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第六話 『犯人はパン』

ジリリと耳障りな音で目を覚ます。

俺は半覚醒のまま、むくりと起き上がる。

とても快眠とは言えない。

もちろん、この目覚ましは早稀が来る1分前にセットさせられて

以後、時間設定が出来ないように壊されている。どうしてこう荒々しいんだ

俺はやかましい時計の止めて、窓のカーテンを開けて、空を見つめる。

明るい。眩しい。青すぎる。白はどこ行ったんだ。

と思うくらいに快晴だった。

すぅーっと息を吸い、思いっきり吐く。

そして一言宣言する。


「こんな日は二度寝だ!」


俺はバサッと布団に包まり、二度寝準備に入ろうとした時

勢いよくドアが開き…


「させるかぁあああ!!!」


早稀が部屋に入るなり俺にとび蹴りしてくる。

俺はベッドから転がり落ち、腹を抱えて痛みに耐えていると、

目の前に制服で仁王立ちする早稀。

だからどうしてこう荒々しいんだ……!


「そもそも天気がいいから二度寝っておかしいでしょう!?」


「いいじゃないか!時間はまだあるだろ!

そもそもなんで俺までこんな早い時間に起きないといかんのだ!」


俺がバッと顔を上げ、ちょっと早稀に反抗。

屈んで下から覗いている為、少し中が見えそうになるが、惜しくも見えなかったり


「いいのよ!早起きは健康にいいんだから!」


「俺はすでに健康なんだよ!馬鹿は風邪引かないって言うだろ!って誰が馬鹿だ!」


「夜人が勝手に言った!いいから、さっさと着替えて!」


顔真っ赤にしてそう叫ぶ早稀

朝から騒がしい二人。近所迷惑かもしれないが、大丈夫。隣の人、居ない。

俺はスッと手を出し、こういう。


「その注文はノーだ」


「………」


「き、着替えます」


無言の怒りより、怖いものは無い。

そうして、コントから一日が始まった

……



「夜人君、夜人君!」


ユサユサと愛奈に揺さぶられ、俺は目を覚ます。


「うあ?」


時計を見ると1時前。

…すでに昼休みに入っていたようだ。

まさか、1限から昼休みまでぶっ通しで寝るとは…

俺は愛奈に『わりぃな』と言うと愛奈はいつもの笑顔で答えてくれた。

後ろの紅雨『うぉっ、起きた』と驚いていたが、

正直寝起きでこいつと喋りたくない。

こういう時はさっさと食料調達だ。

俺がガタッと席を立つ。


「時に夜人君」


席を立った瞬間、2番目に話しかけられたくない紗恵がいつの間にか隣に立っていた。

こいつも鍵山と一緒だ…どっから出て来るか…

鍵山はいつの間にか後ろに立っていたりするし。なんだ?特別な訓練でもしてるのか?


「なんだ変人」


「自覚はあるが、いざ言われると腹が立つな」


「知るかこの野郎。俺は急いでいるんだ。早く飯を…」


そこまで言ったところでそれを遮るかのようにこう言ってきた


「今日の購買は残念ながら休みだ」


と、告げられ、頭の中でガーンと鳴り響く。

俺はあまりのショックにフラフラと自分の机に手をつく。

そうだ…今日は何故か休みって朝言ってたな……じゃあ俺の飯は

絶望に打ちひしがれていると、つんつんと背中を突かれる。

すると紗恵が目の前に見た事のないパンを突きだされる。


「何コレ?」


俺がそう聞くと得意げにふふんと鼻で笑うと

紗恵が馬鹿デカイ胸を張って


「明日から購買部で販売される新商品、ライスパンだが?」


と、言われた。

どうして明日発売の奴がこいつの手元にあるんだ?不可能じゃないのか。

あれか、ゲームとかでもよくあるフラゲか。

そして俺の心は怪盗ライスパン3世に盗まれていた。

銭○警部がなんか言ってる。


「欲しければやるが…」


なんと紗恵がそんな事を言ってきた。


「マジで!?珍しく気が利くな!」


「ただし…」


と、ニヤリと口を歪ませた。

俺は悪い予感がしたが、今は待てをされた犬状態。

生唾をごくりと飲み込む。


「ホイ。お手」


と、言うと、右手を差し出してくる。

電流走る。つまりは…犬になれと…!


「ワン!」


一瞬で四つん這いになると右手をポンと紗恵の手に置く。

一部始終目撃していた紅雨と愛奈は完全に驚いていた


「お前にはプライドはねぇのか…?」


なんて紅雨が言ったが、知ったこっちゃない。

今やゲテモノ食欲メーターMAXの俺がプライドなんて気にしてられるか。

今なら犬の気持ちが少し分かるかもしれない。


「おかわり」


「ワン!」


紗恵が左手を出し、ポンとそこに手を置く。

視線が刺さっているようだ。

見るがいいさ!情けないこの俺の姿を目に焼き付けるといい!


