小さな勇気と憧れ-5 小さな勇気がくれたもの
ドンはミライとメリッサが埋まっている瓦礫を一つ一つ取り除きながら指示を出していた。
「ミライ!床の崩落があるなら、なんか気にかけておけよ!」
「了解です!小隊長」
そう返事を返すとメリッサの声も聞こえてきた。
「パパ!私大丈夫!!ミライはどうにかしてくれるって信じてる!」
「よし。それでいい。ミライといるなら俺も安心だ!
クロエ!リザ!急ぐぞ!!このタンスの下だな!そっちを持ってくれ!!」
ドンはそう会話をしながらも部下たちに指示を送っていた。
ドンは大きなタンスのようなものを持ち上げるために、クロエとリザに持つ位置を支持した。
「いくぞ...1、2、3 あげ!」
「「よし!」」
そう声を掛け合って、ドン、クロエ、リザは大きなタンスを持ち上げた。
下からミライも持ち上げていたようでタンスはひょいと持ち上がってしたからメリッサが素早く出てきた。
するとその時だった、メシっと床から嫌な音が聞こえてドンの足場が少し軋んだ。
「急げ!メリッサはハシゴで降ってくれ!」
「オッケー!」
メリッサはそういうと素早くハシゴの方へ行って、慣れた感じでハシゴをスイスイと降っていった。
「普段からハシゴの登り降りは食材庫のハシゴで慣れてるな....お前らより出来のいい娘で誇らしいっ!」
そう言って下からミライも出てきたのでタンスをゆっくりと下に下ろした。
下ろしてからクロエが苦笑いをしながらこう言った。
「小隊長!それはあんまりですよ!」
それを聞いたドンは笑ってこう言ったーーー
「すまん!すまん!とりあえず、崩落危険がある!緊急脱出!」
「「「了解」」」
ドンはそういうと、1番近くにいたクロエの近くに行って背中をポンと押してハシゴの方へ押しやった。
ミライはそれを見てこう言った。
「ドンさん!急いだ方がいいなら私はバルコニー沿いの降っていけますので!」
ドンはそれを聞いて、一瞬考えるそぶりを見せたがうんと頷いてこう言ったーーー
「分かった!ハシゴで一気に出るのは難しいな...気をつけろよ!」
「了解」
ミライはそう言うとバルコニーに出て、ゆっくりと地上階に向かって壁伝いに降りることにした。
マリンセイルの消防士ならではな面がある....
多分ミライがいた日本だとあり得ないだろうとは感じてはいた。
と思いながらも、そんなことするの昔のマリンセイル消防ぐらいで今ではあまりやらないと言うのはあったが....
さながら、ロッククライミングのようにミライはバルコニーの手すりやらをつたって地上に到着したーー
「ミライ!ありがとう」
先に地上に到着していたメリッサが無事に火災現場から出てきたミライに抱きついた。
「よしよし。よくがんばりましたね」
ミライはそう言ってメリッサを抱きしめたーーー
オットーホールの火災はその3時間後に完全に消し止められた。奇跡的に死傷者はなしーーー
火災の原因は放火ではないのかと言う噂をミライは聞いていた。
ヘロヘロになって署に戻ると安心したドンは腑抜けたようになりながら、夕飯の出前を自分の家のダイナーに頼んでリザと共に報告書の作成を急いでいた....
ミライ、クロエ、レオンは片付けと次のあるかもしれない災害出場のために資機材の点検と入れ替えろ片付けに追われた。
全ての車載資機材の点検と入れ替えを終えた後、
火災で灰や煙を被った防火衣を専用の洗濯機に入れてぐるぐるしているのをミライは見ながらうとうとして気がつくと眠っていたのに気がついていた。
「お疲れ様。背中とか大丈夫?」
そう声リザからをかけられて、ミライはハッとした。
「え、は、はい。大丈夫です!!」
「それならいいけどね。無理なら言ってね....
