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青い記憶   作者: お醤油
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1ページめ

はじめまして。こんにちは。

少しでも楽しんでいただけると幸いです。

これは大人になってしまった私の青い記憶の1ページのはなし。

いつかあの子にこっそり話したい思い出のおはなし。




「お前、清水のこと好きなの?」


隣の席の石田が授業が終わると聞いてきた。清水はクラスの中でも上位に入る陽キャグループの1人だ。野球部に所属していて、レフトを守っている。陽キャ組だが、人と分け隔てなく接して、教師からの受けも良い。一言でいうならとっても良いやつ。そんな人だ。


「いや、なんで石田にそんなこと言わなきゃいけんの?」


そう私が言い返すと、石田は眉根を寄せて怪訝な顔をする。私と喋る時は大体この顔をしている気がする。


「いいじゃん、別に。減るもんじゃないし。飯田、いつも清水のこと見てるから好きなのかと思った。」


「いや、委員会一緒だし、清水目立つから目に入るだけだし。見てないよ!」


これは嘘。友達と話してバカ笑いして、クシャクシャになった顔とか盗み見ていた。いつもはキリッとしている顔が崩れて、クシャッと笑った顔が好きだった。

少し赤くなったような気がする顔を、少し背けて話を逸らす。


「だいたい、なんでそんなこと知りたいわけ?知っても石田に何もないじゃん。あ、揶揄う気?」


「ちげーし。ただ、ちょっと、気になっただけ。」


そう言って石田も窓の外に視線を背けた。まだ眉根を寄せている。そんな石田に対して別の話題を提供する。


「あ、そういえばさ、男テニの部長、女テニのミカと付き合いはじめたらしいよ。」


「え?マジ?副部長がバドの3年と付き合ってるのこの間けちょんけちょんに言ってたのに。えー…部活行くのやだな…惚気られそう。」


頭の後ろに両手を組んで天井を見上げながら石田が言う。


「最近になって付き合いはじめた人、なんか多いよね」


「まぁ、中学入って、テストも部活も落ち着いたからなー。俺も彼女欲しい。」


天井を見上げながら石田が言う。この間まで小学校で全力で女子の私を追いかけ回して、死ぬほど鬼ごっこしてた奴の言うことか?

私と石田は幼馴染で、小学校から一緒だ。小学生の時は毎日のように、言い合いをしていた。それもこれもコイツが人のことにちょっかいをかけてくるからだ。ちょいちょい嫌がらせみたいなのもあった。


「彼女欲しいなら、女子にちょっかいかけたり嫌がらせするのマジでやめたほうがいいよ。」


ジト目をして石田を睨め付ける。石田はこちらを見て、また眉根を寄せていた。


「…嫌がらせじゃねーし。」


ボソッと石田が何か言ったが、私には聞き取れなかった。



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