5話
彩月は龍王の肉を食べ終わったあと寝ようと思ったが、龍王と戦っている時に体を再構築すると言っていたことが気になり水辺に来て自分の体をみた。
「こ、これが私?」
水辺で覗いた彩月の姿は以前と異なっていた。身長は150cmから165cm以上伸びていて髪は腰の辺りまで伸び
髪の色が根元は白色で毛先になるにつれピンク色になり綺麗な色だった。瞳の色は白から蒼色になった。
彩月は魔力を確認しようと全身に魔力を込めると彩月の周りに黒いのオーラが浮き出て瞳の色が金色になった。
「ははっステータスで体に変化がでるとは。それよりこれで吸血鬼に間違われないかな?外に出ても」
さすがに吸血鬼でもこんな派手な色はないだろうと思い彩月は安堵していた。
「さすがに今日は疲れました。さしぶりの格上の相手でしたからね。寝ましょうか」
また一日と時が過ぎていった。この世界に召喚されこのダンジョンに飛ばされてから2ヶ月が過ぎようとしていた。
一方ビザンツ帝国では動きがあった。
一人の男が玉座に座って話をしていた。ビザンツ帝国皇帝のルーカス・フォン・ビザンツだ。そしてもう一方は召喚された勇者の中でも特に強いメンバーだ。
「勇者諸君毎日厳しい訓練よく励んでくれた」
「はい、ありがとうございます。今日はなんの御用件でしょうか」
最初に答えたのは委員長の伊藤だ。ここに集まっている勇者は何も知らされず呼ばれたので困惑していた。
「それを、今から話そう。今この世界はいつ魔王が復活し攻撃をしてくるか分からない状況下にある。それは分かっているかな?」
「はい、もちろんです。」
「うむ、それで諸君らにはダンジョンに行ってさらなるレベルアップを測ってもらいたい。」
「ダンジョンですか」
次に話したのは女子の委員長の佳奈森だ。
「そうだ、この世界にはダンジョン、迷宮と呼ばれる物がたまに生まれる、そこではここ以上にいい訓練場になるだろうだから諸君らにはお願いしたい」
「分かりました。皇帝陛下」
そうして勇者らのダンジョン攻略が始まろうとしていた。因みにメンバーは称号を持った勇者 高橋優 剣聖 伊藤謙太 聖女 池田春菜 賢者 篠崎楓 と5人の計9人のメンバーだ。それ以外は城や城の近くの森で訓練をしている。
「ダンジョンか〜楽しみだぜ!」
「優調子に乗るなよ」
「わーってるよ」
「もぅ!優ったら」
「なんだよ楓」
「なんでもない!」
「はいはい。3人とも話は終わりにして」
「はい、先生」
「明日からダンジョンに行く予定です。それでダンジョンとは常に死と隣り合わせです。ここは日本とは違う油断すれば直ぐにしぬでしょう、しっかり体調は万全にしてください」
「「はーい」」
「はぁー先生きんちょうしすぎてしょ」
「本当にそうよね。」
「大人はそんなもんだろう」
「俺ら他の奴らと違って称号持ちだし負けるわけないじゃん」
「本当にそうだよね〜」
「本当ですね」
「よっし!ちゃちゃっとダンジョン攻略して金を儲けようぜ!」
「いいね〜」
「そうですね。私たちの力を見せつけましょう」
一人の女性は自分の部屋のベットで悩んでいた。
「はぁー生徒たちは日に日に力を持ったことにより自分しか見れないようになってます。このままでは自分勝手に行動し始めるでしょう。どうしましょう」
いくら強くても所詮は高校生という子供だ、日本とは比べ物にならないくらい強者弱者というのが明確に分かれる。
いきなり大きな力を得たら自分が1番だと思い込むのは当たり前だろう。
「私はどうすればいいんでしょうか」
池田先生は日本にいた頃より元気さが無くなっていた。
それは当たり前なのかもしれない、いきなり召喚され一人の生徒が居なくなった。そしてそれからというもの毎晩一人の生徒が魔物に殺され私は見ていることしか出来ないそういう夢を見るからだ。
「ふぅー落ち着きましょう。明日からはダンジョンです、気を引き締められば」
先生は夜になったら食事を食べ体を洗い部屋にもどり、
寝るそして先生の一日は終わった。
「はぁあああねむーい」
強くなり余裕が出たのか最近はぐっすり寝れるようになったのか伸びをしながら彩月は起きた。
「多分この先に魔王は封印されているのでしょう。」
そう言いながら彩月は前を向いた。前にはドス黒い魔力が流れている扉がある。
「ふぅここが最後でしょうか行きましょう」
彩月はここを出るために最後の扉を開けた。
" ガコン”
入るといつもどうり扉が勝手にしまった。
まず入ると視界に入ったのはいくつもの金色の鎖に貫かれたり巻き付かれている角が生えた女性だった。
「これが魔王ルシフェル」
彩月は困惑したまさかこんな形で封印されているとは思わかなったからだ、ダンジョンのボスみたいに自由に動けると思っていた。
「魔王には悪いけど倒させてもらう」
「クククまさかここにたどり着く者がおるとはな」
近づくと魔王の目が開いてこちらを見ていた。
「やあ魔王さん」
