表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/90

違和感

リディアーヌと別れた後、急いで教室へと向かうとシャルロットが私を待っていた。



「もぉ〜どこに行ってたの!?

急にいなくなって心配したんだからねっ!」



(さっきの話…は、シャルロットの話もちゃんと聞いてから言った方が良いよね?)



私はリディアーヌに会って話を聞いたことを話すべきかどうか迷ったが、シャルロットの話も聞いてからにしようとひとまずは伏せておくことにした。



「すみません…途中でシャルロット様達を見失ってしまい、道が分からなくて迷子になってしまいました。

でも、親切な人が案内してくれたおかげでここまで戻ってくることが出来ましたの」



「そうなんだぁ〜良かった。

ところで、今日はどうしてエクトル様と一緒に登校してきたのか不思議に思ってたんだけど…記憶喪失だったならしょうがないよねっ!

もう一度教えてあげる…目立って登校するのはやめなよねっ?

ロゼールもみんなに見られて嫌だって言ってたんだし、明日からはまた別々に登校した方がいいんじゃないかなぁ?……ねっ?」



シャルロットはそう言って可愛らしく微笑んでみせたが、話す言葉には脅迫に近いような圧を感じ、私はそのギャップに戸惑いながら問いかけてみた。



「……ええと…行き先も同じことですし、これからはお兄様と一緒に登校するつもりなのですが…何か問題でもあるのでしょうか?」



「だからぁ〜前からそうしてたんだし、明日からはまたエクトル様とは別々に登校してきなよって言ってるのぉ。

じゃないとまた、他の女の子たちから嫌がらせされちゃうよ?」



(ロゼールはシャルロットに言われて、エクトルとは別々に登校するようになったってこと?

それに、嫌がらせって…目立ちたくない本当の理由は、恥ずかしいからじゃなくそれが原因だったの!?)



私がシャルロットの発言を聞いてあれこれと考えていると、いつから居たのかエクトルが少し悲しそうな顔をしながら入ってきて言った。



「ご忠告ありがとう、ダランベール嬢。

まさかロゼにそんな辛い思いをさせていたとは…兄として失格だな。

別々に登校するつもりはないが、これからはより最善を尽くしてロゼを守ると誓おう」



「………っ!?エクトル様…いらしていたのですね」



いきなりのエクトルの登場に驚いたシャルロットは、気まずそうな顔でそう言うと黙り込んでしまった。



「二人とも生徒会室に来るのは初めてだろう。

道案内をするために迎えに来た。

支度が出来たら、俺について来てくれ」



私達はすぐに帰り支度を整えると、エクトルに案内されながらレアンドル達が待つ生徒会室へと向かった。


初めて立ち入る生徒会専用フロアに、シャルロットは少し興奮気味にキョロキョロと周りを見渡していた。



(それにしても、さっきのシャルロットは何だったんだろう…)



先程のシャルロットの言動に対しての違和感にモヤモヤしていると、前を歩いていたエクトルが一段と大きく重厚な扉の前で足を止めた。



「ここが生徒会室だ。入ってくれ」



そう言いながら大きな扉を開けたエクトルに続き中へと入ると、そこにはとんでもない異空間が広がっていた。


思わず見上げてしまうほど高く煌びやかな天井に、十分広さのあった教室とは比べ物にならないくらいの大空間。


そこに置かれている家具や装飾品は、どれも見るからに高そうな豪華なものばかりだった。



(うわぁ……無駄に広っ!

こんな空間、元庶民の身としてはソワソワして落ち着かないよ。

きっと壊したりしたら、物凄く高い物ばかりなんだろうなぁ…極力何も触らないようにしよう)



私達が入ってきたのを見るなり、装飾の施された大きな机の向こう側に座っていた人物が、爽やかな笑顔を浮かべながら言った。



「やぁよく来たね、お嬢様方。ようこそ生徒会室へ。

僕はこの学園の生徒会長、レアンドル・リヴィエだよ」



読んでくださりありがとうございます。


続きが気になる、面白そうだと思っていただけたら

ブックマーク、いいねをよろしくお願いします(^^)


評価、感想もいただけると嬉しいです…!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