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夜のグラデーション
夜の刹那をことばにして記し続けてたんだ
怖
い
夜い寒
い
深
全部否定された夜
頭掻きむしった夜
惨めでたまらなかった夜
存在が罪だと責めていた夜
罰を求めていただろう夜
誰も気づいていない夜
逃げたかった夜
逃げられなかった夜
朝に怯えてた夜
耐え忍んでいた夜
自分の首を絞めてた夜
光を見失った夜
何かが変わった夜
虚無に慣れ始めた夜
偽りを覚えた夜
誤魔化したものに縋っていた夜
いつのまにか諦めるのが癖になっていた夜
少し明るくなった夜
でもまた絶望が呼んだ夜
駆け上がった屋上から夜景を眺めることしかできなかった夜
すべてがどうでもよくなった夜
すぐ近くに奈落の闇を感じた夜
痛みを想像して心痛めた夜
もどかしい夜
全部僕の夜だ
夜がグラデーションしていくよ