レオナルドの頼み
「俺達に出来ることがあれば協力する。
可愛い弟分の頼みとあらば、喜んで駆けつけてやるよ」
ウィストルがニカッと笑ってそう言うと、仲間達も次々とレオナルドに声を掛けた。
「おうよ!いつでも助けになるぜ」
「バラデュールなめんじゃねぇぞ」
「スカレントの奴らなんぞ、いつでもボコボコにする準備は出来てるぜ!」
その心強い言葉に、レオナルドは素直に感謝の気持ちを伝えた。
「感謝するぜ、おっさん達」
私達はウィストル酒場を後にして、王宮へと戻った。
その道中、馬車の中でレオナルドが神妙な顔つきになって言った。
「ノエル、ロゼール…一生の頼みがある。
きっと俺様じゃ、まともに受け入れてもらえないだろう。
だが、信用のあるお前達なら…可能かもしれない。
もう十分面倒なことに巻き込んじまってるのは分かっている。
でも…頼む!どうか俺様に、バラデュール王国に、力を貸してくれ」
「……!?…えっ…と……」
急に頭を下げて真剣に頼み込んできたレオナルドに、私は何と返したら良いのか分からず、慌てることしか出来なかった。
そんな私とは正反対に、落ち着いた表情のままノエルが静かに答えた。
「内容を聞くまでは、簡単に答えを出すわけにはいかない。
だが、出来ることならば力になってやる。
だから詳しく話せ。お前の頼みは何だ?」
その問いかけを聞いて、レオナルドはニヤッと笑いながら言った。
「すぐにリヴィエ王国に戻ってほしい。
お前達に頼みたいことは……」
それからレオナルドは先程の手紙の件と、これからの作戦の内容について詳しく私達に共有した。
全てを聞き終えると、ノエルが力強く言った。
「分かった、協力しよう。
リヴィエ王国側にもメリットがあることならば、こちらも動きやすい。
ロゼール、明日の朝すぐ出発するから準備を整えておいてくれ。
カリーヌはこいつの側に居てやってほしい」
「分かりました」
「わかり…まし…たっ」
ノエルの快諾の言葉と、私とカリーヌが頷く様子を見たレオナルドがホッとした表情で言った。
「ありがとな…お前達が仲間で良かったぜ」
その言葉を聞いたノエルが、レオナルドを茶化しつつも厳しい口調で言った。
「柄にもなく素直だな。
だが、まだ何も解決していない。
しっかりと気を引き締めておけよ」
「…っ!お前に言われなくても分かってんだよ。
ったく…せっかく人が素直に感謝してやってんのに、ムカつく野郎だぜ。
お前こそしっかり仕事してこいよな!
お前の交渉力に、この国の全てがかかってんだ」
「ああ、分かってる。
こっちは僕に任せておけ」
次の日の早朝、私とノエルはバラデュール王国を出てリヴィエ王国へと向かった。
その翌日、レティロは再びプロストンに命令され街へと使いに出た。
街の商人の元で一通の手紙を受け取ると、ウィストル酒場で待つレオナルドの元へと向かった。
「レオナルド殿下、こちらを受け取りました」
レオナルドはすぐに手紙を開封し内容を確認すると、再びキリに指示を出しながら偽造文書を作らせた。
レオナルドは完成した偽造文書をレティロに手渡し、プロストンの元へと向かわせた。
手紙を読んだプロストンは、秘密裏にエリザを呼び出しこう告げた。
「明日、街にあるこの場所に一人で行け。
詳細な場所はこの地図を見ればわかるだろう。
お前を数年前に養子にしたと、身分を保証してくれる権力者が迎えにくる約束になっている」
「分かりましたわ。
そのような方、よく見つけましたわね。
身分さえ保証されれば、私はブレーズ殿下と婚約出来るのよね!?」
「……ああ。
しかし、王妃になれるなどとは思わない方が良いぞ。
基礎的な教養も足りていないお前が、王妃教育をこなすなど不可能だ。
せいぜい、愛人くらいに留めておくのが身の為だな」
「大丈夫よ!きっと、いざとなれば何とでもなるわ。
もしも王妃になることが出来たら、この国の貧しい者たちを大勢救うことが出来るのよ…!」
「まあそう急くな。
お前は金さえ手に入れられれば、王妃の座などどうでも良いのだろう?
王妃など目指さなくとも、確実に金が手に入るもっと良い方法があるのだ…私に任せておけば良い」
「ええ、私はお金が欲しいの!もっと、もっとね!」
「ハッハッハ、素直な女だ。
それでは明日、くれぐれも失礼のないようにな…上手くやるのだぞ?」
「ええ、任せてちょうだい」
翌日、エリザがスカレントの賊に攫われたとの情報が王宮内に知れ渡った。
読んでくださりありがとうございます。
続きが気になる、面白そうと思っていただけた方はブックマーク、いいねをよろしくお願いします。
広告の下の評価も「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にして応援いただけると嬉しいです。




