出会い
幸せな幻
不幸な幻
絡み合う現実はまるで白昼夢
午後のけだるい日差しの中、
木々は風に揺らめき、緑の薫が大気に漂う、
吹きすさぶ春の風に、頬をなでられて
僕はゆったりと、まぶたを閉じる。
そんな刹那にみた、僕の夢の夢。
邂逅の・・・・
今日は、学校全体で写生会の日。
校舎は緑に彩られる、山のふもとに立つレンガ造りの建物で
敷地内には、緑が芽吹く。
学校の敷地には、山から流れる小川が流れ、
魚たちが無邪気に戯れる。
学校の敷地の森の中にある、小川から水をひいて作られた
鯉が泳ぐ池のほとりで、僕はあたり一面の景色を写生していた。
僕は、もともとその景色が好きだったというのもあるがそれよりも
その場所によく訪れる、ある人が目的で、
わざわざこの場所を選んで、写生していた。
もちろん、いまもその人は近くにいる。
もともと、この場所は、僕が昼寝をするために見つけた場所だった。
強すぎる太陽の日差しを、隠しすぎず、さらしすぎず、
ちょうどよくさえぎってくれる木々に、
川のせせらぎがかすかに聞こえる
とても心地よい場所で、
昼寝が何よりも好きな僕が、
この学校に入学した際、
昼寝をするためだけに探し出した、
ぼくだけの場所であるはずだった。
しかし、その場所を見つけて、2日目に
すでにそこは僕だけの場所じゃなくなっていた。
僕は、池のほとりの少し苔が生えている木の根もとでお昼寝をたしなんでいたが
僕が調で眠りにつくその時、彼女は現れた。
彼女は、きんもくせいの香りをまとい、
ゆったりと優雅な身のこなしで、