遥かな危うき道程の末に
振り向くことすら
怖がった。
恥ずかしさに悶えながらも
それでも後ろを向くことを、
心の中の鮮やかな
思い出を、
紙が褪せるように、
昔にも靄がかかる。
それでも前を進まなければ、
思い出すことさえ
出来ないのなら、
そっと焦燥を押し込める。
人生を本と例えるなら、
頁を閉じたところから
僕の人生は始まった。
いつか終わりが見えるまで、
そっと歩みを進めよう。
怖がることさえ、
許されないと言うのなら
そっとそこに一時だけでも
佇もう。
いずれにしても、
この思いだけは、
消えることは叶わない。