4.第一形態
マスター「ん?なんで急に第一形態の会得しようと?」
レイ「この前の手紙を書いた依頼人に会ってきた。幼い少年少女だった。メルフェス国では内紛が起こっていてな、その内紛の原因は王であるナルトロスだった。」
マスター「そうじゃったのか…。」
ミラ「だから、第一形態を会得したいの。ナルトロスはあれでも一国の王。まともにやり合ったら勝てない。」
マスター「それはそうじゃの…。だったら、修行は今夜からじゃ。第一形態の会得はたったひとつだけ…あることを覚えれば簡単に会得出来る。」
ミラ「だったら、今から…」
レイ「ああ、すぐに始めよう。」
レイとミラは修行を始めるため、裏口から「スカルフ」を出ていった。
マスター「才能ある者なら一日で終わる簡単な修行だ。」
レイ「修行の内容は何だ?」
マスター「変化じゃよ。第一形態に必要なのは変化じゃ。」
マスターはサッカーボールを取り出した。
マスター「これを動物に変化させてみよ。それが課題じゃ。」
レイ「一体どうやって…。」
ミラ「ボールにカラスの力を加えるんじゃない?」
レイ「なんだと…?そんなこと不可能に決まっているじゃないか!カラスの力は俺たちの体に流れているものだ。どうやって外に…。」
ミラ「それを考えるんでしょ!」
ミラは鈍感なレイに怒鳴った。
ミラ「待って、これ簡単だ。」
鈍い音が響く。
レイ「ミラ…?まさか!」
ミラは会得に成功した。
実は、その修行はとても簡単だった。
常に放出するカラスの力を物に流すだけでいいのだ。
ミラは器用なため、いとも簡単に成し遂げた。
五日後
ミラ「ねぇ、まだー?」
レイ「コツは掴めてきてるんだ。」
ミラ「早くしないと死者が増えるだけだよ。」
レイ「そんなことは分かって…」
その瞬間だった。
ぐにゃぐにゃを形を変え、鳥に変化した。
レイ「出来た…。5日かかってやっと…。」
マスター「ようやく、出来たようじゃの。」
5日も経っている。死者が増える一方だ。
レイ「すぐに準備して向かう。お試しは向こうで十分だ!!」
マスター「好奇心旺盛じゃのう。気をつけて行っておいで。」
2人はメルフェス国へと再び出発した。