とある少年の独白
新作です。よろしくお願いいたします。
……それは、何年前の事だっただろうか。
小さい頃から、僕は病気など殆どかからなかったのだが、なぜか一度だけ倒れるほどの病にかかった事がある。
三日ほど起きる事が出来ないほどの高熱が続き、その後も一週間近くベッドを離れられない状態だった。
病気というものは、辛い時はあっという間に過ぎてしまうものだが、治りかけの時が一番退屈なものだ。しかし、三日の高熱に蝕まれた身体は自由に遊び回るほど回復していたわけでもなく、そんな状態で外に出る事を医者が許してくれるわけもない。
そんな感じで何日かベッドの上で腐っていると、それを見かねた父親が一冊の本を僕に手渡した。
その中身は、ただの写真集だった。
多分、父親としては外を遊び回る事が一番の楽しみだった僕に、退屈しのぎとして渡しただけなのだろう。
でも、僕はその本に本気ではまった。
その本に収められていた写真の数々に、僕は一瞬で魅了された。
取られた風景に、撮られたモンスターに、そしてその魔獣達に立ち向かう勇ましい狩人達の姿に。
それに、僕は一つの決意を固めた。
例え誰に反対されたとしても、例え誰が僕を笑うとしても、それを必ず叶えるのだ、と。
そして、僕は……。
今回は二話連続投稿いたします。