変な子?いいえ不思議っ子です
side康也
あの後、どうにか七海の目を覚まさせ黒いオーラがなくなった所で里奈とは別れ里奈の隣にあるドアの前に来た。毎度、お馴染みの音が鳴り1秒も経たないうちにドアが開いた。中から現れたのは黒に近い紫の髪で灰色の瞳をした七海より少しだけ大きな女の子が現れた。女の子は何故か俺をジーッと見る
「な…なにかな?」
流石に見られ続けられるのはキツい
「……あなた…不思議な色がある」
…っは?ま…また厨二…なのか
「暖かくて綺麗な色…私この色…好き」
色…ねぇ。まぁ嫌いって言われるよりはマシなのだろ
「珍しいね。美香がそんな事いうなんて」
七海は心底珍しいと美香を見る
「それって……」
気になって七海に訪ねるとこちらに振り向き口を開く
「ん…あのね。美香は何時も初対面の人に色を言うの、私の場合は黄色で里奈の場合は白と黒、綾香の場合は青色って感じでね。」
「っで…なんで珍しいんだ?」
色をつけるのは解ったのだが…何が珍しいのだろう
「康也の場合は何色か解らないって言ってたじゃない。美香が色を的確に言わなかったのが珍しいのよ」
なるほど…それは珍しい…のか?
「強いて言うなら…透明…でもそれも違う気がする」
「ま…まぁ、珍しいってのは解ったのだが…そろそろ名前を教えてくれないか?」
何か考え出した女の子だが、それよりも先に名前を教えてくれ…
「ん…解った。私の名前は橘…橘 美香。美香って読んで」
女の子…美香は頷くと身長の差で俺を見上げて上目使いで自己紹介をした。…良いな、上目使いって…
「俺の名前は笹木 康也。好きに呼んでくれ」
「ん…なら、康也って呼ぶ」
「じゃあ…そろそろ…ん?」
去ろうとすると美香は俺の片手を両手で握りしめ上目使いで見つめてくる
「な…なんだ?」
やはり見つめられるのは馴れてないため声をかける
「…上がって」
短く言う美香に俺はチンプンカンプンでいると美香は部屋の中を指差す。つまり…部屋の中にはいれってことか?
「七海も」
美香は俺の隣にいる七海を見て言うと七海は「お邪魔しまーす」と言って中に入っていった。はぁ…入らないといけないパターン何だろうな。七海も中に入ったため俺も玄関で靴を脱ぎ中に入る。部屋の配置なんかは俺の所と変わりはなく黒い机やタンスなど必要なモノ以外はない部屋だった
「お茶?オレンジ?牛乳?水?」
美香は七海と俺を交互に見て首を傾げて訪ねてきた
「あ…私は、ん~…オレンジで」
「俺もオレンジで」
「氷は?」
「「なしで」」
まだ春のため少し肌寒いためか俺と七海は同時に答えた。すると美香は頷きお盆に綺麗なコップを3つ取り出し3つそれぞれにオレンジジュースを入れると俺と七海の前に1つづつ置き自分の前に置くとその場に座った。すると、またこちらをジーッと見つめてきた。流石に少し馴れたのかそんなに気にならない
「……康也の色は綺麗……でも何色かは解らない」
美香は?マークを浮かべる。そんな姿をジッと見ていたら美香は首を傾げてこちらを見る
「なに?」
「ん…いや、そんなに綺麗な色なのかと……思ってな」
この目の前にいる少女が悩むほどに自分の色は綺麗なのかと思っていた事を美香に言う。するとコクンと頷いた
「……綺麗。少なくとも…今まで会ってきた中で1番、綺麗…」
よく解らないが自分の色が綺麗と言われて嫌な感じは無く逆に少し嬉しい
「そうか」
「そう」
それからは再び無言に入った。でも何故か美香との空間での無言は気まずくなく逆に心地よかった。七海もそう思ってるのか少し笑みを浮かべてオレンジジュースを飲んでいた