4日目・朝 登校することにしました
4日目は紅のつきなみ様よりツイッターにて、触手ランドセル幼女のイラストをいただきました!
ありがとうごさいます!!
夜になると、アヤメからいつもの電話がきた。
おやすみと挨拶した後、仁葉は眠ってしまったので、2人で少しだけ話をする。
《この世界を元に戻す装置を、お前が持ってるって仁葉の担任から聞いた。それは本当なのか? 今、どこにいるんだよ》
『彼女の言うとおり、私が装置を動かす機械を持っている。だが、自分のいる場所を教えることはできないんだ』
だから探し出してくれと、アヤメは言った。
《お前と連絡を取っていることは、他の人に言わない方がいいのか?》
『言わない方が私としては助かる。実を言うと、仁葉の端末とお前の端末でしか、私とは繋がらないんだ。端末を取り上げられてしまう可能性がある』
《どうしてそういう大事なことを、先に言わないんだ》
『他に言うべきことが、いっぱいあったからな』
いや、どう考えてもいらないくだりあっただろ。
特に、アヤメがマンガにおける触手について熱弁してたあたりとか。
『正直にいうとな。悩んでいるんだ』
いつも自信満々なアヤメに珍しい、沈んだ声。
はじめて聞いたような気がした。
『私は今の世界でいいと思っている。でも、人間の世界に戻さないといけないのもわかっているんだ』
《その言い方だと、お前が望んで隠れているように聞こえるんだが》
『そのとおりだよ、雄仁。この世界を元に戻したいなら、君が私を探し出してくれ』
さらりと爆弾発言をかまして、電話は切れてしまった。
◆◇◆
週で一番憂鬱な曜日、月曜日。
しかし、今の俺はモンスターなので会社に行く必要がなかった。
そもそも、会社が存在しない。
それはさておき、仁葉のために朝食を作ろうか。
冷蔵庫チェック……わぉ、見事に何もないな。
冷凍庫には、冷凍食品がいっぱい入ってるけど。
卵とか牛乳とか、あったらよかったのに。
手に入らないか、先生に聞いてみようかな。
戸棚を探せば、パンがあった。
それを焼いてバターを塗る。
コーンスープの素があったので、それでスープをつくった。
とは言っても、お湯を注ぐだけだけどな!
超簡単な朝ご飯を作って、仁葉を起こす。
寝ぼけ眼をこすりながら、食卓についた。
「パパが作ってくれたの? うれしい……」
いただきますと言って、仁葉は食べ始める。
ご飯が終わったら少し目が覚めたらしい。
着替えて、歯磨きをして。
それからランドセルに、俺をつめた。
《いや、仁葉! 俺をランドセルに入れちゃダメだろ!! 学校に連れていくつもりなの!?》
ジタバタしたけど、ランドセルのふたを締められてしまった。
仕方ないので、触手を伸ばして仁葉の口に含ませる。
《仁葉。学校にパパを連れていっちゃダメでしょ!!》
「どうして? ウララちゃんや他の皆も連れていってるよ?」
えっ、そうなの?
父親同伴でもいいの?
戸惑っている間にも、仁葉は歩く。
触手を出して周りを窺えば、登校中の生徒達がいた。
皆小学生のようで、ランドセルを背負っている。
えっ、ちょっと待って。
あれなんだろう。
黄色い、着ぐるみみたいな奴がいるんだけど。
「はーい皆さん。横断歩道を渡るときは、ちゃんと手を上げるんですよ!」
子供達に声をかけているのは、黄色い着ぐるみ。
声はきゅるっきゅるのキャンディボイスだった。
背中にはランドセルを背負っているのだが、大きさは大人サイズだ。
ランドセルからは触手が出ているのだが、その数が尋常じゃない。
それは、絡まって大きな手を形成していた。
見本を示すように、触手でできた巨大な手を上にあげている。
あの着ぐるみも、きっと機関に所属するモンスターなんだろうな。
触手系……なんだろうか。
そして皆、素直だな。
手をあげて渡ってるけど、そもそも車通ってないぞ?
車を運転できる人間がいないしな。
「ほら見てよパパ。あの子も触手と一緒だよ!」
仁葉が指さす。
その先には、短い髪を2つ結びにした女の子がいた。
横断歩道を渡る彼女のランドセルからは、紫の触手。
彼女と一緒に触手も手を上げて、横断歩道を渡っていた。
教室にいけば、子供達のランドセルの半数からは触手が出ている。
何この異様な光景。
チャイムが鳴る前に、触手達が移動を始めた。
えっ、何みんなどこへ行くの?
《すみません、皆どこへ行こうとしてるんですか?》
《仕事だよ、仕事。あんた新入り? なら、見学していくか?》
隣の席の触手に聞いてみれば、彼らの職場がこの学校内にあるらしい。
俺は彼についていくことにした。
今回登場している謎の黄色い着ぐるみ系触手妖女は、6日目にもらった須方三城様のものを参考にさせていただいてます。それと紫の触手と幼女は、2日目にもらった長野雪様からのものとなります。
お二人ともありがとうございます!




