3 形になれなかった力の行く末
次はどこに行くのかと聞くと「9隠者」という答えがかってくる。
9隠者のカード。
その門をくぐると「今後この世界の案内役に私もくわわろう」と、隠者のカードの絵と同じ存在が言った。
トートタロットの左下にあるにゅっと突き出たシンボルが気になる。調べると精子らしい。
ちょっと気になったので、このシンボルををじーっと見ていると、頭のなかに次の内容が浮かんだ。
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暗闇のなか、精子はパチンと弾けて、無数にちらばった。
その無数にちらばったものが途端に青白い霊魂のようになって顔をもち「ケケケケケ」と笑い始める。
牙がはえた口が大きく見える。そんなに力が強そうではないが、たちは良くなさそう。
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「これって何?」と聞くと、受肉しなかったもの、形になれなかった力という意味。
形になれなかった力は、本来はただ霧散してもとに戻るだけ。
だが、この「悪魔」に関する生命の樹では、力の残滓から「悪魔」が生まれるという。
「つまり、形にならなかった意図や意欲、意志というものは、悪魔のように重くタチの悪い感情や存在、エネルギーに変化しやすい。この人間の世界では。
だから、恨み、嫉妬など、罪や悪といった感情が跋扈する。
ただただ、淡々と考えればいいのだ。形にならなかった感情、意図を、綺麗に細かくくだいて分散して、次の別の意図につかえばいいのに」
どこにもいけなかった、成さなかった、形にならなかった力を、自分でうまく次の意図に生かす、という思考を持たないと、それが呪いのようなものになるようだ。