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初めての会話(戦隊side)
……何も出来なかった。
「みんな、無事か?」
「えぇ……怪我はないわ」
自然と変身が解除されており。牙炎は重い体を起こし、仲間へと声を掛ける。
イエロー、浅黄がヨロヨロと立ち上がる。
他の面々も何とか立ち上がり、その身には目立つ傷は無い。
「……クソ」
外傷はないが、手も足も出なかった事実は、牙炎達の心に深い傷を刻んでいた。
「『どうやら無事の様だね』」
博士の声が変身アイテムの携帯から聞こえる。
「……何とか」
「『落ち込んでる所悪いけど、そろそろ人が集まって来そうだ。早めに街を修復して撤収しなさい』」
遠くで聞こえるサイレン音。牙炎達は慌てて再度変身すると、それぞれの超獣に乗り込み、街の修復に取り掛かる。
その後、街は何事もなかったかのように復元され、超獣達は彼方へと消えていく。
牙炎達も博士に回収されたのだった。




