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【第二章:リアナの過去】
リアナにはメイドになる前壮絶な過去があった。
私は、長年住んでいた村を出ていかなければならなかった。
理由は簡単だった。私がハーフエルフだからだ。
父親は人間族だった。そのせいで、エルフ族から疎まれていた。
「どうして、お前のような者が生まれてきたのだ!」
「すまない……私たちのせいで……」
「あなた達なんて大嫌い!」
両親とは喧嘩ばかりだった。2人とも優しかったけどどこか距離があったように感じる。いつも冷たい態度をとっていた。
「なんで私のことを嫌うの?私は何もしていないじゃない!」
「……」
「答えてよ!」
両親は何も言わなかった。それが辛かった。
ある日のことだった。両親が家を留守にしている間に村の人たちがやってきた。
「おい、ここにハーフエルフがいるぜ」
「ほんとだ、耳が尖っている」
「気持ち悪いな」
「出ていけ!」
「消え失せろ!」
王都に身一つで放浪してきたリアナだったが。