「勇敢な人間よ。良くぞここまで来た」
「ありがとう。私貴方を殺して力を貰いたいんだけど」
「クククッ貴様はおもろいな正直にいうとは。まぁ私は嫌いじゃないぞ」
「ありがとう。でくれる?」
「我を倒したらやらん事でもないと言いたいところだが正直いってまだまだ我はここから動けんだから汝にやろう。」
「え?いいの!ありがとう」
「あーいいと思う。だが、1つ約束してくれぬか?」
「なんだい魔王さん」
「我の話を聞いてくれるぬか?」
「いいよ暇だし」
そこから魔王の昔話は始まった。
ある日この世界に神が降り立った神はこの世界に人間という生命を創った。人間は知恵を振り絞りこの世界を開拓しただが、その一方で魔物にという存在も生まれ始めていた。
魔物は元は動物が突然変異したものであり最初はいなかったが人間が成長していくにつれ魔物も成長し始めた。最初は魔物と人間はなんとか共生していたが、人間の王が魔物を絶滅させると言い始めどんどん殺されて言った。
"世界”はこの事を怒り1つの個体に力を与えたそれが魔王だ
魔王は人間を減らすと共にこの世界の神を殺してくれと頼まれた存在だった。魔王は賢く力をかくし仲間の魔物と静かに力をつけ力をつけた魔王たちは人間達を殺し始めたそれに
怒り狂った神達が魔王に攻撃し神対魔物の戦争がはじまり結局引き分けに終わった。
「終わりじゃ」
「へぇー大変だったね」
「うむ、流石に我も疲れたぞ。ではそろそろ貴様は行くのだろ?」
「うん、行くよお風呂入りたいしね」
「呑気な事だ」
「じゃあねルシフェル」
「ふむ、貴様に名前で呼ばれるのは悪い気しないな。
さらばだ、彩月」
言葉が終わると彩月は手を魔王に向かって翳す。
すると彩月の手から黒い塊がでて魔王に向かう、魔王を塊は
覆い被さる。光りを放つするとそこには何も残っていなかった。
【個体名:沙川彩月とルシフェルの融合を確認しました。
魔王の能力 記憶 は沙川彩月に移行されます。
沙川彩月のステータスが変化します。失敗しました。】
「え?失敗?」
【個体名:沙川彩月はステータスが限界に達しました。
嬤王への神化を行います。】
「え?嬤王ってな━━」
彩月は訳がわからず眠りに着いてしまった。
「んッここは?あれ私いつから寝てた?」
彩月は少し前のことが思い出せないのか混乱してた。
「あ、嬤王が、なんちゃらって言ってて。あ、ステータスを確認しよう。ってか、なにこれ!?翼が生えてる!?」
近くに水辺があったため自分の背中から翼が生えているのことに気づいた。漆黒をあらますような綺麗な黒い6対12の翼だ。
「そ、そんなことよりステータス」
名前:ルーナ・ヘル・アザートス
種族:嬤王
称号:原初たる魔が嬤王
魔法:〈血液魔法〉〈原初魔法〉〈精霊召喚〉〈悪魔召喚〉
権能:『アザトース』
・力変換・死魔力・虚数空間・時空間支配・多次元結界・並列存在・思考加速・並列演算・不老不死・不滅・虚無崩壊
『カオス』
・万有具現・武器強化・分解 融合
『ウリエル』
・森羅万象・能力贈与・能力創造
常用スキル…『万能感知』『神霊覇気』『万能変形』
『神眼』
戦闘スキル…『思念支配』『未来予測』『次元移動』
『法則支配』
耐性:痛覚無効 物理攻撃無効 魔法攻撃無効 自然影響無効 状態異常無効 精神攻撃無効
「名前がかっこよくなってるしなんかめちゃくちゃ強くなっている。不老不死か暇になっちゃうなー」
ルーナはまだ仲間が居ないため暇になると思った。
「ん?なんか置いてあるなんだ?」
『ルーナ・ヘル・アザトース贈り物です。 』
「この感じは"世界”かな?魔王の記憶で何となく分かる。
まぁーいいや。おぉー服とかお金も色々ある。ありがとう世界 」
服はドレスコードのような物で、黒が主な色で所々赤いが入っていて綺麗なドレスだ。もう1つはパーカーで色は白と、ピンクの可愛い感じの服だった。お金は10万エルで
当分は普通に生活できるだろう。
「やっとこのダンジョンとお別れか。楽しかったなー」
そう言いながらルーナは転移魔法陣使いこのダンジョンを、出ていった。
「やっと出れたよ〜青い空キラキラ光る太陽サイコーだよ」
ルーナは2ヶ月ぶりの外に出た。出た先は前には草原が広がり横には右側には整備された道があり左側には断崖絶壁の壁ともいえるような山があった。
ここはこの世界の三大国の1つエスラ王国で世界でも名高い賢王が統治している国だ。
ここは商業にさかえ世界でも持っもと多くダンジョンがあるため色々な物が産出される。他の国へと色々な者を輸出したり輸入したりをしている、そのためか国全体が栄え経済が発達している。
「おし人間の多いい所に行ったらまずは宿をとろーと」
万能感知を使いながらルーナは30分くらいあるくと大きな街があった。門の前には多くの人が並んでいる。
「うわー凄い人だー」
ルーナはその列に並ぶ。すると小さい声で色んな人が喋っていた。
(あの人凄く綺麗。お忍びの貴族かな?)