「ちんちん」


「………」


空気が固まる。

紅雨に至っては何故か悶えていた。

愛奈は耳まで真っ赤にして顔を隠す。

紗恵はふんと鼻を鳴らして


「出来ない犬だな。じゃあこのパンは…」


「いやいやいやいやいやいやいや!俺にどうしろと!!?」


全力でツッコむ

紗恵が不思議そうに俺を見る。


「ちなみにちんちんは鎮座の事だが…何を想像したんだ?」


『………』


俺たちは完全に遊ばれていた

もうほんとやだ。コイツ


「まあ、いい。君の為に取ってきたからな」


と、ライスパンを手渡してくる


「いいのか?」


俺がそう聞くとこくりと頷く。

なんだかんだ言ってこいつはほとんど悪意の塊だが、

鍵山のように投げっぱなしにはしないのだ。


「生憎、君みたいな気持ち悪い舌はしてなくてな」


と吐き捨てて去って行った。

……軽く貶しているようにも聞こえたんだが…良心だよな

さて、パン一つ食うのに移動も面倒くさい。

まあ、ここでいいかな?

俺は自分の席に腰をかけ、パンの封を切る


「や~夜人君や♪」


今度はやかましい方の奴が来る。

どうやらいつも通り授業サボってやがった。

なんで出席足りてるんだろう。

何故か早稀も弁当を持ってやってくる。

恐らく絡まれたくないから逃げていたのだろう

何て野郎だ……


「わ、また変なのだ」


と、俺の手にしているパンのパッケージを見つめて文がそう言う。


「別に変じゃないだろ、米粉パンとかあるだろ?」


と言って、かぶりつく

……まさしく、ライスパン。

コッペパンの中にこれでもか。と言うくらい詰められ

何の味付けもされていない米が入っている。

うん、別に悪くは無いな。むしろ食が進むぜ

良い仕事するよな。食堂のおばちゃん達。

実は、うちの購買のパンのメニューは食堂の人たちが作っている。

だから、訳のわからないパンが出てきて、しかも売れない事もないから

数年続いて、もはや我が学園の伝統と成りつつある。

恐るべし残飯パワー


『…パンも変だけど夜人(君)も変だ』


と、声を揃えてそこに居る全員が言ってくる。

少し言い方ってもあるだろ。と言いたいが、実際間違ってもないので何とも言えない

そう受け入れる自分がとても空しい。


「でも早稀ちゃんのお弁当もやっぱり面白いよね~」


と、文が調子に乗って言う。

そこにはやはり天才、早稀様の芸術満載の2つの角がある卵焼きに

恐らくたこさんウィンナーのイソギンチャクウィンナー。

……グロい…

俺のパンの中も米が嘔吐物になって地に戻ってきたかのような絵だが

このグロさは違うグロさだ


「な、なに?なんか文句ある?」


そう、ぎろりと早稀に睨まれる。

いかん、俺はすぐ顔に出るのだった。

俺は『なんでもないですよ?』と妙に敬語になったが、なんとか戦闘を回避する。


「でも、美味いんだろ?相田の飯」


そう、早稀の弁当を覗きながら問いかけて来る


「ああ、見てくれは死ぬほど最悪なくせに何故か“食える”ようになったんだ」


俺は食えるを強調するとそれ以上何も言わなかった。

早稀がもはやお得意の呪い殺すような視線で俺を見て来る。

褒めたつもりでもあるんだがな。料理が上手くなったんじゃないか?的な意味で


「それはないと思うよ…」


まさか、愛奈に顔を読まれるは思わなかったが、俺は何も考えなかった。

紅雨が『じゃあちょっと貰っていいか?』というと早稀がそれを承諾した。

『んじゃ、いただきま~す』と言って紅雨がカタツムリ卵焼きの半分を口に頬り込む

しばらく、噛んだ後、紅雨の顔色が変わった所でガクリを机に手を着く。


「ど、どう?」


早稀が恐る恐るそう聞くと

紅雨が誰か分からないくらいの真顔で


「ノーコメント」


「えー!?」


紅雨はそう答えると、その真顔のまま席に座った瞬間、

恐らくこれまでに無いくらいの悲しい表情をしていた。

フェニミストの紅雨でも……相当来たのか……


「早稀ちゃん、見た目通り味もアレだからねぇ……」


愛奈が小声で耳打ちしてくる。

俺も身体を愛奈の方に少し傾け小声で


「まあ、俺も最初の頃までは不味かったんだけどな。なんか普通に食えるようになったんだよな」


俺がそう言うと


「それは夜人君の舌がおかしくなっちゃったんじゃないですかネ?」


と、笑いを必死に抑えながら文が言う

確かに、食えるようになってから、コンビニの弁当も至福に感じるようになったし

こういうパンに手をだしたのも早稀の飯が食えるようになってからだな……

だから早稀のせい。というより、なんか食に愛を持てるようになったから

ある意味では感謝していたり。

…これを本人に言うと怒りだすので言わないで置いている


「そこ!」


『はい!!』


ヒソヒソと話していた俺達3人は怪しまれていたのかビシッ!と指を指され

3人共、ビシッと気をつけをする。


「何か失礼な事言ってなかった?」


と、早稀がそう聞くと、背筋をピンと伸ばし


『いえ!そんな事ないです!』


「ならよし」


水筒のお茶をズズッと吸い、パクパクと食べ始める。

紅雨はあまりのショックに自分の弁当に手をつけれていない。

……俺も飯食おう。

………

……

ちわー三河屋でーす。

…どうも、四条 樹です。


さて、今回は何の話でしたっけね?

というくらい内容が薄いです!!

当時は何を思って書いたんでしょうね。ひどいですね

この作品で一番誤字が多かった回ですかね?

当時は何を思って書いたんでしょうね。ひどいですね

と言う訳で、内容が薄い回の後書きなんて薄いもんですよ

当時は何を思って書いたんでしょうね。ひどいですね

…って後書きは今書いてるんですけどね

と言う訳で、また次回!

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