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A Vengeance  作者: 空儚 紗羅斗
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・第四章 消失

 カリアに関する依頼が表から姿を消すのに長い時間は必要とされなかった。確実に消えたという情報として得られるものは酒場の掲示板でしかないはずだったが、ここに来るまでの周囲の雰囲気で察することができるぐらいには大事になってるらしい。いつもと違う静けさの中、耳では感じ取る事ができない騒々しさが外にはあった。賞金首に対して情報が疎い人種であったとしても名前が知れてしまっていたものが日が昇ると人々の前からなくなってしまったとなれば当たり前のことである。酒場に着いたとたんかなりの人数の対応に追われて右往左往するガズラスの姿が目に入った。ここに限らずどこの情報屋に行ったとしても風景としては変わらないのであろうと思う。チラッと目が合うと申し訳なさそうな顔をこちらに送って来たのを確認したところで待つことを決めた俺は干してあった鼠の肉とアルコールのない適当な飲み物を手に取り窓際のテーブルに腰かけた。

 太陽が地上の真上に来た頃にさっきまで隠してたであろう疲れた表情を見せながらガズラスが対面に崩れ落ちた。

「普段はこんなに賑やかじゃないんだけどな、不備が見えたとたんにこの有様だよ。」

 大きなため息をしながらガズラスがこぼす愚痴を聞きながら残った干し肉を頬張る。

「からくりは分からないが早急な対応感謝する。」

 まるで物珍しそうに顔を覗き込んで来たが、口を開く前に話を続けた。

「俺の目測だとここからしばらく、もしかしたらもうこの酒場に足を運ぶことはないだろうから今日は飲んでくれ。」

そういいながら通りかかった店員に対してビールを頼むと苦笑いを浮かべながら口に運んでくれた。

 そこからの会話は今までの事やガズラスの友人のくだらない笑い話という談笑が主で、心配はかけている事は勿論わかってはいたのだがお互いにそのことを表には出すことはしなかった。

 客足が完全に引き自分たちの周り以外の灯りがなくなったころ、そろそろ帰路につこうかと告げると一気にガズラスの表情から明るさが消えた。

「少し昔話に付き合え。」

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