疲れたのはわかるけど、まだこの勤務は終わってないんだーーー
休める時に休もう。
私と小隊長の方も仕事はひと段落ついたから」
「確かにそうですね。リザさんーーー」
ミライはそう言うとホッとして、落ちていった緊張感を感じて...疲れた体を動かして仮眠室へと向かっていった。
ちょうど戻ってくる最中にミライと同じくクタクタになっていたルーシーとすれ違った。
「お疲れ様ーミライ。大活躍って聞いたよ」
「ありがとうー後、お疲れ様です。ルーシー...大丈夫?」
そう声をかけるとルーシーはため息をついてこう言った。
「うーんきつい。知ってると思うけど今回の思いっきり放火だったから、犯人探ししなきゃいけなくなって....ちなみに何か知ってたりしない?」
ルーシーの仕事は火災調査ではあるが、マリンセイル消防大隊だと放火の場合の捜査もやるのが仕事の一つでもあった。
ミライはそれを聞いてうーんと考えてこう言った。
「助け出した。メリッサとエリスが何か知ってるかもです」
「そうか...まだ報告書上がってなかったけど....メリッサが49だったんだーーー
明日聞きに行くかな」
ルーシーはそういうとポケットからメモを取り出して、予定を書き記した。
ミライはそれをみて、忙しそうにし始めたルーシーに手を振って仮眠室へと向かったーーー
その後は特に何もなく勤務は終わり。
ドンの連れられてみんなで朝飯をダイナーへ行くことになった。
店ではニコニコして待っていた、エリスとメリッサが待ち構えていたーー
ミライはその二人と同じ席に座ることになった。
「みんな大丈夫だった?」
それを聞いてニコニコしているエリスは前のめりになりながらこう言った。
「うん!メリッサお姉ちゃんとミライさんのかげでお医者さんも問題ないって言ってくれた」
それを聞いて、ミライはメリッサを軽く小突いてこう言った。
「お手柄ですね。メリッサ」
「あ、あーうん...」
メリッサはどこか歯切れの悪い返事をして、どこか恥ずかしそうにしていたーーー
そして小さな声でこう言った。
「ミライのおかげだよ。ミライから教えてもらったことできたからエリス無事だっただけ...」
「その小さな勇気でメリッサは、エリスを救ったんですよ」
ミライはそう言ってバンとメリッサの背中を叩いた。
食事を運んできた、メリッサの母であるフィオがテーブルに食事を置いてこう言った。
「ありがとうね。ミライちゃんーーー
昨日から、急にやる気になったみたいで『将来はミライみたいな強くてかっこいい消防士になる』って言って勉強し始めたのよ」
「もぉーママ!それ言わないで」
メリッサはそう言って母親の言葉を遮ろうとしたが、もうすでに遅く周りで聞いていたマリンセイルの消防士達が嬉しそうに笑い始めた。
「おいおい。パパのことも忘れないでくれよぉ」
そう隣のボックス席に座って朝食を食べるドンがこう嘆くように言った。
恥ずかしそうにするメリッサを見て、ミライも急に恥ずかしくなってきた。
初めて自分がそう目標にされるような人物だと言われたことに恥ずかしさを感じたからだったーー
照れ隠しをするようにメリッサにこう言った。
「メリッサは確か今年で15歳ですから....3年後ですね。楽しみに待ってます」
「いうじゃないかミライ。先輩風吹かすとは」
そうドンと同じ席に座っているリザがミライの言葉にツッコミを入れた。
それを聞いて、ミライは照れ臭くなって頭を抑えて舌を出した。
小さな勇気が未来を作っていく。
ミライの姿に憧れたメリッサの気持ちはきっと、ミライが父や兄に憧れたのときっと同じだろうと感じられた。
そして、この世界に入ってリザのようなかっこいい女性消防士になろうと思ったーーー
きっと、メリッサも同じなのかなーー
そうミライは思って、テーブルの上運ばれてきたパンケーキを口に運んだ。
ミライ「小さな勇気だけでいんですね」
ドン「ああ、ほんの少しの勇気と知識があるだけで違うんだ....うちのと今後ともよろしく頼みよ」
ミライ「は、はい!なんか私憧れの対象なるなんてなんか恥ずかしいです」
リザ「私も同じなんだが...」
ミライ「そうなんですね!?」
リザ「そうだよ。まーそれはさておき...まだまだ、ミライは研鑽が必要だな」
ミライ「はい!そう思ってますよ〜私の消防士としてのキャリアはまだまだ始まったばかりなんですからもっと頑張らないと....メリッサが入った時に失望しないように」
リザ「その意気込みね。いいわね」
ミライ「はい!頑張っちゃいます」




