第十二話 復讐の始まり
俺は、杖を懐から出し、変装魔法を解除した。ボンッという音と煙とともに、姿が戻る。
「え? オルノーさんが……勇者様?」
ジャンヌは、とても驚いた表情をしている。
「ああ、さっきより若くなっただろう? ホントは、仲間を裏切ったりなんかしてないんだ。逆に仲間だと思ってた奴らに、魔王を倒したら用済みと裏切られたんだ……簡単には信じられない話だろうけど、俺のこと信用してくれる?」
「は、はい! もちろんです、あの勇者様、いや、オーノさんがそんなことするわけないって……」
「いまは、信じてくれるだけでいいんだ。それと、これから俺のことは、ススムでいいよ」
さりげなく、距離を縮めようとする俺。
「そんな……勇者様を呼び捨てだなんて……」
「いいよ、年も近いんだし。じゃあ、俺はやらないといけないことがあるから、もうそろそろ行くよ」
俺は、扉に向かって歩き出す。
「あの、ススムさん!」
ジャンヌに呼び止められる。
「これ……こんなことしかできませんけど……ススムさんのこと応援してます!」
彼女の手には、最高級の薬草を使用した回復薬の瓶が握られていた。
「いいの?」
「ススムさんは恩人です! 誰が何と言おうとススムさんのこと、信じてます!」
「そんな……ありがとう」
俺は、恥ずかしそうに礼を言い、扉を開けて、階段を駆け降り、店内を縦断して、急いで、変装魔法をかけた後、外に出た。
俺が勇者だってこと暴露したけど……信頼してくれてるみたいだ。本当によかった。あの薄汚い、卑劣な裏切り者どもとは違う。しかも、かわいいし……結局、呼び捨てにはしてもらってないけどな。
こんなことを考えながら、一度宿に戻ろうと俺は、宿屋街のほうへ向かいはじめた。すると、前方から供を何人もつれた男がこちらに向かってきた。声も聞こえてくる。
「おいおいなんだよ、この程度か……まあ、別荘を建てるところぐらいならちょうどいい街だな」
その声は……忘れもしない、卑怯な裏切り者……アラン・フェローの声だった。
あまりに話の展開が遅すぎると思い、二話連続投稿しました。




