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フラグ選択

開いていただきありがとうございました!

「がはは、グッドだ。俺様、最強」

「隣国の学園は、うちの学園と違って全員エロエロな美少女揃いって聞くわね」

「隣国だ、隣国の学園へ行くぞ!」

 冒険者コースの転入生だという、ピンク色の髪の奴隷と現れた俺様冒険者を追い出したり、


「問おう、お前が私のマスターか?」

「違うわ」

「……そうか」

 魔術研究コースの教師が西欧系美少女を呼び出したのを辞めさせたり


「……クレア、このクラスは何?」

「え、そのクラスは確かサキュバスとか、雪女とか、天使とか。種族が違う人達が集められて」

「解った、ありがとう」

 学園長権限でクラスごと他の学園に吸収させたり。


 今日もネトアはフラグ回避に走り回る。


『フラグが全然減らない件 悪役令嬢』

『選ばないから減らないんじゃね? 名無し』


 選ばないから、フラグがやってくる、と。

 なら、適当なエロゲフラグを選べば……。


「ネトア、どうしたの?」

「クレア、お願い、一回。一回でいいから、私と一緒に同じ布団で寝ましょう」

「え、無理……門限厳しいし」


 門限の問題だったり。


「ん、どうしたんだ?剣を使う仕事か?」

「ラレア、私と一緒に四時間くらい寝ましょう。同じ布団で」

「構わないが、私は寝相が悪いし剣を抱いたまま寝るから寝苦しいと思うが」

「……やっぱりいいわ」


 頭の問題だったり。


「どうしたの?ネトア」

「……う、ううん。ありといえばあり、無しといえば無し。キープ!」

「キープ!?」


 性別の問題だったり。


 近い所はろくな所が無かった。


『アイデアよろ 悪役令嬢』

『夜中に、眠れないの……とか言って侍女部屋を訪ねればいいんじゃね? カラス』

『がんばれー カミカ』

 それ採用するわ。カラス、なかなかやるじゃん。


 夜中にマリエの部屋をノックする。

「ネトアお嬢様?どうしました?」

「マリエ、眠れないから添い寝をしてくれないかしら?」

「はい、ネトアお嬢様。私のベッドは狭いですけど、どうぞ」


 同じ布団で寝て、少しばかりおさわりでもすれば、そういうゲームに流れるんじゃないだろうか。

 そう思っていた時もありました。マリエの部屋に入った俺はかたまる。


 写真、写真、写真。いたる所に俺の写真が張り付けられていた。

「え、ちょ、ちょっとマリエ……」

「なんですか?ネトアお嬢様」

 中には、俺が露出ポイントを貯めている時の写真もある。

 学園に行く途中、マリエは仕事中なのに……なぜこんな写真が撮れるんだ……。


「す、すごいわね……私の写真がたくさん」

「ふふふ、大好きなお嬢様の写真ですから……」

 とろん、とハートマークをした目で俺を見つめるマリエ。


『もしかして、ずいぶん前にやった魅了がとけてなくね? 悪役令嬢』

『……えっ? カミカ』

 えっ、何それ怖い……。何なの?えって何なの?

『あんなので解けると思ってたの? ゼウス』

『釣りを釣りと思わない人間がごちゃんを使うのは難しい ミスリル』


 釣り!?釣りだったの!?

 水着とか、あんなの用意してたあたりから怪しんでたんだ。

 何なのこいつら……。


「ネトアお嬢様、さあ、こちらへ……」

 ベッドの中に潜り込み、布団の中で寝間着を脱いでベッドの横へと落とすマリエ。

 恥ずかしそうに、顔を赤くしながらこっちをじっと見つめてくる。

 マリエの白い肌と、可愛らしい顔立ち。普段のスタイルを思い浮かべながら、俺は引き込まれるようにベッドへと近づき……。


『タンスは開けるなよ?絶対開けるなよ?絶対だからな! ゼウス』

 タンス……?

 ごちゃん端末からのメッセージが気になり、一歩立ち止まる俺。

 タンスってこれか?ドアの近くにあるタンスへと向かい、開ける俺。


「ちょ、お嬢様!?」


 ……悲鳴をあげなかった俺を褒めてほしい。

 そこには、精密に作られた、俺の等身大ドールがあった。

「マリエ、何これ……」

 俺は引きつった笑顔で、等身大ドールを指さす。

「……そ、それはネトア様の服を決めたり、お世話をする時の練習用人形です」

 お世話だと……?

 その等身大ドールの傍には、ローションらしき瓶と、双頭な震えるアレが置かれていた。

 セットである時点で、普段マリエがこの人形に対してどういうお世話をしているのかが解る。


 スカートを持ち上げてみると、足に『正』の字が書かれてあったり。

 目を凝らしてみると、ドールに刺し跡のような物が無数にあったり。


「や、優しくします。実物には、もっと優しくしますから!」


 そういうマリエに笑顔を浮かべながら、後退して


 バタム……。


 外へ出てドアを後ろ手で閉める。


 怖ええええええ!何なの、あのドール!?


『あ~あ、フラグ立てられたのにねっ カミカ』

『こっそり人形と入れ替わってるって悪戯をするルートを選ぶんじゃないの? ミスリル』

『猟奇エロゲの主人公は、ハーレム物よりもお断りします 悪役令嬢』


読んで頂きありがとうございました!

そろそろ中盤になります。ブクマもじわじわ増えていて、うれしいです!

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