第六話 トム
十数分歩いて、トムの家のある通りに着く。大通りの喧騒から少し離れた住宅街に位置しているのでなかなかいいところだ。
トムの家は……あそこだ。二階建ての木造の家だ。屋根は赤く、壁は白塗り、木の窓が取り付けられている。簡単にいえば、典型的なヨーロッパの家ということだ。
敷地に入り、ドアをノックする。
「はい?どちら様で?」
ドアが開く、トムだ! 今、気が付いたのだが俺は変装していた。魔法を解かねば。
「魔法解除!」
そういうと、変装魔法が解けた。トムが驚きの表情を浮かべている。
「ス、ススムじゃないか! と、とりあえず中に入れ! 誰かに見られたらヤバイことになるぞ!」
トムのそういわれ、中に入る。客間に案内され、ソファーに一緒に座る。
「ススム、よかった……死んだと思ってたよ、しかも、仲間を裏切った極悪人なんて新聞に書かれているし……そんなわけないってずっと思ってたんだ、そうだよな?」
俺との再会を喜びながら尋ねてくるトム。当然だよ、俺ははめられたほうなんだ!
今までの経緯をトムに話す。魔王を倒した後に仲間だと思ってたやつらに裏切られたこと、その後、神のいたずらかお守りのおかげで蘇ったこと、アランを始末したこと……
「そうだったのか……あいつらが、そんな……俺も見抜けなかった、すまん!」
トムが謝ってくる。トムは、あいつらとも仲良くしていた。特にアランとは気が合ったらしくよく語り合っていた。ショックだったのだろう。だが、トムのせいではない。俺の目が節穴だっただけだ。
「いやいや、謝る必要はないよ。俺のせいなんだ……俺が、見抜けなかったせいでこんな目にあったんだよ……自業自得さ」
トムも返す言葉がなかったのかしばらく沈黙が続いた。だが、しばらくするとトムが切り出した。
「復讐をしているんだろ?俺にも協力させてくれ!」
「いいのか? 迷惑がかかるし、命だって……」
「お前がこんな目にあったのも俺に責任がある! しばらく、ここにいていい。剣とかも用意してやる!」
「ありがとう、ありがとう……」
嬉しさが込み上げてきた。やっぱり、あいつらとは違った、トムは。




