第二話 名探偵からの調査報告
二人目の復讐を終えた俺は、トムの家に引き返した。
「ススム……どうだったんだ?」
家の前まで出迎えてきたトムが尋ねてくる。
「やり遂げたさ。後は、あの屑王とその家臣だけだ」
「そうか……まあ、今日は休め」
トムと一緒に家に入る。エミリアの氷魔法で受けたダメージもそれなりにある。体を休めて、早く次に備えなければならない。そう考えた俺はトムの言葉通り、すぐに寝た。
翌日、俺はトムと完遂に向けた計画を練ることにした。とにかく、城へ突入しないと復讐はできない。だが、城内には騎士がいる。これをどうにかせねばならない。
「策はあるのか?」
トムが尋ねてくる。「ああ、あるさ」と答えたかったところだが、ないんだな。これが。
「いや、ない」
「そうか……じゃあ、またシャロイに頼んでみようか?」
「ああ、あの探偵さんか……でも、探偵とはいえ、王城のなかの調査は無理なんじゃないか?」
「ふふふ、俺の仲間を侮ってもらっては困る。これでも昔は名の知れた冒険者だったこと、お前も知ってるだろ? シャロイは偵察、潜入といったことはピカ一の実力だ。王城への潜入なんてお手の物だぜ」
「じゃあ、頼む」
結局、またもや名探偵に頼むことになった。トムの話によると、名探偵は夜の決まった時間にいつも酒場にいるらしい。
それからはまたもや、トムの家でゴロゴロしていることになった。あまりにも申し訳ないので、武器屋の手伝いをすることも考えて、トムにそれを提案してみたが、トムのほうから断られた。俺の身に危険が及ぶ可能性があるから、と。
一週間ほど経ち、トム経由で名探偵からの調査報告が届いた。紙に書かれた報告書を読む。
「調査報告 ススム・オーノ殿
・国王はここ最近、城からまったく外出しておりません。おそらく襲撃を警戒しているものと思われます。
・トーマス・クラークスは週一回、金曜日に必ず城へ出向き、国王となにやら話し合っているようです。
・警備兵が通常より、増やされているようです。オーノ殿の襲撃を予想しているものと思われます。
我が友、トムから事情は聞きました。復讐の完遂を願っております。
敬具 シャロイ・オームズ」
なるほど、なるほど。あの国王め……
いままで、物理的な復讐に夢中で何も考えていなかったが、社会的な復讐もしないといけないな。そう、俺は考えた。
このまま復讐を完遂しても、俺は逆ギレで仲間を殺した挙句、善政を敷いている国王まで殺した大悪人とされかねない。事実がそうでない以上、そんなふうに言われるのは耐えられない。だが、どうすればいいんだろう?
新聞社に意見広告でも出す? 城下町で直々に演説する? どちらも効果はなさそうだし、到底やる気にはならない。
ああ、そうか。王を半殺しにして、「命が惜しくば、国民の前で自分の罪を懺悔しろ!」とでも言えばいいのか? だが、それをするにしても、城にいる警備の騎士や兵士を倒さないと、あいつがいるだろう寝室にも行けないだろう。さて……
「トム。俺は時期を見て、王城に突入しようと思う。だが、俺一人では、城にいる警備兵や騎士を倒しきれるとは思えない。協力してくれそうな仲間を集めてくれないか? 頼む!」
考えた結果、結論はこうなった。仲間を集めて、城を制圧。王を引きずり出すという計画だ。
「なるほどな。じゃあ、俺の仲間全員に声を掛けておこう。必ず、協力してくれると思う」
「そうか、ありがとう」
トムに感謝の言葉を伝える、本当にありがたい、ここまでやってくれるとは。




