよかった!」
きっと昨日の火災現場の話だろうとは思えた、テレビ局も中継に来ていたのは見ていたからだろう。
どのように報道されたかはわからないが、メリッサから羨望の眼差しで見られていることだから多分、彼女にとってはすごくカッコよく見えたのだろうとミライは感じた。
「そんなことないですよぉ〜仕事しただけなんだから」
そうどこか照れながらいうと、ポンとリザが頭を叩いてからこう言った。
「満更でもない感じじゃないか、いんだぜ素直に喜んでおくんだ」
「あ、ありがとうございます」
リザの言葉にミライはそう答えた。
それを聞いたドンがこう言った。
「結果良ければいんだ。次に活かせればそれでいいーーーそれを一つ一つ積み重ねていけばいい。
命あれば...
次はあるんだーーー」
ドンのそうミライに声をかけたが、最後の言葉はどこか何か寂しさを感じられる表情をしていたのをミライは見逃さなかった。
「あ!ドン隊長も来てたんですね!」
そう店の奥から手を振る、海軍水兵のセーラー服を着るメガネの男性がいて、その横でドンをみて気をつけをする女性がいた。
メガネのいかにも真面目を通してるのが第二小隊の専属機関員のレオン・アドレード伍長で、
気をつけをして敬礼をするのはミライより少し年上の先輩であるクールな印象があるクロエ・ブレイズハート水兵だった。
「そうか...お前らは任務帰りだったなーーー」
思い出したかのようにドンはそう言って彼らの席に向かうことにした。
ミライとリザもそれに続いて、レオンとクロエが座るボックス席に第二小隊の面々は席のついた。
息を合わせたかのように、
オーダーは駆け寄ってきたメリッサが取りに来てくれた。
ミライはロック・ダイナーのモーニングで頼むのは....
「パンケーキとフルーツミックスミルクでお願いします」
それを聞いたリザもパッと手を上げて
「同じなので」
「おいおい。お前ら...なかなか可愛いもん頼むじゃねーか...メリッサは俺はいつものでいいよ」
それを聞いたメリッサはうんうんと頷いて、キッチンへと向かって言ったーーー
そして、ちょっとしてから....
店が騒がしくなってきたーーー
隣の席にいた非番上がりの警察官の一団と他の署の同僚達がドンに気がつきこう言った。
「コック長...すまん、例のあれ作ってくれねぇ?」
「おいおい。俺は今日...コック長としては休みなんだがーーー」
ドンはそう返事を返すが、
口々に「ロック小隊長お願いしまします」だ、「教官お願いします」「コック長お願い」などの声がそのほかの席からも聞こえ始めたーーー
そうどこか、親しい感じにマリンセイルを守る同業の団体からせがまれてドンはため息をついて...
「おい。お前ら手伝えるか?今日、メリッサとフィオしかキッチンがいねーんだ。手伝ってくれるか?
ソースの調合は俺しかできないしな......」
ドンはそう言って立ち上がるとため息をつきながらもどこか期待されていることが嬉しいのか足取りは軽くキッチンへと向かっていった。
それをみた、リザがこう言ったーーー
「小隊長がそういうなら。手伝おうか...どうせ鶏を捌くのがメインになるだろし....」
そうどこか呆れながらもドンと同じようにどこかワクワクしながらリザが立ち上がると、レオンがそれをみてこう言ったーー
「あー第二小隊出場何ですか....はぁ、今回はドン隊長のソースの秘密を盗んで帰りたいな。
いこうか、クロエ、ミライ」
それを聞いてミライとクロエは立ち上がった。
「じゃあ、ミライは洗っておいてよ」
クロエはそう言うとミライの背中を叩いた。
ミライは少し、照れながらあはははと少し笑って同意した。
実はミライはあまりにも料理が苦手で、
毎回、食材洗いと皿洗いの担当をするようにしているが....
ドンやリザがそれをあまりよく思ってないらしく、
成長のためと調理をやらせようとすることが多いがーーー
「今回は、お店だからごめんねミライ」
そう事情を知っているメリッサがウィンクをしてミライに声をかけた。
結局、ドンが作る名物のチリソースがけのフライドチキンを第二小隊が注文分以上作り終えたあと....
ミライとリザのパンケーキをドンが焼いてテーブルに運んでいた。
食事を終えた一行は解散した。
手伝った報酬として余った特製チリソースとパンをミライはもらうことのになった。
そして、ドンの車に乗せてもらい、ミライは自分の住む営舎に戻った。
ちなみに、同じ建物にはリザとクロエも住んでおり、そして同期のルーシーも住んでいる。
その営舎は正式には108号営舎として書類上に残っているが、みんなはそれをガールズアパートと呼び、事実上、マリンセイル消防大隊の女子寮となっている。
車から降りてクロエとリザと別れたミライは
自室に素早く戻りベッドとに飛び込んで夜にある、寮で行われる女子会に備えて仮眠を取ることにしたーーー
ミライ「毎回、朝食を食べるわけじゃないんですけどね」
ルーシー「でも、職場のみんな仲がいいのはいいなーって思うよ〜」
ミライ「結局、三日に一回は24時間一緒だし、みんなで動くからある程度はコミュニケーション取らないとねってロック教官が言ってまして」
ルーシー「でも、教官二人が上司ってなんか怖いよ...でも、ミライの話を聞いてると訓練センターで見た感じと全然違うくて...」
ミライ「あーあれはわざとだって、ロック教官は言ってたよー
リザさんのストイックさは全く変わらなかったけどね....」
ルーシー「ところで、リザ助教は...今日は?」
ミライ「たぶん、トレーニングルームに行ってると思う」
リザ「ミライ...そんな私が脳筋に見えるのか?」
ミライ「え!そ、そんなことないですよ!!!」
リザ「はぁ...リザさんは筋肉お化けだとミセスストイックとか言われるの辛いんだよねーーー」
ミライ「そんなこと言いながら、逆立ち腕立て伏せしないでください....」
リザ「あ...これがダメなのかーーミライ!可愛いを伝授してくれないか?」
ミライ「え!えぇぇ!何で私なんですか!?」
リザ「いや...寮内で1番おしゃれさんだと思ってな」
ルーシー「確かに....とりあえず、今ミライは寝ないと大変なので後にしてやってください!助教!
次回、ミライの思うところ!
プロローグ最終話だね!」
リザ「次回もお楽しみに」