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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

怪談「わしゃわしゃ」

作者: VLP

グロ苦手な方はグロ注意です。


これはある親子が体験したと言うお話です。


それは良く晴れた日。いつもの道を親子で手を繋いでスーパーまで歩いていました。


いつもの見慣れた道、母親は「今日の夕飯は何が食べたい?」とか「今日は幼稚園で何があったの?」とか、普通の親子の会話をしつつ歩いていました。


そして、そんな母親の質問に小さな女の子「A子ちゃん」も、「きょうはコロッケがたべたい!」とか「きょうはみんなでおうたをうたったよ!」とか、楽しそうに受け答えしながら歩いていました。


そうしているといつもの大通りに着き、その大通りの横断歩道を渡れば目的のスーパーまですぐです。そして、親子は横断歩道で信号待ちをしていました。すると・・


「・・・・ねぇ おかあさん  あれなーに??」A子ちゃんが横断歩道の渡った先を指差してお母さんに尋ねました。


お母さんは「??A子ちゃんどうしたの?」っと指差す先を見ましたが・・特に何もありません。するとA子ちゃんが、


「あれだよーあれー  なんか  わしゃわしゃしてるやつ!」っと一生懸命指を指してますが・・・お母さんには何を指してるのか分かりません。


「??どれ?A子ちゃんどれの事いってるの??」首を傾げるお母さん。すると丁度信号が青になりA子ちゃんが「あれだよーあれあれ!」っと走って行ってしまいました。


「ああ!コラ!A子!走っちゃダメ!」っとあとを追って走っていくと、A子ちゃんは渡った先の電柱の影で止まってました。


そんなA子ちゃんに追いつき電柱の影に立っているA子ちゃんに「もう!A子!大きな道ではお母さんと一緒じゃなきゃ渡っちゃダメって言ったでしょ!!」っと怒りましたが、どうもA子ちゃんの様子がおかしい。


「・・・A子ちゃん?どうしたの??何かあるの?」電柱の影でじっと立って何かを見ている様子のA子ちゃんに近づき、何気なくひょいとA子ちゃんの頭越しに見てみると・・・そこには生花が供えられていました。


「あ・・」っと息を飲みすぐに意味を察したお母さん。そんなお母さんの方を振り向きながらA子ちゃんが「わしゃわしゃがここにいたの・・・」っと言いました。


言ってる意味は分かりませんでしたが、もの凄く嫌な予感がしてお母さんは少し強引にA子ちゃんの手を引っ張ると、「いいから!ほら!行くよ!」っとスーパーへと足早に向かいました。


その後も、A子ちゃんはそこに来るたび「わしゃわしゃまたいるよ?」っと言うので、「見ちゃいけません!」っと言って少々強引に手を引いて歩きました。


そんなやり取りをして一週間ほどたった頃、未だに「わしゃわしゃがいるよ?」っと言ってくる娘に思いたくは無いですが、場所が場所だけに明らかに娘にしか見えてない何かがいると・・・思いたくは無いですが・・・ 試しに友人の中で「霊感」が強いと言うEさんに相談をしました。


電話で相談を持ちかけるとEさんは「じゃあそこ見に行こう」と言って次の日にEさんと会う事になりました。


次の日、娘が幼稚園に行っている合間に、Eさんとその現場へと向かいました。そして、丁度その交差点が見えてくると・・・だんだんEさんの顔が険しくなっていく。


そして丁度信号待ちで交差点で立ち止まり、なんとも言えない表情のEさんを見たお母さんは恐る恐るこう訊ねました。


「・・・ねえ、・・・やっぱり・・心霊的なモノが・・い・いるの?」


するとEさんは交差点で信号待ちをしながらすっと道の向こうの電柱を指差して、


「・・・うん・・・いる・・てか・・・・しばらくこの道使わないほうがいいよ・・・」と言いました。


お母さんは心の中で「やっぱり悪い予感当たったかぁ」と思いましたが、見えないモノへの関心と言いますか・・・娘が言っていた事が気になり、Eさんにこう訊ねました。


「ねえ・・Eさん  娘がここを通るたびに、わしゃわしゃがいるって言ってたのなでど・・・Eさんは意味がわかる??」


するとEさんはこう答えました。


「あー・・・わしゃわしゃね・・・A子ちゃんはまだ小さいから良くわからなかったのだろうけど・・・わしゃわしゃっと言うより・・・・ぐしゃg」っと言いかけたところでお母さんは


「言わないで!!!   わかったから・・・もういいから・・分かっちゃったから・・・」っと青い顔をして最後までは聞かなかったそうです。





その後、Eさんの「もう大分薄くなってるから後一週間くらい経てば居なくなると思うよ?」と言う言葉を信じ、一週間その道を使いませんでした。


そして、その後にそこを通っても以前のように娘が「わしゃわしゃ」とは言わなくなったそうです。






さて、A子ちゃんは一体なにを見てわしゃわしゃと言っていたのか・・・Eさんとお母さんは分かっているようですが、皆さんはどうでしょうか?


そこで、良くわからないと言う方の答えになるかは分かりませんが、後々お母さんが調べてみたら次の事が分かったそうです。それは・・・


あの場所で深夜事故があったそうです。


それは大型トラックとバイクの衝突事故。


なんでもスーパーに食材を運ぶトラックに猛スピードでバイクが正面から激突、トラックの運転手は打撲で済みましたが、バイクの運転していた若者は即死。


その若者はヘルメットすらしていなかったらしく、御遺体は原形をとどめないほどに潰れ、まるでトマトを潰した様だったそうです。    





そう・・・ぐしゃぐしゃに・・・。

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