バイト週4勤務
帝都線でアルバイトに向かう。家族とのしばしの別れはさみしいが、今日も清掃の仕事だ。
「それじゃあ行ってきます」
朝食を食べ終えた俺は仕事に向かう。帝都の移民エリアから出ている地下鉄に乗るのだ。渋谷、新宿と直通している帝都地下鉄だ。
ちなみに通勤時間は1時間ほどかかる。かなり遠いが仕方がない。これは妥協点だ。電車賃などは職場から補助が出ているし、家賃なども安く済む。だから文句を言うつもりはない。
この世界に来た当初は不満だらけだったが、最近は慣れてきた。それに、リアナもいるし子供たちも可愛いしで今の生活を楽しんでいる。
「さて、そろそろ着くかな」
最寄り駅に着いたので改札を出て会社へ向かう。
「おはようございます」
「おう、来たか」
上司に挨拶をして自分の席に着く。この部署は12人ほどの小さな会社だ。俺はその中で清掃の副リーダーをしている。商業施設を清掃したりするわけだ。「あの、先輩」
後輩が話しかけてくる。彼は新入社員でまだまだ経験不足だ。分からないことも多いだろう。俺が教えてあげないといけない。
「どうしたんだ?」
「ここがよく分からなくて……」
「ああ、ここはこうやってやるといいよ」
「なるほど、ありがとうございます!」
「いいって、気にしないで」
そうして、今日も一日が始まる。
***
ようやく仕事も終わり一家団欒のひととき。
この時のために生きてるんだと実感する。