表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力ゼロの最強魔術師〜やはりお前らの魔術理論は間違っているんだが?〜【書籍化決定】  作者: 北川ニキタ
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/89

―56― アスモダイ

「アベルくん、全力でやって構いません。恐らく、ちょっとやそっとでは死にませんから」


 ミレイアがそう俺に伝えつつ、「〈召喚(エヴォケーション)――フルフル〉」と口にして、柔らかい球体のような悪魔を召喚する。

 俺は俺で、戦う準備を始める。


「あなた方は、この娘の配下かなにか?」


 アスモダイは自分の頭を指差してながら、俺たちにそう問うてきた。

 つまり、俺たちはアウニャの配下かどうか聞いているらしい。

 なぜ、俺たちを配下だと思ったのか理解に苦しむが、ひとまず否定しておく。


「いや、違うな」

「そう。でも、気に入らない。人間ごときが、私に対して好戦的な目を向けるのが。まるで、私に勝てると勘違いしているみたい」

「お前と戦わないで済むなら、こっちとしてもありがたいんだが」


 どうやらいきなり攻撃してくるほど、凶暴ではないらしい。少しは会話の余地がありそうだ。


「それは悪魔を舐めすぎかも。悪魔というのは人間に嫌がらせをするのが仕事なの。わかる?」

「そうか、じゃあ、やっぱり戦うことになるのか?」

「うん、そうかもね」


 飄々とした態度でアスモダイは肯定した。


「〈気流操作(プレイション・エア)〉」


 先手必勝。

 学院では特殊な魔術を使って、異端と勘違いされたら困るから封印していたが、この場ならミレイアにしか見られていないから気にせずに使っても構わないだろう。

 窒素を操作して、呼吸困難に陥らせる。

 俺の中で最も安定した必勝法。


「く……っ、がぁ……っ」


 うまいことアスモダイは呼吸困難に陥る。


「はぁッッ!!」


 だが、次の瞬間、アスモダイを中心に爆発を伴った衝撃が走る。


「まずい……ッ」


 この距離では防御が間に合わない。

 気がつけば、俺は爆発に巻き込まれ後方に吹き飛ばされた。

 まさかアスモダイが自分を巻き込むような爆発を発生させるとは。ふと、見るとアスモダイは無傷の状態で立っていた。

 ちなみに、ミレイアは増殖させたフルフルでうまく防御していたが、無傷とはいかなかったようでダメージを受けている。


「〈氷の槍(フィエロ・ランザ)〉」


 すかさず俺は次の攻撃を繰り出す。

氷の槍(フィエロ・ランザ)〉の多重詠唱。1つの詠唱で複数の氷の槍を生成させる。


「ふんっ」


 アスモダイがそう口にするだけで、氷の槍が全て爆散する。


「……は?」


 中には、俺の至近距離にあった氷の槍まで爆散したため、それに巻き込まれてしまうはめになった。


「脆いね、人間は。これだから人間には従いたくないんだよ」


 気がつけば、近くにきたアスモダイに首根っこを掴まれて持ちあげられる。


「アベルくん……っ!」


 助けようとしたミレイアが後方からフルフルの雷撃で攻撃しようとする。だが、身を守るようにアスモダイが爆発を発生、ミレイアを吹き飛ばした。


「さて、どうしようか……?」


 俺を持ち上げたアスモダイはそんなことを言いながら、俺に語りかける。殺すかどうか悩んでいるってところだろうか?

 にしても、アウニャのやつはなにをやっているんだろうか?

 体を乗っ取られたまま、アウニャの意識が覚醒する気配がない。早く、この悪魔をなんとかしてほしいのだが。

 まぁ、いい。

 まだ俺には奥の手が残っている。


「〈霊域解放――混沌の境域(カオス・アーレア)〉」


 瞬間、足元に霊域へのゲートが開く。

 当然、アスモダイもそのゲートに巻き込まれる。

 さて、第二ラウンドにいこうか。




下より評価いただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新作投稿しました!

↓こちらをクリックすると新作に飛ぶことができます↓


婚約者を殺された冤罪で、ダンジョン奥地に投獄された俺は、ヤンデレ勇者がくれた〈セーブ&リセット〉のスキルで何度やり直してでも、このダンジョンを攻略して、村人全員に復讐することを誓う


予約始まりました! よろしくお願いします!

魔力ゼロの最強魔術師〜やはりお前らの魔術理論は間違っているんだが?〜

魔力ゼロ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