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追放

リアナはエルフの森を追い出され、王都に向けて孤独な旅をすることになる

リアナはエルフの森を追い出され王都を目指すことにした、一人ぼっちの孤独な旅だ。

着の身着のまま出てきたから金もない。果たしてたどり着けるだろうか……

? 不安で押しつぶされそうになりながらも、なんとか森を出て街道に出ることができた。

そしてそこで彼女は信じられないものを見たのだ。

それは馬車だった。それも見たこともないほど立派なものだ。

こんな立派なものを引ける馬がいるなんて……! しかしリリアナは絶望した。御者がいない。まさかこれは無人なのか!?

「あ、あの……」

恐る恐る近づいて声をかけてみるが反応はない。

「おーい」

やはり反応がない。

どうしたものかと悩んでいると、突然馬がこちらに顔を向けてきた。

その目は血走り、明らかに敵意をもって睨みつけている。

もしかすると自分はこの馬に襲われてしまうのではないか? そんな考えが頭をよぎった時、ふとあることを思い出した。

『いいかいリアナ。もしも一人で寂しいときはね、こうやって歌を歌うんだよ』

母の言葉を思い出し、それを実行するために大きく息を吸う。

「♪~~~♪~~~♪」

歌い始めてすぐに、馬の様子がおかしいことに気づいた。

さっきまであんなに荒ぶっていた馬が、今は静かに佇んでいる。

しかも先程までの恐ろしい目つきではなく、どこか優しげな目をしているようにさえ見えるではないか。

やがて歌が終わると、馬はゆっくりと向きを変えて歩き始めた。

まるでついてこいと言っているかのように。

その後ろ姿を追いかけながら、リアナは心の中で呟いた。

(ありがとうお母さん)

こうしてリリアナの旅が始まった。

彼女は知らない。この出会いが偶然ではないということを。

そしてこれから出会う仲間たちとの出会いもまた必然であるということはまだ誰も知る由もなかった。

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