引っ越し
引っ越してから数日が過ぎたらない家具を買いに行くのだが
新しい生活が始まって数日が経過したが、今のところは特に問題はない。むしろ順調すぎるくらいである。
「お掃除おわりー」
家の中をピカピカに磨き上げる。リアナは家事全般が得意なので助かっている。ちなみに料理に関しては俺の方が上手だと思う。
「リアナ、ちょっと手伝ってくれ」
「はいはい、何ですか?」
「荷物を運ばないといけないんだ」
「分かりました。どこに置いておきますか?」
「とりあえず、寝室の方かな」
彼女はエルフ族らしく村を抜け出さなければならず何か訳アリの様だった。働いているときも表情は硬かったような気がする。だが、今はそんなことは微塵も感じさせないほどの明るさだ。
「よいしょっと」
「ありがとう」
「いえいえ、これぐらいどうってことないですよ」
「いやー、リアナが居てくれるおかげで毎日が楽しく過ごせるよ」
「ふふふっ、そう言ってもらえると嬉しいです」
彼女の笑みを見ると心が癒される。このままずっと一緒に暮らしていきたいものだ。
中年独身男の一人暮らしは寂しい。寂しさに押しつぶされそうになる。メイドとは言えリアナみたいな可愛い女の子が家にいるとそれだけで楽しいものだ
。
「リアナのおかげでだいぶ片付いたな」
「そうですね」
部屋の中には段ボール箱が大量に積まれている。中身は本とか服といったものが入っている。引越し作業が終わったばかりなのだ。
「そういえば、家具とか食器類はどうしますか?」
「ああ、それも必要だね」
「明日買いに行きましょうか」
「そうだね」
家具を買うのは久しぶりだ。どんなものを買えばいいのか迷ってしまう。
「予算はどれくらいにする?」
「うーん、あまり高くないものが
メイドのリアナには秘密にしている過去があった。