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第九話 待機
俺は、トムの家に戻るとその日はすぐ寝た。
翌日、俺はなにもしなかった。うかつに動き回ると王一味に見つかってしまうかもしれない。名探偵がエミリアの住所を突き止めてくれるまでは、トムのご厚意に甘んじて居候しようという考えだ。
トムは毎日、武器屋へ出勤というか行ってしまうので、俺は暇人だった。唯一の暇つぶし……それは、新聞を読むことだった。
今日の一面は……
「救国の英雄 アラン氏の殺害犯 いまだ見つからず」
「国王陛下 減税をお約束」
……アラン氏、ねえ。氏をつける必要はないと思うが……俺が生きてるとは誰も思ってないらしい、やはり。
他のニュースは……
「国王陛下 今も変わらぬ お人柄」
また、礼賛してやがる、なんなんだ、いったい。無性に腹が立ってくる、
他のニュースをさっと読むと、俺はまた寝た。
こんな生活を一週間続けた。だが……ようやく、名探偵がエミリアの住所を突き止めた。