(いくらお忍びでもこんなところ来ないだろう。
貴族でもあんなに可愛い子居ないぞ)
(可愛い〜♡)
ステータスが上昇してからか周囲に耳をすませば色々な会話を盗み聞き出来る。
ルーナは自分の容姿が良いと分かっていた為何も反応しないが少し鬱陶しかった。
「はぁこればかりは面倒ね」
この面倒くさはいつまでも続くだろう。
さらに30分くらいまつとルーナの番がやってきた。
「お嬢さんここに来るのは初めてかい?」
「あ、はいそうです。」
「分かった。通行税として15エル払ってもらうがいいか?街に出る時に冒険者登録か住民登録をしておくといつでもここから出れるし入れるからしておくといいだろう」
「あ、ありがとうございます。おじさん」
「お、おじさんか。まぁ気おつけろよ」
「はーい」
ルーナは15エルを払い街の中に入っていった。
中に入るとそこには人だかりが沢山あった。皮の装備を来ているものや買い物カゴをもった女性など色んな人がいた。
ここはエスラ王国の首都の次に栄えているメルンという街で 別名冒険者の街だ。近くに魔の森というビザンツ帝国も接している大きな森とダンジョンが何個かあるため冒険者が集まるので冒険者の街と言われている。
「日本でもこんなに人見なかったかも」
そもそもルーナは外に出なかったので外の事はあまり分からないがこの街は凄い人がいることは分かる。
「やっぱり異世界は冒険者があるんだね。
どこにあるのかなー、ああれかな?」
ルーナが見つけたのは剣と盾が2つ飾られている建物だった。大きさは体育館の半分ぐらいの大きさだった。
「よっし行こー」
ルーナはそこに向かい歩く。ほとんどの人がルーナに視線を送ってはそらしたりを繰り返す。ルーナもう慣れたのか
無視して進む。
ルーナが扉を開くとそこには沢山の人が酒を飲んだりと
騒いでいた。1回は酒場になっており上に受付があるらしい。
(おいおいなんだあの別嬪さんは貴族か?)
(うぉーやべーだろあの可愛さは)
やはりここに入っても言われるらしい。
ルーナは2階に上がり受付を目指す。
「すいません。冒険者登録をお願いしたいんだけど」
「ぼ、冒険者登録ですか?」
「うん。」
「お嬢さんにはすこし危険だと思うのですが」
「大丈夫、大丈夫。」
「はぁあ。分かりました。では名前などを記入よろしくお願いします。」
受付の男にそう言われ名前を書く。
(ルーナでいいっか。後は職業は魔法士でいいかな?)
「はい、ありがとうございます」
「他にする事はあるの?」
「えーと魔力測定をさせていただきます」
「分かった」
受付が水晶見たいなのを持ってきた。
「これに手を置いてください。測ります」
「分かった」
手を置くと光それに出された数字を受付が紙に書く。
(良かった魔力を調整しといて)
ルーナは小説で魔力が多すぎて水晶が破裂するなどと書いてあった事を思い出して魔力を制御して少なくしておいたのだ。
「ありがとうございます。ではこちらがギルドカードになります。魔物の討伐数 依頼の成功失敗によりランクが上がったり下がったりします。ではお気おつけて」
「ありがとうございます。あと、オススメの宿はありますか?」
「宿ですかー。えーとここからでて右手側にある安らぎ亭って所が少し高くなりますが色々サビースがあるのでオススメですよ」
「ありがとう。じゃまた来ます」
そう言いルーナは受付から離れ冒険者ギルドを出ていった。
(はぁー緊張した。あんなに、美人の方だとさすがにやりずらい。)
受付の男は突然美人の方が来たため呼吸を忘れるほど緊張していた。それでも仕事をしていたため、この男は有能な事が分かるだろう。
「ここかぁー綺麗な宿だね良かった」
そう言いルーナは宿の中に入っていった。