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リアナの秘密

田中はリアナを町の買い物に連れていく、しぶしぶついてきたリアナだったが。

午後からは街まで出かけることにした。リアナもついていくと言うので一緒に行くことにした。

「リアナはどこに行きたいところがあるのか?」

「私はメイドですのでそのようなことは」

「おれが一緒に行きたいんだ。」

「それじゃあお供させていただくということで」

しぶしぶではあるが街の買い物に行くことになった。




「そうですね……。服屋とか行きたいと思っています」

「分かった行こうか」

服屋に入ることになった。たくさんの種類の服があって目移りしてしまうほどだ。リアナは店員さんに声をかけていた。

「すみません。ちょっと試着させてください」

彼女は白いワンピースを着て戻ってきた。とても似合っていた。

「かわいいじゃないか」

「ありがとうございます。」

試着だけして元に戻すリアナ。

「買うよ」

「いえ、そんなとんでもない」

明らかに動揺するリアナ

「俺がおごりたいんだ。」

「本当にいいんですか?」

「もちろんだよ」

会計を済ませると次はアクセサリーショップに行った。「プレゼントしたいものがあるんだけど受け取ってくれるかな?」

小さなネックレスを取り出した。

「これは……?」

「開けてみて」

箱を開けるとその中には星型の宝石がついている指輪が入っていた。

「きれい……」

「リアナにはいつも感謝している。だからその気持ちを伝えたかったんだ」

リアナは泣き出してしまった。

「うれしいです。一生大切にしますね」

帰り道二人で手を繋いで帰った。リアナの手は温かくて柔らかくて安心した。


あの実は寄りたいところがあるのですか。俺は疑問に思う。


「ここはどこなんだ?」

「墓地です」

そこは大きな墓地だった。リアナは花を買ってきて供え始めた。誰か亡くなった人がここに眠っているということだろうか? そして祈りを捧げる彼女を見て俺は思った。

墓石にはリリィと書いてある。亡くなった家族だろうか。




俺は心の中で祈った。どうか安らかに眠ってくれと。

「さあ、そろそろ帰りましょうか」

「ああ、そうだな」

家に帰る途中リアナは言った。

「私の両親はもう亡くなってしまったんです。病気で」

俺は驚いた。そんな話は聞いたことがなかったからだ。

「すまない知らなかったとはいえ無神経なことを聞いてしまって」

「いえ、気にしないでください。私が話さなかっただけですから」

俺はリアナのことを何も知らないんだと痛感した。夕暮れがだんだんと夜の暗闇に飲み込まれていく。

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