自転車ロードレース、この理不尽な競技
自転車ロードレース、これ程理不尽な事が多い競技が他にあるだろうか?
チーム戦でありながら、讃えられるのは個人。
チーム戦でありながら、各チームの人数はまちまちである事もあり。
最大の敵は風圧。
せめぎ合い、騙し合い、探り合い。
協調、分裂、炸裂。
ルールには無い選手同士暗黙の了解とマナー。
強くなければ勝てないが、その日一番強い者が勝てるという事ではない。
それは一種のゲームであるから仕方がない?というにはあまりにも過酷過ぎるスポーツだ。
250km程にも及ぶ険しい道を平均時速40km以上で駆け抜ける。
ツール・ド・フランスなどはそれを毎日毎日3週間。
ある時は灼熱の太陽にさらされ、ある時は冷たい雨風に凍え。
一歩間違えれば時速100km近いスピードで生身の身体を硬いアスファルトに叩きつけられる。
いつだって死と背中合わせだ。
讃えられるのはたった一人の勝者のみ。
しかし、選手一人一人の人生を掛けた生き様が走りに現れるのがロードレースであり、勝てなかった選手から勝者以上の感動を与えられる事もあるのがロードレースだ。
多くのやるせなさ、故に美しさも際立つ。
そんな自転車ロードレースに魅せられた若者達の出逢いと彼らが作っていく物語。




