ねぶた師:鹿野章一 「ウマを描く」 ウマはウマでもウマじゃないよ。
ねぶた師:鹿野章一シリーズ(シリーズ化すんのかよ?!。)の第2弾です。
ある日のとある作業場の一角で。
鹿野
「ここはこうして、ここはこうするっと。」
ねぶた師は、ねぶた祭の期間が終わると次の年のねぶた作りの構想をしたり、自らがデザインした工芸品のデザインや加工方法などを思案したりと結構忙しい時もあるのだ。
鹿野の先代も絵を描くのを得意としていた。
鹿野も絵を描くのが好きであり、自身が午年生まれなものだからウマの絵を描く事が多い。
鹿野
「で、ここはこうするっと。」
そこに弟子がお使いから戻ってきた。
弟子
「師匠っ、「照り焼きビーフバーガーとチキンナゲットとコーラのセット」と単品で「炭火照り焼きトリプルグランドキングバーガー」と単品で「コールをスルーするスローなサラダ」と、OOO堂さんの林檎大福6個を買ってきましたよぉ。」
現代っ児である鹿野はファストフードと甘い物が大好物なのである!。
鹿野
「だば、そごさ置いでけろじゃ。」
弟子
「はぉい。」
テーブルに食事を置いた弟子は鹿野の様子を遠くから伺う。
弟子
「何書いているんですか?。」
鹿野
「ああ、ウマの絵だよ。」
弟子
「ウマの絵ですか、いつも描いていますが飽きませんねぇ。」
鹿野
「そりゃぁ、ウマが好きだもん。」
弟子
「先代もウマの絵を多く描いていましたしねぇ。」
鹿野
「んだ。」
作業をする鹿野。
鹿野
「眼光は鋭く・・・。」
鹿野は作業中に独り言を言う事が多い。
鹿野
「爪は鋭利に・・・。」
弟子
「爪?。」
蹄じゃなくて爪!?。
鹿野
「肌は黒い・・・。」
弟子
「黒いウマをイメージしているのかな?。」
まぁ~白黒茶とありますもんね。
少し離れたところで疑問に思いながらも食事をする弟子。
鹿野
「角はぁ~。」
弟子
「角ぉ??。」
角が生えたらユニコーンになるでしょ。
鹿野
「牙は2本かなぁ~?。」
弟子
「牙ぁ~???。」
何やら怪しい雰囲気を感じた弟子。
弟子
「ちょっ、師匠っ、描いているのはウマですよね?。」
鹿野
「んだ、ウマだっ。」
弟子
「いやっ、師匠が角だの牙だの言うもんだから、つい・・・・・。」
鹿野
「ああ、それなっ、だってや角とか牙とかあるべさウマには?。」
弟子
「ん?!?!?!?。」
話が噛み合わない?!。
弟子
「ちょっと見せてください。」
鹿野に近づく弟子。
鹿野
「えっ、良いばってどってんすんなや。」
そして弟子が見た鹿野の絵は、なな、なんとっ!。
弟子
「師匠っ、これのどこがウマの絵なんですかっ!。」
鹿野
「えっ、これウマだべなウマ。」
弟子
「これのどこがウマの絵なんですか?。」
鹿野
「だってや、南米のウマとかこったらのだべ。」
弟子
「師匠、これはUMA(未確認動物)であって私の言う馬ではありませんよ、ねぶた師ならねぶた師らしく馬を描いてください馬を。」
鹿野
「ええ、だってやこのグローバル?な時代だもの、えふりこぎしても良いはんでたげぇだ目新しい物ば入れねばさぁ。」
弟子
「師匠の考えは解りますが度が過ぎるんですよ「度」がぁ。」
鹿野章一、彼は青森ねぶたを制作するねぶた師である一方で生っ粋のSF好きでもあったのだ。
鹿野
「あっ、来年のねぶた、チュバカブラVSチューバッカってのはどんだべ?。」
弟子
「チューバッカ!、そういやっ、2015年のスターウォーズねぶた、結構反響が良かった・・・・、て、師匠っ、チュバカブラは駄目ですよチュバカブラはぁ。」
鹿野
「ええええええええええええええぇぇぇぇっ!?。」
終わり